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第一章 春 ~事の発端、すべての元凶~
その92 予選二回戦開始!
しおりを挟む「ついに来ましたね……」
「そうだね……」
望子先輩とともに同じ方向を見つめる。その先には試合会場があった。
とうとう来てしまったのだ。予選二回戦目の日が……。ここまでしっかり練習してきたが、それでもまだ不安が僕の心の中に残っていた。
「……大丈夫でしょうか。僕ら、勝てますかねぇ……?」
「さあ、どうだろうね? でも、この試合で持てるすべての力をぶつけない限りは勝てないんじゃないかな?」
と、望子先輩はニヤリと笑みを浮かべながらそう告げた。
確かにそうだが……それでも僕は自分の今の実力が通用するのかどうかが一番不安だった。
「なに弱音吐いてんだ。俺たちはしっかり練習を積み上げてきただろ? だったら大丈夫だっての」
「そうだよ! ここで弱音吐いてたらホントに負けちゃうよ、鍵くん」
先輩二人に言われながら、僕は改めて気づく。
……そうだよな。ここで弱音を吐いていると、本番でほんとうに負けてしまうかもしれない。
それにもうここまで来たんだ。今更弱音吐いていても仕方ない。
やるからには全力でやって、それでムリならムリなのだ。何事も挑戦しないと結果は分からない。
ならば、ここでしっかり自分の実力を出し切ってからにしよう。そうしなければ、きっとここで後悔してしまうからだ。
「……そうですよね。うん、僕も今日は精一杯頑張りますので、宜しくお願いします」
「おう、その域だ!」
「頑張ろうね、鍵くん!」
やっぱり先輩たちは凄いや。こんな状況でもこうしてポジティヴに変えれる力があって。
不安だった僕の心もいつしか、自信に変わっていた。
いつしか不安がっていたその想いが、今ではこのメンバーなら絶対にという自信に変わっていた。
「じゃ、行こうかケン後輩!」
「ちぃちゃんも! みんなで絶対に勝とうね!」
「はい!」
「はい!」
こうして僕たちの、「どん・だー」予選二回戦が始まったのだった。
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