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第一章 春 ~事の発端、すべての元凶~
その43 決戦!b'sVS春日高校!
しおりを挟む紗琉からの通達から三日後。遂に、約束の日となった。
僕らはすでに気合いとやる気は十分。身体から溢れ出てくるくらいだった。
決戦会場である春日学園へと向かい、僕らはそれぞれ準備を整える。
バチはちゃんと持ってきたし、練習もしっかりやってきた。
準備は万全だ。あとは試合でしっかりと結果を残すだけ。
「……よし」
大きく深呼吸をすると、僕は意識を試合に向ける。
初めての試合とはいえ、絶対に下手なことは出来ない。それはちぃも同じだった。
緊張はしているようだが、それよりも試合で失敗しないかが一番の気がかりの様子だった。
ここに来る前も、「失敗しそうで怖いです」なんて弱音を吐いていた。
それでもやるしかないのだ。このまま尻尾を撒いて逃げるよりかは、やって失敗したほうが数倍マシだ。
「よし、それじゃみんな準備はいい?」
望子先輩の声もいつものようにちょっと不抜けた感じではなく、最初に出会った頃の凛々しい口調になっていた。
……きっと先輩も緊張しているに違いない。ましてや、自分の部活の存続がかかっているのだ。この試合に負けるわけにはいかないハズだ。
路世先輩もいつもとはちょっと違う険しい表情を見せていた。
……みんな緊張しているのだ。何せ部活の存続がかかっているのだから、当たり前だ。
相手の春日学園の実力だが、ネットで調べたところ、「どん・だー」の地区予選に出場するほどの腕前と聞くではないか。
そんな相手と戦えるのかと不安になっていたが……ここまで来たからには頑張る他選択肢はなかった。
「それじゃ行くぞ、みんな」
「あ、待って!」
路世先輩が先導して向かおうとするが、部長である望子先輩が止める。
「円陣しようよ! 折角の新チームなんだし」
「あ、いいなそれ! よし、じゃ囲め囲め!」
望子先輩の提案に賛成した路世先輩は、僕とちぃを強引にも引っ張り、円陣を組ませる。
「……いい? 例えこれが練習試合だとしても、これが最後の試合になったとしても、私たちは全力を出し切るだけだからね!」
「はい!」「おう!」「ええ!」
望子先輩の言葉に、僕らは相槌をうつ。
そうさ。これが最初で最後の試合になろうとも、練習試合だとしても全力を出し切るのが相手への礼儀であり、僕らにとって後悔のない試合にするためだ。
「行くよ! b’s、レディー……ゴー!!」
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