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第四章
125『クランハウスでの夕餉』
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エメラルダとアーネストの無事を確認してホッとしたアンナリーナは今、4人で再会の夕餉を囲んでいる。
「ちゃんと用意してなかったから、あり合わせのものになっちゃうけど~」
クランハウスの簡易のキッチンで、ローストビーフ(ミノタウロス)の塊を切り分けたアンナリーナが2種類のソースを取り出した。
これは以前試しに作ったソースで、少なくてもこの3人は食していない。
ひとつは玉ねぎのすりおろしをベースにしたオニオンソースだ。
醤油やみりん、砂糖、酒、にんにくのすりおろし、生姜のすりおろし、りんごジュースをひと煮立ちさせた甘みのあるソース。
もうひとつは麺つゆをベースにしたわさびソースだ。
これはピリッとわさびが効いていて、特に酒に合う。
アンナリーナ以外は基本酒飲みなので、今日は酒のつまみになるものを出すつもりでいる。
「まずはビールで乾杯!!」
キリッと冷えたドライなビールは、もちろん揚げ物にも合う。
以前好評だった極楽鳥の南蛮漬けタルタルソースは案の定、エメラルダとアーネストにも好評で、屋台で買い込んだケバブをトルティーヤ風の薄焼きパンでトマト、レタスの薄切りとともに包み、オーロラソースで食べる、今日の主食は皆に絶賛された。
「ビールが進むわぁ~」
ジョッキのビールを一気飲みし、プファ~と息を吐くエメラルダはまるで町のおっさんだ。
その美貌がもったいなすぎる。
野菜を食べないエメラルダのために、キッチンに立ったアンナリーナは、あり合わせの材料……人参と大根の千切りと水菜、アボガド、それにスモークサーモンをライスペーパーで巻いて生春巻きを作った。
スィートチリソースを添える。
「これも美味しいわぁ!」
楽しい夜は更けていく。
クランハウスを後にしたアンナリーナは、ツリーハウスの寝室でテオドールの膝に抱かれていた。
風呂上がりの濡れた髪を、甲斐甲斐しく拭いてやるテオドール。
芳しい薔薇の香りを吸い込んで、こめかみに口づけると、一層強く抱き込んだ。
毎日髭を剃るようになって、頬ずりしても嫌がられなくなり、それはふたりのコミュニケーションとなっていた。
「これからどうするつもりでいる?」
「うん、もう少しだけドピタで仕事して、北の方に……もう少し大きな町に行こうと思ってる。
この国にも魔獣の森があるだろうし、色々見てから越境するよ」
「おまえに限って大丈夫だと思うが、あまり無理をするなよ」
テオドールの心配には訳がある。
アンナリーナは先ほどこちらに戻って来るときに、デラガルサかダンジョン穴の魔獣を狩りたいと言い出したのだ。
「ひょっとしたら変異種が出るかもしれない」
珍しい素材に目のないアンナリーナは、それを傷つけない為に限られた魔法を使う。
彼女の能力なら遠距離から極大魔法で屠る事も可能なはずなのに【血抜き】か【サファケイト】を好んで使うのだ。
「まずはデラガルサかな。
商品を納品しがてら、行ってみようか」
実はこの時、アンナリーナはある商品を開発中であった。
これが完成すれば、一時しのぎにはなるだろう品は、今までの常識を覆す画期的な商品なのだが、アンナリーナにはその自覚がない。
「ちゃんと用意してなかったから、あり合わせのものになっちゃうけど~」
クランハウスの簡易のキッチンで、ローストビーフ(ミノタウロス)の塊を切り分けたアンナリーナが2種類のソースを取り出した。
これは以前試しに作ったソースで、少なくてもこの3人は食していない。
ひとつは玉ねぎのすりおろしをベースにしたオニオンソースだ。
醤油やみりん、砂糖、酒、にんにくのすりおろし、生姜のすりおろし、りんごジュースをひと煮立ちさせた甘みのあるソース。
もうひとつは麺つゆをベースにしたわさびソースだ。
これはピリッとわさびが効いていて、特に酒に合う。
アンナリーナ以外は基本酒飲みなので、今日は酒のつまみになるものを出すつもりでいる。
「まずはビールで乾杯!!」
キリッと冷えたドライなビールは、もちろん揚げ物にも合う。
以前好評だった極楽鳥の南蛮漬けタルタルソースは案の定、エメラルダとアーネストにも好評で、屋台で買い込んだケバブをトルティーヤ風の薄焼きパンでトマト、レタスの薄切りとともに包み、オーロラソースで食べる、今日の主食は皆に絶賛された。
「ビールが進むわぁ~」
ジョッキのビールを一気飲みし、プファ~と息を吐くエメラルダはまるで町のおっさんだ。
その美貌がもったいなすぎる。
野菜を食べないエメラルダのために、キッチンに立ったアンナリーナは、あり合わせの材料……人参と大根の千切りと水菜、アボガド、それにスモークサーモンをライスペーパーで巻いて生春巻きを作った。
スィートチリソースを添える。
「これも美味しいわぁ!」
楽しい夜は更けていく。
クランハウスを後にしたアンナリーナは、ツリーハウスの寝室でテオドールの膝に抱かれていた。
風呂上がりの濡れた髪を、甲斐甲斐しく拭いてやるテオドール。
芳しい薔薇の香りを吸い込んで、こめかみに口づけると、一層強く抱き込んだ。
毎日髭を剃るようになって、頬ずりしても嫌がられなくなり、それはふたりのコミュニケーションとなっていた。
「これからどうするつもりでいる?」
「うん、もう少しだけドピタで仕事して、北の方に……もう少し大きな町に行こうと思ってる。
この国にも魔獣の森があるだろうし、色々見てから越境するよ」
「おまえに限って大丈夫だと思うが、あまり無理をするなよ」
テオドールの心配には訳がある。
アンナリーナは先ほどこちらに戻って来るときに、デラガルサかダンジョン穴の魔獣を狩りたいと言い出したのだ。
「ひょっとしたら変異種が出るかもしれない」
珍しい素材に目のないアンナリーナは、それを傷つけない為に限られた魔法を使う。
彼女の能力なら遠距離から極大魔法で屠る事も可能なはずなのに【血抜き】か【サファケイト】を好んで使うのだ。
「まずはデラガルサかな。
商品を納品しがてら、行ってみようか」
実はこの時、アンナリーナはある商品を開発中であった。
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