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第三章
103『駐馬車場への襲撃』
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今回買い込んだもので特筆すべきものは【ケバブ】だ。
正確には違う名なのだが、味見をしてピンときた。
無理を言って、買わせてもらえるだけ買って、明日の朝にも予約した。
屋台の主人に少し割高の金を渡したら喜んで受けてくれた。
お互いがwin-winである。
そして迎えた夜。
アンナリーナは市で買えた【鍋】を持って帰っていた。
テントやツリーハウスで使うなら【異世界買物】で買ったものの方が使い勝手はよい。
だが、テオドールはともかく商人であるダージェに見られるわけにはいかないのだ。
サイズもちょうど半寸胴くらいの鍋が朝食のスープなどを小分けするのにちょうどいい。
「今夜は男同士3人で、ゆっくり飲んだらいいと思うよ。
私はこっちでゆっくりさせてもらおう」
貴重品を積んでるという事で、馬車は駐馬車場でも、屋内に入れられていた。
隣接する馬屋と箱馬車の両方に結界を強めに張って、その外側に自分のテントごと、もう一重結界を張った。
一応外にセトを残し、アンナリーナは一度ツリーハウスに戻る。
今回、この城塞都市に入る折に余計な揉め事を避けるため、従魔はセトしか申請していない。
だから今ツリーハウスには、セト以外の従魔たちが揃っていた。
そして、今夜は早い目の夕食を摂り、アマルとアラーニェを連れてテントに戻ってきた。
「たまには女子会も楽しいよね」
2人の手も借りて、何種類かの煮込み料理やスープの仕込みを終え【時短】で仕上げてしまうと、あとはお茶会だ。
今夜は【異世界買物】でお取り寄せしたマカロンやバウムクーヘン、チョコレートなど、この世界にはない菓子。
特にチョコレートは、カカオ豆すら未だに見つからず、諦めた方が良いのかもしれない。
お茶はすっきりとした一番詰みで、今は砂糖もミルクも使っていない。
アンナリーナは、一口大のチョコレートケーキに舌鼓を打った。
「美味しいわあ……幸せ」
だが、そんな幸せな時間を壊そうとするものがいる。
「リーナ様」
『主人!』
「うん、わかってる」
わざわざ駐馬車場の鍵を壊して侵入してくる者たちがいる。
「……15人。
やっぱり、お出でなすったわね」
前世の、時代劇での口調を真似てみたのだが見事にスベってしまった。
アラーニェの視線が痛い。
「軍事都市で、治安は良いはずじゃなかったの?
まさか軍人じゃないでしょうね?」
そうだとすると、面倒な事になる。
アンナリーナは【聞き耳】を立て、外の様子を窺った。
『主人、侵入者全員が武器を手に、周りを取り囲みました。
そのうち5名が馬の方に向かっております』
馬屋にも結界を張っていてよかった。
アンナリーナがそう溜息していると、あちらこちらで喚き声が聞こえ出した。
「なんだこれェ!?
何かにあたって先に進めないぞ」
「見えない壁があるみたいだ」
どうやら彼らは【結界】というものを知らないらしい。
馬屋の方でも騒ぎが起きて、侵入者たちは一斉に抜刀した。
剣や斧の、金属が結界を叩く事による甲高い音があたりに響き、これはもう攻撃を受けたと認識出来る。
どうやら宿屋の方でも騒ぎに気づいたようで、喧騒が聞こえてきた。
「リーナ様、どうなさいます?
