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第一章 春 ~事の発端、すべての元凶~
その20 勝負!
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「勝負ですっ!」
唐突に、ちぃは路世先輩に勝負を挑んでいた。太鼓部内でゲームの達人と言われている、あの路世先輩にだ。
ちぃの手にはバチが握られており、路世先輩に太鼓の鉄人で勝負を挑むようだ。
「うむ。いいだろう、かかってこい」
路世先輩も、ちぃの挑戦状を受けるようだ。やはり、ゲームの達人と言われている路世先輩は、どんな相手の挑戦でも受けて立つようだ。
「大丈夫なんですか、先輩。ちぃと路世先輩が戦うらしいですよ?」
「うーん……いいんじゃない? 楽しければそれでいいよー」
「えぇー……」
先輩は完全にその勝負を見物しながらワクワクしていた。やはり先輩は先輩だ。どんな事も楽しめるのが非常に羨ましい。
けれども僕は、その勝負に少しばかりヒヤヒヤしていた。路世先輩とちぃの戦いだ、いつもとは違う対戦カードなため、どんな勝負になるのか予想できないからだ。
太鼓の面をドン、と叩いて太鼓の鉄人を起動させるちぃ。曲の選曲は、互いの知っている曲を選ぶようで、ちぃは曲の一つ一つを選び、路世先輩に問いかけていた。
やがて、互いの知っている曲を選び、ちぃと路世先輩の勝負が始まる。譜面が流れ、互いにリズム良くバチを叩いていく。
その光景を見ながら、僕はふと謎に思った。
「先輩、どうして路世先輩は太鼓部に入ったんですか?」
そう。こんなにゲームの上手いのに、どうして太鼓部を選んだのだろうか? 路世先輩の腕ならば、このままゲーム部みたいなプロゲーマーを目指すような部活に入れば、確実にメキメキと腕を上げる事ができるというのに。
「それがね、路世ちゃんはまったく私に何も言ってくれないの。私が聞くと、毎回毎回『楽しそうだから』って」
「そうなんですね……」
と、先輩と話しているうちに勝負はついていたようだ。結果は路世先輩の圧勝だった。
「負けました……。流石ですね、路世さん」
「いいや、ちぃもなかなかの腕を持ち合わせているな。見事だ」
と、例え自分が勝っても、相手をちゃんと尊重できるゲーマーの路世先輩の姿がそこにあった。
唐突に、ちぃは路世先輩に勝負を挑んでいた。太鼓部内でゲームの達人と言われている、あの路世先輩にだ。
ちぃの手にはバチが握られており、路世先輩に太鼓の鉄人で勝負を挑むようだ。
「うむ。いいだろう、かかってこい」
路世先輩も、ちぃの挑戦状を受けるようだ。やはり、ゲームの達人と言われている路世先輩は、どんな相手の挑戦でも受けて立つようだ。
「大丈夫なんですか、先輩。ちぃと路世先輩が戦うらしいですよ?」
「うーん……いいんじゃない? 楽しければそれでいいよー」
「えぇー……」
先輩は完全にその勝負を見物しながらワクワクしていた。やはり先輩は先輩だ。どんな事も楽しめるのが非常に羨ましい。
けれども僕は、その勝負に少しばかりヒヤヒヤしていた。路世先輩とちぃの戦いだ、いつもとは違う対戦カードなため、どんな勝負になるのか予想できないからだ。
太鼓の面をドン、と叩いて太鼓の鉄人を起動させるちぃ。曲の選曲は、互いの知っている曲を選ぶようで、ちぃは曲の一つ一つを選び、路世先輩に問いかけていた。
やがて、互いの知っている曲を選び、ちぃと路世先輩の勝負が始まる。譜面が流れ、互いにリズム良くバチを叩いていく。
その光景を見ながら、僕はふと謎に思った。
「先輩、どうして路世先輩は太鼓部に入ったんですか?」
そう。こんなにゲームの上手いのに、どうして太鼓部を選んだのだろうか? 路世先輩の腕ならば、このままゲーム部みたいなプロゲーマーを目指すような部活に入れば、確実にメキメキと腕を上げる事ができるというのに。
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「そうなんですね……」
と、先輩と話しているうちに勝負はついていたようだ。結果は路世先輩の圧勝だった。
「負けました……。流石ですね、路世さん」
「いいや、ちぃもなかなかの腕を持ち合わせているな。見事だ」
と、例え自分が勝っても、相手をちゃんと尊重できるゲーマーの路世先輩の姿がそこにあった。
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