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第三章
77『入寮!』
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学院の管理棟に入ると受付に向かう。
ここで鍵と校内の見取り図を渡され、案内役が付いた。
とりあえず、最低限生活に必要な設備、学習棟や食堂、購買などを説明される。
そして寮の、アンナリーナの部屋に案内され、引き渡しを受けた。
中に入ってみると、今は何もない、空っぽの部屋である。
それでもアンナリーナはウキウキと心が弾む。
両開きの大きな扉を開けると大きな部屋になっていた。
アンナリーナは早速鍵を掛け、奥に進んでいく。
この部屋には右側に2つ、右奥に1つ扉があり、アンナリーナはまず右奥の部屋に入ってみた。
「どうやらここは寝室のようね」
ここにも扉が2つあり、1つは洗面、トイレ、バスルームの水回りであり、もう一つはクローゼットルームになっていた。
アンナリーナは早速ここにテントを出す事にする。
今回は天井が高いことからテント自体も2m以上あり、テオドールやイジが屈まずに出入り出来るようになっている。
ここと、テオドールの部屋とツリーハウスを繋げ、早速ツリーハウスに向かった。
「家具の設置を手伝って欲しいの」
イジとアマル、アラーニェがすぐに室内を見て回る。
「リーナ様、こちらは書斎としてお使いになりますか?」
居間の右側の扉の1つは、テオドールの部屋が丸ごと入ってしまう大きさだった。
この部屋は代々王族が使用していたことが多かった為、ここは執務室としても使われていたのだろう。
秘書の机を入れても十分な広さだった。
「そうね、課題なんかもする事があるだろうから半分は書斎として、半分は調薬室として使いましょう」
そして、残ったもう1つの扉の中は。
「ここは従者(侍女)の為のお部屋のようね」
入ってすぐの所はコンパクトなリビングダイニングキッチンのような設えになっている。
奥に扉があってその先は住居スペースのようだ。
「ここはアラーニェのお部屋だね。
5年間、お世話になります」
基本、アンナリーナに付き従うのはアラーニェだけだが、時と場合によってはアマルもこちらで過ごす事があるだろう。
「さて、お引越し始めようか」
アンナリーナはまず、自分の専住区域に強めの結界を掛けた。
これで現在、アンナリーナが許可しない限り、この部屋には誰も立ち入り出来ない。
「さあ、始めましょうか」
まず全スペースに【洗浄】をかけて回った。
そして居間から始める。
まずはウールのペルシャ絨毯だ。
【異世界買物】で買い込んできた猫足家具。ロココ調に纏められた部屋は意図せずにして、この世界の王侯貴族すらも威圧するだろう。
猫足のソファーセットにローテーブル、サイドテーブルにはガレのランプが置かれ、圧巻なのは暖炉(見せかけだけ、中に魔導暖炉を置いて使う)の上の絵画だ。
3.5×1.5mのキャンバスに、女神とニンフの描かれた有名画家の油絵だ。
日本円にして9桁に届かんという、今までアンナリーナが買ったものの中では一番値の張るものだろう。
「いい感じになってきたね。
一度あっちに戻って、夕食にしようか?
……熊さんも呼ばなくっちゃね」
テオドールを呼ぶには、彼の部屋のテントで食べるしかない。
「お任せ下さい。
もう準備は整っております」
アラーニェとアマルに配膳を任せ、アンナリーナはテオドールの元に向かう。
彼は恐らくまんじりともせずに、アンナリーナを待っていたようだ。
「熊さん、お待たせ!」
「おう」
なにやら機嫌が悪そうだ。
「熊さん、ご飯だよ」
「遅いから心配した」
むっつりしているテオドールの機嫌をとるように、アンナリーナはその膝に飛び乗った。
「ごめんね、寮の部屋を調えてたの。
居間だけどうにか見られるようにしたから、あとで見にきてね」
「リーナ」
テオドールは複雑そうだ。
アンナリーナの前世でのロココ調に纏められた部屋。
そこにこれほど似合わない男はいないだろう。
今、テオドールは猫足ソファーにでんと座り、アンナリーナを睨んでいる。
彼は熊と見紛うばかりの髭を剃ったが、今はもう無精髭が生えていて、見ようによっては熊男だった時よりガラが悪い。
そのガラの悪い男が腕組みをして黙り込んでいる。
「俺は心配なんだよ」
魑魅魍魎が蠢く貴族社会。
その縮図がこの学院だと言っても過言ではない。
イライラと足踏みするテオドールを、心配しすぎだと笑う。
数日後、ようやく部屋の片づけの終わったアンナリーナは、ここに来て初めて部屋から出てみた。
