74 / 142
第一章 春 ~事の発端、すべての元凶~
その74 久々のランチタイム①
しおりを挟む
望子先輩により、部室に扇風機がもう一台追加された日の次の日の昼休み。
僕は午前中の授業が終わり、のんびりと背伸びをしていた。
連続しての座学はとても退屈であり、身体も強張ってしまうほどだ。
「くぅ~~~~っ……」
「お疲れ様、ケンくん」
と、そこへ一夜が現れる。そういえば、彼女と話すのもかなり久々のような気がする。
……そうか。一夜だけは最近話に登場してないからか。だから、そんな気がするのか。
「……なんか失礼なこと考えてない?」
「カンガエテナイデス」
「なんでそうカタコトになってるのか……。まぁいっか」
ため息交じりにそう告げる一夜。
「それで、僕に何か用? 珍しく一夜から僕に話しかけてくるなんて」
「そうそう。これから一緒にお昼なんてどうかなって思って声をかけたの。もちろん、紗琉ちゃんも一緒よ」
「どうしてそこで紗琉が出てくるのかは知らないけど、まぁ特にやることもないし……構わないよ」
まぁいつものように部室でお昼を摂るつもりではあったが、別に部室じゃなくても構わない。
それに誘われた誘いを断るのもなんだか申し訳ないし……。
「それじゃ、いつもの生徒会室で待ってるわね」
「あ、うん……」
それだけを告げると、一夜は僕より先に生徒会室のほうへと向かっていった。僕はそれを見送りながら、ため息をひとつ。
また生徒会室か。まぁ特別キライってわけじゃないけど、なんだか居心地悪いんだよなぁ……。
生徒会に入ってるわけでもないのに、そんな特別な教室に入るのもなんだかヘンに罪悪感感じるし……。
「……でも、二人とも待ってるみたいだし」
僕は覚悟を決め、昼ご飯を片手に生徒会室へと向かうことにした。
廊下を歩くこと数分。その難関の門が目の前に現れた。……生徒会室の扉を開けれないまま、僕は生徒会室の前で硬直していた。
……どうしてか、許可されたのに入れないチキンな僕が心の奥底にいるからだ。
「……入りずらいなぁ」
どうしても僕は生徒会室に入る勇気がなく、ただただ生徒会室の前でぼーっと突っ立っていることしかできない。
と、そこへどたどたとこちらへやってくる足音がひとつ。その足音がだんだんこちらに近づいており、唐突に生徒会室の扉が開かれた。
「いやー、ごめんなさい! そういえば、ケンくんって生徒会室ニガテだったわね」
「……わかってたなら先に察してちょうだい」
その後、場所を切り替え、僕らは中庭でランチタイムとなったのだった。
僕は午前中の授業が終わり、のんびりと背伸びをしていた。
連続しての座学はとても退屈であり、身体も強張ってしまうほどだ。
「くぅ~~~~っ……」
「お疲れ様、ケンくん」
と、そこへ一夜が現れる。そういえば、彼女と話すのもかなり久々のような気がする。
……そうか。一夜だけは最近話に登場してないからか。だから、そんな気がするのか。
「……なんか失礼なこと考えてない?」
「カンガエテナイデス」
「なんでそうカタコトになってるのか……。まぁいっか」
ため息交じりにそう告げる一夜。
「それで、僕に何か用? 珍しく一夜から僕に話しかけてくるなんて」
「そうそう。これから一緒にお昼なんてどうかなって思って声をかけたの。もちろん、紗琉ちゃんも一緒よ」
「どうしてそこで紗琉が出てくるのかは知らないけど、まぁ特にやることもないし……構わないよ」
まぁいつものように部室でお昼を摂るつもりではあったが、別に部室じゃなくても構わない。
それに誘われた誘いを断るのもなんだか申し訳ないし……。
「それじゃ、いつもの生徒会室で待ってるわね」
「あ、うん……」
それだけを告げると、一夜は僕より先に生徒会室のほうへと向かっていった。僕はそれを見送りながら、ため息をひとつ。
また生徒会室か。まぁ特別キライってわけじゃないけど、なんだか居心地悪いんだよなぁ……。
生徒会に入ってるわけでもないのに、そんな特別な教室に入るのもなんだかヘンに罪悪感感じるし……。
「……でも、二人とも待ってるみたいだし」
僕は覚悟を決め、昼ご飯を片手に生徒会室へと向かうことにした。
廊下を歩くこと数分。その難関の門が目の前に現れた。……生徒会室の扉を開けれないまま、僕は生徒会室の前で硬直していた。
……どうしてか、許可されたのに入れないチキンな僕が心の奥底にいるからだ。
「……入りずらいなぁ」
どうしても僕は生徒会室に入る勇気がなく、ただただ生徒会室の前でぼーっと突っ立っていることしかできない。
と、そこへどたどたとこちらへやってくる足音がひとつ。その足音がだんだんこちらに近づいており、唐突に生徒会室の扉が開かれた。
「いやー、ごめんなさい! そういえば、ケンくんって生徒会室ニガテだったわね」
「……わかってたなら先に察してちょうだい」
その後、場所を切り替え、僕らは中庭でランチタイムとなったのだった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

曖昧なカノジョのメテオロロジー
ゆきんこ
青春
晴人は『ある能力』のせいで友達と踏み込んだコミュニケーションが取れない高校生。
夏休みの最終日にいつもの釣りスポットでおひとりさまを楽しんでいた晴人。
ガツンとくる強い引きは大物の予感! ところが自分の釣り糸が隣の釣り糸に絡まってしまい、心雨と名乗る少女と思わぬ交流をすることに。
17年間友だちナシ彼女ナシのボッチ高校生男子が、突然恋に落ちるのはアリですか?
訳アリな二人のちょっと不思議なボーイ・ミーツ・ガール!
°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°【それはカフェラテとカフェオレの違いくらいのこと】°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!
山田みかん
ファンタジー
「貴方には剣と魔法の異世界へ行ってもらいますぅ~」
────何言ってんのコイツ?
あれ? 私に言ってるんじゃないの?
ていうか、ここはどこ?
ちょっと待てッ!私はこんなところにいる場合じゃないんだよっ!
推しに会いに行かねばならんのだよ!!

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる