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翡翠
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『何て顔をしているんだ、お前は!』
パンッと、高い音がした。頬が痛い。如何してかは分かる。だが、父の心情は分からない。
自分に欠けてしまったものは何なのか。人間らしさは失くした。幸せだった頃の記憶も喪いつつある。
『もっと、嬉しそうな顔は出来ないのか!』
(如何して?)
父は手を伸ばして来た。また、殴られる。身構えた時だ。
腰に結んである、碧玉が気になったらしい。ひゅるりと紐が解かれ、音を立てて玉は落ちた。
(あ………)
『お前は妃なのに、何故そんなに地味な衣裳を着るのか。だいたい、その碧玉は何だ。その髪は何だ。男の様じゃないか。』
何も言わないで、碧玉を拾った。割れなかっただけ、よかったのかもしれない。
『お帰り遊ばせよ。』
低く、重みのある声だった。
『お帰り遊ばせよ!!』
近くにあった花瓶を手に掴んで、投げつけた。
『わっ!』
割れた。水は溢れ出し、父の衣裳を塗らした。
『何をする!』
『二度とお出でなさるな!!』
父に反抗したのは、思えば久しぶりだった。あの時も、父に打たれた。あの人は、殺された。
『何の為にお前を育ててやったと思っているんだ!』
父は乱暴に圓氏の手を掴んで引き摺った。そのまま、宮の、建物の外へ出された。
『やめて下さい。』
『婚期を逃して、やっと手に入れたものを無駄にするなど、莫迦げている。妃にするために、お前は生まれたのに。親に孝行出来ないのか、ならば、お前の価値なぞ、皆無だ!ならば、死ねば良い!』
手を上げた父。思わず目を瞑った。だが、青い何かがスッと通ったのは、分かった。
『価値がない?死ねば良い?』
女の声だった。何処かで、聞いたことがある。凛とした声だった。
『それなら、私も死ななければならないのね。圓氏。私は、親孝行出来ずに歳を重ねたもの。そもそも、婚期さえ手に入れられなかった。』
永寧長公主だった。
『降嫁先には、死なれたわ。妹公主には、さっさと死んでしまえば良いのに、と言われた。そのまま川に飛び込んだわよ、死ねなかったけれど。誰もかも、私には価値がないと言ったのよ。そのまま、私は遂に二十六になってしまった。』
永寧長公主は頬はほんのり赤くなっていた。殴られたのか、怒りで頭に血が上ったのかは、分からない。ただ、父が永寧長公主に向かって不敬を働いたのは、目に見えていた。
『女の価値は、何なのでしょう。そして、それを決めるのは、誰なのでしょう。少なくとも、其方ではない。』
永寧長公主だからこそ、言えた。そして、それにはとても説得力があり、だからこそ哀れに感じさせられた。
『人と優劣を決めて何になるのだろうか。人間はそうしないと生きていけないのだろう。だったら、それは悲しいことかもしれない。』
圓氏の父は、苦い顔をしていて、何かを言い出そうとしている。
『進言は赦さぬ。其方が言っていることは、圓賢妃だけではなく、私をも莫迦にしていることと同じだ。此方は、不敬罪で、其方を罰することも出来るのだ。』
それを言い放つと、父親は、渋々ながらも背を向けて、帰ってしまった。
「人の価値は誰が決めるの、か。」
「小姐!」
俐才人が彼女の宮に駆け込んできた。
本来なら、雲の上のお人だが、圓氏を親しみを持って、小姐と呼ぶ。圓氏が、妹妹と呼ぶのと同じ。だが、人前ではしないようにしている。
「お父君に、手打ちにされたとか!御無事ですか!?」
「平気よ。生きているもの。」
圓氏は頬を摩りなら言った。まだ、少し赤みを持っていた。痛みも残っているという。
「生きてるものって、でも、まだ痛みがあるのでしょう!安静になさらなくても良いのですか!?」
「叩かれただけよ、大袈裟だわ。なんてことないわよ。ただ、今日はあまり人前に出ない様にしたいわね。」
圓氏は頬をさりげなく、絹団扇で隠していた。
「永寧長公主様がいらっしゃって、助かったわ。助けて下さったの。」
『女の価値は何なのでしょう。そして、それを決めるのは、誰なのでしょう。少なくとも、其方ではない。』
「私達の位も、人が勝手に創り出したもの。それにとらわれ過ぎてはならないのね。永寧長公主様が仰ったことは、大変勉強になりました。」
俐才人は笑う圓氏を久しぶりに見た心地がした。
「何をしているんだ!?」
ひいッと若い娘は驚いて、手に持っていた物を落とした。薄い緑の襖裙を着た、女官だった。
女官の着ている襖裙は、位で色が変わる。上から、赤、青、緑。つまり、その女官は下位の女官であることが分かる。
女官は無理矢理連れていかれた。落とした物は、拾おうとしていたが、近くに居た官に奪われてしまった。
「誰の差し金だ!」
官は怒鳴り散らしていた。女官が入ったのは、圓氏の宮だった。四夫人の宮から何かを盗んだとなれば、相応の罰は受けるだろう。
「し、昭儀様が………。」
官は頭を抱えた。昭儀と言えば、後宮の中でも、有名な娘だった。
賢妃圓氏の身内である。圓家の御令嬢は、この立場が嘸かし不満なのだろう。
「圓昭儀様が?圓賢妃様を?何故だ。話せ。全て話せ。そうしたら、離してやる。」
女官は、簡単に主を裏切った、
昭儀様は、賢妃様を嫌っていらっしゃいました。本家の生まれだから、気に入らなかったのでしょう。それと、昭儀様の方が、高い位につけると確信していたのが裏切られたからでしょう。
昭儀様は賢妃様を、とても、恨んでらっしゃいました。そして、ふと、昔のことを思い出したのです。
賢妃様には、昔、想い人がおられました。豪商の息子でした。その方は殺されました。賢妃様がああなのは、そのせいです。
昭儀様はそれを思い出して、笑っておられました。そして、仰せになりました。“賢妃を見張れ”と。
だいたい、そんな話だった。官は、女官から奪った布の包を開いた。
「…………」
入っていたのは、翡翠の玉だった。圓氏がいつも腰に下げている物だ。
「罅が入っていること以外、普通の碧玉ではないか。」
「裏を、ご覧遊ばせ?」
官は女官の言われるままに、碧玉をひっくり返した。
「分かりますこと?」
驚いた。口にするのもやめたかった。
『圓寳闐』『俐丁理』
多少歪んでいたが、たしかにそう掘られていた。寳闐は圓氏だ。そして、俐と言うことは、俐才人の兄弟か。女人の名とは、思えなかった。
「おい。」
官は女官に話しかけた。
「俐才人に、ご兄弟はいらっしゃったか。」
「ええ。いました。たしか、俐丁理とか、言いましたわ。生死は知らねど。」
女官はクスクスと笑った。
『寳闐。』
随分と懐かしい呼び方だ。寳闐。それは、自分の名だったが、誰も、そう呼ばなかった。
『丁理。何故貴方が。』
天衣無縫な少年だった、あの人は。
(これは、幻なの。)
『いいのかい、寳闐。僕にくれた腰飾りが、奪われたんだ。今日は壊さないように、仕舞っていただろ。爸爸さんに罅割れさせられたんだろ?』
『爸爸は、もう、いいの。あの人は、何も分かってはくれないわ。面倒臭い。妃なら、稜鸞にすれば良かったのよ。』
稜鸞は、圓昭儀のことだ。稜鸞には、申し訳なく思っている。四夫人になろうとしたのに、結局、格下の九嬪にしかなれなかった。それでも、九嬪の頂点なのは、救いなのか。
『生きていたくないわ、こんな処で。寳闐なんて、豪華な名前、いらなかったなぁ。宝玉の如く大切な娘、なんて嘘だもの。』
年端もいかぬ頃から、紅をさされた。本来の顔は、自分にも分からなかった。それが、当たり前だった。
『私が好きなんて言ってくれたの、貴方だけ。』
迎えに来て欲しい。たとえ、鬼になっていても、構わない。いっそ、共に九泉まで降ってしまいたい。
『まだ、迎えに来れない。だって、寳闐は、殆ど不老不死じゃないか。』
この身を恨みたい。丁理は不老長寿だ。だが、圓氏は不老不死。先に逝かれてしまうのは、分かっていたのに。
『そろそろ、時間だよ。朝になる。』
丁理は、再見と言って、去った。夢の夢だ、それに、気がついた。
次の日から、噂が流れた。“賢妃は想い人がいた”と。死んだので、影響は無い筈だが、御令嬢達には、有り得ない、と批難された。
だが、圓氏は落ち込んだりしなかった。何処か、満たされた様な顔をしていたのには、誰も気がつかなかった。
パンッと、高い音がした。頬が痛い。如何してかは分かる。だが、父の心情は分からない。
自分に欠けてしまったものは何なのか。人間らしさは失くした。幸せだった頃の記憶も喪いつつある。
『もっと、嬉しそうな顔は出来ないのか!』
(如何して?)
父は手を伸ばして来た。また、殴られる。身構えた時だ。
腰に結んである、碧玉が気になったらしい。ひゅるりと紐が解かれ、音を立てて玉は落ちた。
(あ………)
『お前は妃なのに、何故そんなに地味な衣裳を着るのか。だいたい、その碧玉は何だ。その髪は何だ。男の様じゃないか。』
何も言わないで、碧玉を拾った。割れなかっただけ、よかったのかもしれない。
『お帰り遊ばせよ。』
低く、重みのある声だった。
『お帰り遊ばせよ!!』
近くにあった花瓶を手に掴んで、投げつけた。
『わっ!』
割れた。水は溢れ出し、父の衣裳を塗らした。
『何をする!』
『二度とお出でなさるな!!』
父に反抗したのは、思えば久しぶりだった。あの時も、父に打たれた。あの人は、殺された。
『何の為にお前を育ててやったと思っているんだ!』
父は乱暴に圓氏の手を掴んで引き摺った。そのまま、宮の、建物の外へ出された。
『やめて下さい。』
『婚期を逃して、やっと手に入れたものを無駄にするなど、莫迦げている。妃にするために、お前は生まれたのに。親に孝行出来ないのか、ならば、お前の価値なぞ、皆無だ!ならば、死ねば良い!』
手を上げた父。思わず目を瞑った。だが、青い何かがスッと通ったのは、分かった。
『価値がない?死ねば良い?』
女の声だった。何処かで、聞いたことがある。凛とした声だった。
『それなら、私も死ななければならないのね。圓氏。私は、親孝行出来ずに歳を重ねたもの。そもそも、婚期さえ手に入れられなかった。』
永寧長公主だった。
『降嫁先には、死なれたわ。妹公主には、さっさと死んでしまえば良いのに、と言われた。そのまま川に飛び込んだわよ、死ねなかったけれど。誰もかも、私には価値がないと言ったのよ。そのまま、私は遂に二十六になってしまった。』
永寧長公主は頬はほんのり赤くなっていた。殴られたのか、怒りで頭に血が上ったのかは、分からない。ただ、父が永寧長公主に向かって不敬を働いたのは、目に見えていた。
『女の価値は、何なのでしょう。そして、それを決めるのは、誰なのでしょう。少なくとも、其方ではない。』
永寧長公主だからこそ、言えた。そして、それにはとても説得力があり、だからこそ哀れに感じさせられた。
『人と優劣を決めて何になるのだろうか。人間はそうしないと生きていけないのだろう。だったら、それは悲しいことかもしれない。』
圓氏の父は、苦い顔をしていて、何かを言い出そうとしている。
『進言は赦さぬ。其方が言っていることは、圓賢妃だけではなく、私をも莫迦にしていることと同じだ。此方は、不敬罪で、其方を罰することも出来るのだ。』
それを言い放つと、父親は、渋々ながらも背を向けて、帰ってしまった。
「人の価値は誰が決めるの、か。」
「小姐!」
俐才人が彼女の宮に駆け込んできた。
本来なら、雲の上のお人だが、圓氏を親しみを持って、小姐と呼ぶ。圓氏が、妹妹と呼ぶのと同じ。だが、人前ではしないようにしている。
「お父君に、手打ちにされたとか!御無事ですか!?」
「平気よ。生きているもの。」
圓氏は頬を摩りなら言った。まだ、少し赤みを持っていた。痛みも残っているという。
「生きてるものって、でも、まだ痛みがあるのでしょう!安静になさらなくても良いのですか!?」
「叩かれただけよ、大袈裟だわ。なんてことないわよ。ただ、今日はあまり人前に出ない様にしたいわね。」
圓氏は頬をさりげなく、絹団扇で隠していた。
「永寧長公主様がいらっしゃって、助かったわ。助けて下さったの。」
『女の価値は何なのでしょう。そして、それを決めるのは、誰なのでしょう。少なくとも、其方ではない。』
「私達の位も、人が勝手に創り出したもの。それにとらわれ過ぎてはならないのね。永寧長公主様が仰ったことは、大変勉強になりました。」
俐才人は笑う圓氏を久しぶりに見た心地がした。
「何をしているんだ!?」
ひいッと若い娘は驚いて、手に持っていた物を落とした。薄い緑の襖裙を着た、女官だった。
