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第三章
33『デラガルサ入街』
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森猪も最初に通過していった個体を除いてかなりの量を確保する事が出来た。
しかし、いくら夜行性とはいえかなりの集団にアンナリーナは首を傾げる。
これは真夜中まで続き、翌朝は自然と寝坊する事になった。
翌日、昼近くになって出発したアンナリーナが、ボソリと呟く。
「これって、絶対おかしいよ」
彼女の前には今、林の木立の向こうにだが、オークの集落が広がっている。
出来上がって間もないのだろう、簡単に建てられた小屋は、その使われている木も真新しい。
ちなみに、探索した結果マップは真っ赤だ。
そして今回は群れが大きく、オークキングだけでなく、オークジェネラルやオークマジシャン、オークアドミナルなどがいるようだ。
だが問題はそれではない。
「ナビ……これはもう完全にダンジョンの影響でしょ?
まさか、スタンピード?」
「確かに魔力が溢れて活性化していますね。
スタンピード、とまでは言えませんが……魔獣の数は増えています」
トサカ鳥がたくさん獲れた、と浮かれていた気分は完全に吹き飛んでいる。
特にこちらはモロッタイヤに近いのだ。冗談ではない。
「主人様、このオークの集落を消滅させればとりあえずのところは大丈夫では?」
「そうだね、サクッといっちゃおうか……【魔法範囲拡大】【血抜き】」
アンデッド以外の生き物は人であろうと獣であろうと、魔獣であろうとも血液を抜かれて生きていけるものはいない。
刃ひとつ振るわず、わずか数秒……
それだけでこの場のオークは全滅した。あとはひたすらインベントリに収納していくだけだ。
「確かに効率はいいわよね」
オークはソーセージの原材料に最適だ。今回は上位種もゲット出来た。
これで異常発生でなければ万々歳なのに。
「とりあえず、このままデラガルサに向かいながら目についた魔獣を狩って行きましょうか」
マチルダやマリアに会うのが楽しみだ。
デラガルサ鉱山街の入り口は厳重な造りの門だった。
ここも、領都と同じように、ひとりひとりの身分証を確認している。
「お嬢さんはひとりなのかな?」
アンナリーナの父親と言っても良いくらいの歳の兵士が腰を屈めて聞いてくる。
「はい、これが身分証です」
冒険者ギルドのカードはしっかりとした身分証となる。
兵士がそれを確認して、顔を強張らせる。
「薬師殿?
……はい、確認しました。お通り下さい」
やっと門を通り抜け、街に入ったアンナリーナはまずはギルドに向かう。
そして、今朝までの事を思い出していた。
『オークの集落のあと、群れではないけど殺戮熊に出くわして回収、森の奥には結構反応があったけどキリがないし放って来たけど……』
『主人様、まずはギルドに行ってマチルダさんたちの居場所を探しましょう。彼女は元々ここの住人です。
そして、ジャマーたち経由で報告してもらいましょう』
アンナリーナのようなか弱い少女が報告するなど不信感しか抱かせない。
アンナリーナは歩みを早めた。
「リーナさん!」
ギルドに行くまでもなく、あっさりと見つかったマチルダたちの商会。
ジャマーは、わずか3月足らずの間にしっかりと足元を固めていたようだ。
「マチルダさん! マリアさんは?
具合はどうですか?」
「洞窟を出てから上々よ。
最近はお庭を散歩することもあるの」
この後3人は、和気藹々と再会を喜び、ジャマーとの話し合いも終え、アンナリーナは今、ダンジョンに向かっている。
『主人様、沢山の注文を受けて大丈夫ですか?』
『原材料も十分あるし、どうせ今からダンジョンに入るのだもの。
夜にゆっくり作っていくよ』
ついでに【疾風の凶刃】の分も製作するつもりでいる。
しかし、いくら夜行性とはいえかなりの集団にアンナリーナは首を傾げる。
これは真夜中まで続き、翌朝は自然と寝坊する事になった。
翌日、昼近くになって出発したアンナリーナが、ボソリと呟く。
「これって、絶対おかしいよ」
彼女の前には今、林の木立の向こうにだが、オークの集落が広がっている。
出来上がって間もないのだろう、簡単に建てられた小屋は、その使われている木も真新しい。
ちなみに、探索した結果マップは真っ赤だ。
そして今回は群れが大きく、オークキングだけでなく、オークジェネラルやオークマジシャン、オークアドミナルなどがいるようだ。
だが問題はそれではない。
「ナビ……これはもう完全にダンジョンの影響でしょ?
まさか、スタンピード?」
「確かに魔力が溢れて活性化していますね。
スタンピード、とまでは言えませんが……魔獣の数は増えています」
トサカ鳥がたくさん獲れた、と浮かれていた気分は完全に吹き飛んでいる。
特にこちらはモロッタイヤに近いのだ。冗談ではない。
「主人様、このオークの集落を消滅させればとりあえずのところは大丈夫では?」
「そうだね、サクッといっちゃおうか……【魔法範囲拡大】【血抜き】」
アンデッド以外の生き物は人であろうと獣であろうと、魔獣であろうとも血液を抜かれて生きていけるものはいない。
刃ひとつ振るわず、わずか数秒……
それだけでこの場のオークは全滅した。あとはひたすらインベントリに収納していくだけだ。
「確かに効率はいいわよね」
オークはソーセージの原材料に最適だ。今回は上位種もゲット出来た。
これで異常発生でなければ万々歳なのに。
「とりあえず、このままデラガルサに向かいながら目についた魔獣を狩って行きましょうか」
マチルダやマリアに会うのが楽しみだ。
デラガルサ鉱山街の入り口は厳重な造りの門だった。
ここも、領都と同じように、ひとりひとりの身分証を確認している。
「お嬢さんはひとりなのかな?」
アンナリーナの父親と言っても良いくらいの歳の兵士が腰を屈めて聞いてくる。
「はい、これが身分証です」
冒険者ギルドのカードはしっかりとした身分証となる。
兵士がそれを確認して、顔を強張らせる。
「薬師殿?
……はい、確認しました。お通り下さい」
やっと門を通り抜け、街に入ったアンナリーナはまずはギルドに向かう。
そして、今朝までの事を思い出していた。
『オークの集落のあと、群れではないけど殺戮熊に出くわして回収、森の奥には結構反応があったけどキリがないし放って来たけど……』
『主人様、まずはギルドに行ってマチルダさんたちの居場所を探しましょう。彼女は元々ここの住人です。
そして、ジャマーたち経由で報告してもらいましょう』
アンナリーナのようなか弱い少女が報告するなど不信感しか抱かせない。
アンナリーナは歩みを早めた。
「リーナさん!」
ギルドに行くまでもなく、あっさりと見つかったマチルダたちの商会。
ジャマーは、わずか3月足らずの間にしっかりと足元を固めていたようだ。
「マチルダさん! マリアさんは?
具合はどうですか?」
「洞窟を出てから上々よ。
最近はお庭を散歩することもあるの」
この後3人は、和気藹々と再会を喜び、ジャマーとの話し合いも終え、アンナリーナは今、ダンジョンに向かっている。
『主人様、沢山の注文を受けて大丈夫ですか?』
『原材料も十分あるし、どうせ今からダンジョンに入るのだもの。
夜にゆっくり作っていくよ』
ついでに【疾風の凶刃】の分も製作するつもりでいる。
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