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第二章 夏 ~それぞれの想い、廻り始めた歯車~
その112 試合当日!助っ人の正体とは!?
しおりを挟む「で、先生! どういうことですか!!」
そして試合当日。勿論僕らは路世先輩とちぃがいない中、会場へと向かうことにした。
そして到着した時だった。顧問の先生となった蒼川先生までもが会場に到着していたのだ。
先生が試合に来るのは珍しく、まさか来るとは思ってもみなかった。
そして会場に着いた矢先、先生は僕らにこう告げたのだ。
『代わりは呼んであるので、貴方たちはそのまま試合の準備をしていなさい』
と、たったそれだけ。先生はそれだけ僕らに告げたのだ。
望子先輩となにやら怪しげな雰囲気の中、僕らはいつも通り試合の準備を済ませ、万全の状態に整えた。
しかし、先生の呼び出した助っ人は試合開始直前となった今でも、その姿を見せていなかったのだ。
「先生!」
「大丈夫です。もう少しで来ますから」
と、冷静な表情のまま先生はそう答えるだけ。僕らもすでに痺れを切らしていた。
このまま先生の言う助っ人が登場せずに試合時間を過ぎてしまうと、僕らは自動的に敗北となる。
それだけはなんとしてでも阻止しなくてはならなかったため、僕らは時間が経つに連れ、焦りを覚えていた。
「海老津学園さん、まだですか……?」
どうやら審判のほうももう待てない様子だった。相手チームはもう、自分達が勝ったかのように完全に勝ち誇ったような表情を見せているではないか。
……このままでは埒が明かない。僕ももう焦って頭を掻き始めたまさにその時だった。
ばん、と会場の扉が開れる。と、試合会場に姿を見せたのは意外な人物だったのだ。
「遅れてすみません! 海老津学園の試合会場はここで合ってますか!?」
「紗琉!?」
そう。会場に現れたのは、ウチの学校の生徒会長の紗琉だったのだ。肩にバッグを掲げて、まるでこの会場で試合を行うかのような雰囲気で――――――
「まさか、先生の呼んでいた助っ人って……!?」
「えぇ。去年、ふらっと現れ、『どん・だー』を騒がせた幻のチーム、『b's』のメンバーの紗琉さんがいれば、きっとこの試合も勝てるでしょうし」
「え? 紗琉が!?」
僕は先生の言葉に耳を疑った。紗琉が……『どん・だー』を騒がせたチーム『b's』のメンバーだって……?
「そうよ。……でもそれはもう過去の話だし、腕はだいぶ落ちていると思うから、過度な期待はしないで頂戴ね」
と、紗琉はバツの悪そうな顔でそう言った。……でもこうして、紗琉が助っ人として来てくれたのだ。これは心強いぞ!
「さぁて、一つ暴れましょうか! 新生『b's』と旧『b's』の力を合わせた、混沌『b's』でね!」
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