私が捉えて参りましょうか?」
良い考えに思えたが、今回アラーニェはこの城塞都市に入る折、申請していない。
要らぬ面倒は避けたいので、今回は自分が出る事にした。
見えない壁をガンガンと叩き続けていた侵入者たちは、馬車の傍に張られていたテントから2人の女が出てきたのに気づいた。
1人は子供だが、もう1人は妖艶な美女である。
2人とも絹の長衣という薄着で、美女の方が少女に豪華な毛皮を着せかけた。
侵入者たちは、この願ってもない商品に狂喜する。
そして、さらに強く見えない壁を叩き始めた。
「うるさいわねぇ」
【圧縮】と、少女の声が聞こえた瞬間、今まで剣を振り上げていたひとりの男が、グシャリと潰れてしまった。
目の前で起きた事が信じられない侵入者たちは呆然としている。
「あれ、加減を間違えちゃったかな。潰れちゃったよ?」
眼前で、ひと1人が無残な骸となったのに、アンナリーナは至って無邪気だ。
その、見かけとの落差に侵入者たちは鳥肌立てた。
「【圧縮】」
再び唱えられた時、男は押し付けられるように、地面に横たわったが、頭が不自然に凹んでいる。
「ありゃ、また失敗しちゃった」
地面に転がる男の、見た目ではわからない全身の骨が砕けてしまっていた。
「今度こそ【圧縮】」
意識して、手足の骨や背骨だけを折ることを意識して、残りの13人全員を地面に転がし、ダージェたちの到着を待った。
正確には違う名なのだが、味見をしてピンときた。
無理を言って、買わせてもらえるだけ買って、明日の朝にも予約した。
屋台の主人に少し割高の金を渡したら喜んで受けてくれた。
お互いがwin-winである。
そして迎えた夜。
アンナリーナは市で買えた【鍋】を持って帰っていた。
テントやツリーハウスで使うなら【異世界買物】で買ったものの方が使い勝手はよい。
だが、テオドールはともかく商人であるダージェに見られるわけにはいかないのだ。
サイズもちょうど半寸胴くらいの鍋が朝食のスープなどを小分けするのにちょうどいい。
「今夜は男同士3人で、ゆっくり飲んだらいいと思うよ。
私はこっちでゆっくりさせてもらおう」
貴重品を積んでるという事で、馬車は駐馬車場でも、屋内に入れられていた。
隣接する馬屋と箱馬車の両方に結界を強めに張って、その外側に自分のテントごと、もう一重結界を張った。
一応外にセトを残し、アンナリーナは一度ツリーハウスに戻る。
今回、この城塞都市に入る折に余計な揉め事を避けるため、従魔はセトしか申請していない。
だから今ツリーハウスには、セト以外の従魔たちが揃っていた。
そして、今夜は早い目の夕食を摂り、アマルとアラーニェを連れてテントに戻ってきた。
「たまには女子会も楽しいよね」
2人の手も借りて、何種類かの煮込み料理やスープの仕込みを終え【時短】で仕上げてしまうと、あとはお茶会だ。
今夜は【異世界買物】でお取り寄せしたマカロンやバウムクーヘン、チョコレートなど、この世界にはない菓子。
特にチョコレートは、カカオ豆すら未だに見つからず、諦めた方が良いのかもしれない。
お茶はすっきりとした一番詰みで、今は砂糖もミルクも使っていない。
アンナリーナは、一口大のチョコレートケーキに舌鼓を打った。
「美味しいわあ……幸せ」
だが、そんな幸せな時間を壊そうとするものがいる。
「リーナ様」
『主人!』
「うん、わかってる」
わざわざ駐馬車場の鍵を壊して侵入してくる者たちがいる。
「……15人。
やっぱり、お出でなすったわね」
前世の、時代劇での口調を真似てみたのだが見事にスベってしまった。
アラーニェの視線が痛い。
「軍事都市で、治安は良いはずじゃなかったの?
まさか軍人じゃないでしょうね?」
そうだとすると、面倒な事になる。
アンナリーナは【聞き耳】を立て、外の様子を窺った。
『主人、侵入者全員が武器を手に、周りを取り囲みました。
そのうち5名が馬の方に向かっております』
馬屋にも結界を張っていてよかった。
アンナリーナがそう溜息していると、あちらこちらで喚き声が聞こえ出した。
「なんだこれェ!?
何かにあたって先に進めないぞ」
「見えない壁があるみたいだ」
どうやら彼らは【結界】というものを知らないらしい。
馬屋の方でも騒ぎが起きて、侵入者たちは一斉に抜刀した。
剣や斧の、金属が結界を叩く事による甲高い音があたりに響き、これはもう攻撃を受けたと認識出来る。
どうやら宿屋の方でも騒ぎに気づいたようで、喧騒が聞こえてきた。
「リーナ様、どうなさいます?
私が捉えて参りましょうか?」
良い考えに思えたが、今回アラーニェはこの城塞都市に入る折、申請していない。
要らぬ面倒は避けたいので、今回は自分が出る事にした。
見えない壁をガンガンと叩き続けていた侵入者たちは、馬車の傍に張られていたテントから2人の女が出てきたのに気づいた。
1人は子供だが、もう1人は妖艶な美女である。
2人とも絹の長衣という薄着で、美女の方が少女に豪華な毛皮を着せかけた。
侵入者たちは、この願ってもない商品に狂喜する。
そして、さらに強く見えない壁を叩き始めた。
「うるさいわねぇ」
【圧縮】と、少女の声が聞こえた瞬間、今まで剣を振り上げていたひとりの男が、グシャリと潰れてしまった。
目の前で起きた事が信じられない侵入者たちは呆然としている。
「あれ、加減を間違えちゃったかな。潰れちゃったよ?」
眼前で、ひと1人が無残な骸となったのに、アンナリーナは至って無邪気だ。
その、見かけとの落差に侵入者たちは鳥肌立てた。
「【圧縮】」
再び唱えられた時、男は押し付けられるように、地面に横たわったが、頭が不自然に凹んでいる。
「ありゃ、また失敗しちゃった」
地面に転がる男の、見た目ではわからない全身の骨が砕けてしまっていた。
「今度こそ【圧縮】」
意識して、手足の骨や背骨だけを折ることを意識して、残りの13人全員を地面に転がし、ダージェたちの到着を待った。
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