「ちょっとあなた、お待ちなさい」
早速、呼び止められた。
ここで鍵と校内の見取り図を渡され、案内役が付いた。
とりあえず、最低限生活に必要な設備、学習棟や食堂、購買などを説明される。
そして寮の、アンナリーナの部屋に案内され、引き渡しを受けた。
中に入ってみると、今は何もない、空っぽの部屋である。
それでもアンナリーナはウキウキと心が弾む。
両開きの大きな扉を開けると大きな部屋になっていた。
アンナリーナは早速鍵を掛け、奥に進んでいく。
この部屋には右側に2つ、右奥に1つ扉があり、アンナリーナはまず右奥の部屋に入ってみた。
「どうやらここは寝室のようね」
ここにも扉が2つあり、1つは洗面、トイレ、バスルームの水回りであり、もう一つはクローゼットルームになっていた。
アンナリーナは早速ここにテントを出す事にする。
今回は天井が高いことからテント自体も2m以上あり、テオドールやイジが屈まずに出入り出来るようになっている。
ここと、テオドールの部屋とツリーハウスを繋げ、早速ツリーハウスに向かった。
「家具の設置を手伝って欲しいの」
イジとアマル、アラーニェがすぐに室内を見て回る。
「リーナ様、こちらは書斎としてお使いになりますか?」
居間の右側の扉の1つは、テオドールの部屋が丸ごと入ってしまう大きさだった。
この部屋は代々王族が使用していたことが多かった為、ここは執務室としても使われていたのだろう。
秘書の机を入れても十分な広さだった。
「そうね、課題なんかもする事があるだろうから半分は書斎として、半分は調薬室として使いましょう」
そして、残ったもう1つの扉の中は。
「ここは従者(侍女)の為のお部屋のようね」
入ってすぐの所はコンパクトなリビングダイニングキッチンのような設えになっている。
奥に扉があってその先は住居スペースのようだ。
「ここはアラーニェのお部屋だね。
5年間、お世話になります」
基本、アンナリーナに付き従うのはアラーニェだけだが、時と場合によってはアマルもこちらで過ごす事があるだろう。
「さて、お引越し始めようか」
アンナリーナはまず、自分の専住区域に強めの結界を掛けた。
これで現在、アンナリーナが許可しない限り、この部屋には誰も立ち入り出来ない。
「さあ、始めましょうか」
まず全スペースに【洗浄】をかけて回った。
そして居間から始める。
まずはウールのペルシャ絨毯だ。
【異世界買物】で買い込んできた猫足家具。ロココ調に纏められた部屋は意図せずにして、この世界の王侯貴族すらも威圧するだろう。
猫足のソファーセットにローテーブル、サイドテーブルにはガレのランプが置かれ、圧巻なのは暖炉(見せかけだけ、中に魔導暖炉を置いて使う)の上の絵画だ。
3.5×1.5mのキャンバスに、女神とニンフの描かれた有名画家の油絵だ。
日本円にして9桁に届かんという、今までアンナリーナが買ったものの中では一番値の張るものだろう。
「いい感じになってきたね。
一度あっちに戻って、夕食にしようか?
……熊さんも呼ばなくっちゃね」
テオドールを呼ぶには、彼の部屋のテントで食べるしかない。
「お任せ下さい。
もう準備は整っております」
アラーニェとアマルに配膳を任せ、アンナリーナはテオドールの元に向かう。
彼は恐らくまんじりともせずに、アンナリーナを待っていたようだ。
「熊さん、お待たせ!」
「おう」
なにやら機嫌が悪そうだ。
「熊さん、ご飯だよ」
「遅いから心配した」
むっつりしているテオドールの機嫌をとるように、アンナリーナはその膝に飛び乗った。
「ごめんね、寮の部屋を調えてたの。
居間だけどうにか見られるようにしたから、あとで見にきてね」
「リーナ」
テオドールは複雑そうだ。
アンナリーナの前世でのロココ調に纏められた部屋。
そこにこれほど似合わない男はいないだろう。
今、テオドールは猫足ソファーにでんと座り、アンナリーナを睨んでいる。
彼は熊と見紛うばかりの髭を剃ったが、今はもう無精髭が生えていて、見ようによっては熊男だった時よりガラが悪い。
そのガラの悪い男が腕組みをして黙り込んでいる。
「俺は心配なんだよ」
魑魅魍魎が蠢く貴族社会。
その縮図がこの学院だと言っても過言ではない。
イライラと足踏みするテオドールを、心配しすぎだと笑う。
数日後、ようやく部屋の片づけの終わったアンナリーナは、ここに来て初めて部屋から出てみた。
「ちょっとあなた、お待ちなさい」
早速、呼び止められた。
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