魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

102『BBQ』

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 インポートの屋外型大型バーベキューコンロが7台並んだ。
 その横には、見事な手つきで肉をカットするアンソニーの姿がある。
 その肉をどんどんタレに漬け込んで、時短魔法で味をしみこませ、網の上に広げて焼いていく。
 これを繰り返していた。

「みんな、どんどん焼いてって!
 そして各自、自由に食べてね」

 ひと抱えもあるボウルにはサニーレタスに似た野菜が山積みになっていて、アンナリーナはそれで肉を巻き口にする。

「美味し~!!
 やっぱりミノタウロスは最高だよ。
 ……ツァーリ、ごめん」

「主人様、俺は見た目はミノタウロスですが今は違う生き物です。
 共喰いにはあたらないと思いますよ?」

 分厚く切られたステーキ肉を指でつまみ上げ、一口。
 アンナリーナの顔ほどもある肉は数回の咀嚼ののち、喉を通過していった。

 アンナリーナは、野菜を焼くためのコンロを覗いて食べごろのかぼちゃと甘とうを取り上げる。
 それに麺つゆをかけ、甘とうの方には削り鰹を振りかけて楽しむ。
 この面子の中で野菜を好んでくれるものは皆無なので、ひとりで楽しむことにする。

「ああ、美味しい……
 玉ねぎも甘いし、お茄子もいい感じ。
 ホイル焼きしたじゃがいももホクホクしていいよね」

 塩を振ってバターを落としたじゃがいもをナイフで切り取り、パクリ。

「んん~」

 美味しさに、笑顔で身悶えするアンナリーナを見てテオドールが噴き出している。
 そこにアラーニェが焼きたてのお肉を持ってやって来た。
 アンナリーナたちと同じテーブルに着き、同じように野菜で巻いて口にする。

「リーナ様の真似をさせて頂きましたが、これはとても美味しいですね。
 口当たりがあっさりしていていくらでも食べられそうな気がします」

 アンナリーナの分も巻いてくれる。

「あとは玉ねぎなんかも一緒に巻いたら美味しいかも」

 アンナリーナとアラーニェの女子組が盛り上がっていた頃、肉食の従魔たちの食欲は凄まじかった。
 彼らは血の滴るようなレアのステーキを飲み込むような勢いで食していく。
 テオドールやガムリなどは大人しい方だが、今日はビールを飲むことを許されてご機嫌だ。




 その一行は馬車を3台連ねた商人のもので、彼の他には店の副番頭と店員が2人、あとは各馬車の御者と護衛の冒険者が8人という比較的大所帯だ。
 彼らは本来ならもっと早くこの野営地に到着しているはずだったのだが、途中で一台の馬車の車輪が故障し、その修理で手間取ったのだ。
 その先頭を走る馬車が野営地に近づくにつれて、ある異常に気づいた。

「旦那様、何だと思われますか?」

 彼らの進行方向、目指す野営地と思われるあたりがやたら明るく見える。
 いくら野営して火を焚いているとしても考えられないほど明るくて、一体何が起きているのか、経験豊かな商人である彼にも想像つかない。

「何が起きているのだろう……
 もう少し近づいてみようか」

「イーベン殿、斥候を出します。
 ここで止まってもらえますか?」

「そうだな。そうしようか」

 護衛の中の斥候職のものが音もなく走り出し、馬車はその場で止まった。
 彼らはその後、仰天の報告を受ける事になる。


「イーベン殿っ!」

 息を切らして全速力で駆け戻ってきた斥候の男は、今目の前に広がっていた、とても信じられない光景をどう言葉にすればよいのか悩んでいた。
 その状況を言うのは簡単なのだが、どうしても頭が拒否してしまう。

「俺は嘘を言ってるんじゃねえ。
 信じられないかもしれないが信じてもらうしかねえんだ」

「どうした? あの明かりは何なんだ?」

「……人と魔獣が宴会してる。
 いや、酒を飲んでるのは人とドワーフだけだが」

「はあ?」

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