魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

49『ガムリへの告知と迫り来る盗賊団』

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 夕刻、最寄りの中継地に着いた一行は、夕食はアンナリーナが作り置きしていた肉団子のシチューと芽キャベツの温サラダ、タラモサラダと黒パンを食した。
 そして皆の為のテントを出し、アンナリーナは早々に引っ込んだ。


「ガムリ、具合はどう?」

 ツリーハウスからリゾットが差し入れられていて、お代わりまでしたそうだ。

「……匙も普通に持てる。
 薄暗い中でだが、寝る前よりも視野が広がった気がする」

「そっか、目はもう少しかかるかもしれないね。デリケートな部位だからゆっくり慣らした方がいい。
 ……それでね、ちょっとこれからのお話をしたいんだけど」

「はい」

 ガムリは居住まいを正した。

「あなたはもう、ランブエールには戻れない。これはわかるね?」

 もちろん理解している。
 もしも今、この状態で家に戻っても同じことの繰り返しになるだろう。

「今、私たちはランブエールを出て王都に向かっているの。
 ただ、ガムリがいるこの場所は転移してきた私の家で、詳しい場所は言えませんが他国です」

「転移、ですか?」

「ええ、そしてね、私の家には強力な結界が張ってあってね、小動物ならともかく、恐らくヒトは契約しないと入れないと思うの。
 薬師のアイテムバッグのこと、聞いたことがあるでしょう?
 あれと同じなのよ」

 ガムリはゾッとした。
 薬師のアイテムバッグといえば登録者以外が中のものを取り出そうと手を入れれば、そのものに死をもたらすというものだ。

「ねぇガムリ、あなた……私と従属契約をして、私たちの為に腕を振るってくれないかしら?」

「従属……契約?」

「ええ、あなたが私の眷属になるということよ。
 そうすれば衣食住はもちろん、工房も用意するわ。
 どうかしら? 行き場のないあなたには破格の条件だと思うけど?」

「少し、考えさせてもらえないか?
 ……色々ありすぎて、頭の中を整理したい」

「もちろん、どちらにしろしばらくは動けないもの。
 それから勝手にこのテントから出ないでね」

 結界の中から外に出るのは自由だが、次に入ることが出来ない為魔獣に襲われても知らない、と言われガムリは嫌な汗をかいた。



 アンナリーナに身体強化を付与され、回復魔法をかけられている馬たちは軽快に街道を走っていた。
 出発時に遅れた半日のロスはあっという間に取り返し、今では余裕もあるくらいだ。

「今日はこの中継地で野営しましょう」

 帰りの旅程では無理に村に立ち寄って宿に泊まる事はせず、行けるところまで行って最寄りの中継地で野営している。
 アンナリーナの食事とテントがあれば、宿のベッドで寝るのと変わらない快適さを得ることが出来ていた。

「タイニスさん、アルバインさん……」

 いつもなら馬車から降りるとすぐに食事の用意をし始めるはずのアンナリーナが、厳しい顔つきで2人を呼ぶ。
 御者台から降りてきたイジと、荷馬車の後ろで監視番をしていたセトがゆっくりとあたりを見回している。

「どうやら盗賊のようです。
 かなり遠巻きで私たちを監視していますね……私たちが気づいてる事はわかっていないようですが」

 3人は話し合ってそのまま野営の準備を進めることにする。
 アンナリーナは一行の周りに、いつもより強い結界を二重に張り、セト、イジ、アマルの見張りを置き、ようやく落ち着いた。

「この盗賊団は大所帯ですね……
 パッと見たところ50人くらいいますね。どうするつもりだろ?
 今夜はこのままで、明日以降街道で襲ってくるつもりかもしれないですね」

 どちらにしても今夜は警戒を怠れない。まんじりとして夜を過ごすしかなさそうだ。
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