女官の着ている襖裙は、位で色が変わる。上から、赤、青、緑。つまり、その女官は下位の女官であることが分かる。
女官は無理矢理連れていかれた。落とした物は、拾おうとしていたが、近くに居た官に奪われてしまった。
「誰の差し金だ!」
官は怒鳴り散らしていた。女官が入ったのは、圓氏の宮だった。四夫人の宮から何かを盗んだとなれば、相応の罰は受けるだろう。
「し、昭儀様が………。」
官は頭を抱えた。昭儀と言えば、後宮の中でも、有名な娘だった。
賢妃圓氏の身内である。圓家の御令嬢は、この立場が嘸かし不満なのだろう。
「圓昭儀様が?圓賢妃様を?何故だ。話せ。全て話せ。そうしたら、離してやる。」
女官は、簡単に主を裏切った、
昭儀様は、賢妃様を嫌っていらっしゃいました。本家の生まれだから、気に入らなかったのでしょう。それと、昭儀様の方が、高い位につけると確信していたのが裏切られたからでしょう。
昭儀様は賢妃様を、とても、恨んでらっしゃいました。そして、ふと、昔のことを思い出したのです。
賢妃様には、昔、想い人がおられました。豪商の息子でした。その方は殺されました。賢妃様がああなのは、そのせいです。
昭儀様はそれを思い出して、笑っておられました。そして、仰せになりました。“賢妃を見張れ”と。
だいたい、そんな話だった。官は、女官から奪った布の包を開いた。
「…………」
入っていたのは、翡翠の玉だった。圓氏がいつも腰に下げている物だ。
「罅が入っていること以外、普通の碧玉ではないか。」
「裏を、ご覧遊ばせ?」
官は女官の言われるままに、碧玉をひっくり返した。
「分かりますこと?」
驚いた。口にするのもやめたかった。
『圓寳闐』『俐丁理』
多少歪んでいたが、たしかにそう掘られていた。寳闐は圓氏だ。そして、俐と言うことは、俐才人の兄弟か。女人の名とは、思えなかった。
「おい。」
官は女官に話しかけた。
「俐才人に、ご兄弟はいらっしゃったか。」
「ええ。いました。たしか、俐丁理とか、言いましたわ。生死は知らねど。」
女官はクスクスと笑った。
『寳闐。』
随分と懐かしい呼び方だ。寳闐。それは、自分の名だったが、誰も、そう呼ばなかった。
『丁理。何故貴方が。』
天衣無縫な少年だった、あの人は。
(これは、幻なの。)
『いいのかい、寳闐。僕にくれた腰飾りが、奪われたんだ。今日は壊さないように、仕舞っていただろ。爸爸さんに罅割れさせられたんだろ?』
『爸爸は、もう、いいの。あの人は、何も分かってはくれないわ。面倒臭い。妃なら、稜鸞にすれば良かったのよ。』
稜鸞は、圓昭儀のことだ。稜鸞には、申し訳なく思っている。四夫人になろうとしたのに、結局、格下の九嬪にしかなれなかった。それでも、九嬪の頂点なのは、救いなのか。
『生きていたくないわ、こんな処で。寳闐なんて、豪華な名前、いらなかったなぁ。宝玉の如く大切な娘、なんて嘘だもの。』
年端もいかぬ頃から、紅をさされた。本来の顔は、自分にも分からなかった。それが、当たり前だった。
『私が好きなんて言ってくれたの、貴方だけ。』
迎えに来て欲しい。たとえ、鬼になっていても、構わない。いっそ、共に九泉まで降ってしまいたい。
『まだ、迎えに来れない。だって、寳闐は、殆ど不老不死じゃないか。』
この身を恨みたい。丁理は不老長寿だ。だが、圓氏は不老不死。先に逝かれてしまうのは、分かっていたのに。
『そろそろ、時間だよ。朝になる。』
丁理は、再見と言って、去った。夢の夢だ、それに、気がついた。
次の日から、噂が流れた。“賢妃は想い人がいた”と。死んだので、影響は無い筈だが、御令嬢達には、有り得ない、と批難された。
だが、圓氏は落ち込んだりしなかった。何処か、満たされた様な顔をしていたのには、誰も気がつかなかった。
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