魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

71『ダンジョンへ』

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 ツリーハウスの結界に包まれた滝つぼのほとりに絨毯を敷き、ソファーを置いて、アンナリーナとテオドールが抱き合っている。

 王宮から下がってきたアンナリーナは一目散に寮へと戻り、途中テオドールを回収して、ここにやってきた。
 そして今は甘い時間を過ごしている。

 王の要求を察したテオドールは水面下で荒ぶった。
 それは自然と行動に現れ、屋外だというのに今、抱き込んだアンナリーナに激しいキスをしている。
 ……そのまま組み敷いて愛を交わすまで、大した時間は要しなかった。


「熊さん……」

 途中で意識を失って、そのまま寝入ってしまったアンナリーナは夕食も食べないまま、朝を迎えた。
 さっぱりとした夜着を着せられ、幼子にするように抱き込まれて目を覚ましたアンナリーナはおはようのキスを受けて笑みを浮かべる。
 そしてここはテントの中だと気付いて、また考える。

 ガムリで実験して、従属契約を結べば従魔たちと同じようにツリーハウスに入ることが出来ると確認できた。
 今、テオドールに従属の契約を持ちかければ、快くとは言わないかもしれないが、受けてはくれるだろう。
 だが、アンナリーナはまだ不安だった。
 もう一人くらい実験してみて、それから誘ってみようと思う。

「熊さん」

「……身体は辛くないか?
 俺は、加減出来ずに手荒に扱ってしまった」

 しゅんとしてみせるテオドールに、アンナリーナは自ら抱きついて身体を押し付けてみせた。
 すっかりテオドールに馴染んだアンナリーナは目の縁を染めて、自らキスを求める。

「熊さん、好き」

「リーナ」

 喜びのあまり、獣のように喉を鳴らしてテオドールが覆いかぶさってくる。

 アンナリーナは当分食事を摂れそうにない。


 だらだらと爛れた時間を過ごしていたアンナリーナたちを温かい目で見ていた従魔たちは、この後に迫ったダンジョン攻略の為の準備に余念がない。
 ガムリも、各自の得物の手入れを買って出て活躍していた。


 その頃、寮にアンナリーナの姿がない事に気づいたユングクヴィストは、王の正直すぎる言葉に恐れをなした彼女が一時的に姿を隠したのだと理解した。
 引き出しを開けて休みの届けを出す為の書類を手繰り寄せる。
 溜め息を吐いたユングクヴィストは、アンナリーナが国王に怯えて逃げたと書き込んだ。



 今回は正式にダンジョン攻略をするため、アンナリーナたちはデラガルサの外に転移し、町に入った。
 ドラゴニュートに加え、本来なら魔獣であるオーガやミノタウロスを見て、門番の兵士は目を白黒させている。
 その中に、以前行方不明者探索の時に一緒だった兵士を見つけ、アンナリーナは笑みを浮かべた。

「お久しぶりです。
 ダンジョンに変わりはありませんか?」

 アンナリーナの問いに、彼はすぐに答えてくれた。

「お久しぶりです、リーナさん。
 このダンジョンは7階層くらいから急に難易度が上がって、その先にたどり着けるものはそういません。
 リーナさんが連れて行って下さった9階層が、確認されている最深です」

「では、それを更新しなければ。
 それとしばらく潜っているので心配しないで下さいね」

 提示されたギルドカードを見るとS級冒険者もいる。
 アンナリーナもA級に昇格しており、セトやイジを知っているものは心配する必要はないと思う。

 あっさりと町に入ったアンナリーナは早速ダンジョンに向かい、探索を始めた。
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