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第二章
57『雷雲の訪れ』
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よくないことは重なるようで、今回の野営地にはピットが一軒しかなく、今ザルバと護衛の2人ゲルトとフランク、そして乗客たちが話し合っていた。
「あっちの馬車の連中と一軒のピットで一晩辛抱するか、いっそのこと外で寝るか……だな」
「どちらも辛いが、まだ野宿の方がマシだ」
ジンガが開口一番、吐き出すように言った。
よほどあの女に辟易しているようだ。
「ご婦人は? キャサリンさんが具合悪いんだろう?」
そんななか、アンナリーナはしきりに空を気にしていた。
「ねえザルバさん、雷が聴こえた気がしたんだけど」
ギョッとしたザルバが薄暮の空を見上げる。
他の面々も不安そうにあたりを見回していた。
「これは……
嬢ちゃんの言う通り雷が鳴ってる!
雷雨が来るぞ!」
アンナリーナは全身で自然を感じてみた。
耳目は言うに及ばす、雨の湿った臭いを嗅ぎ、冷たい風を感じてみて雷雲がこちらに迫って来ているのを確信した。
そして野営地の中を見回し、この場合に最適な馬車の留場所を考えた。
「ここは保護範囲が難しいね。
ザルバさん、いつもどうしてるの?」
「なるべく雨を避けられるところに避難して、あとは天に運を任せている」
少々、頭を抱えたくなるような答えが返ってきたが、元々この世界の人間には知識がないのだから仕方ない。
「しょうがないなあ……
もうこれは、強めの結界で囲むしかないよね」
「嬢ちゃん?」
「あと、どのくらいで降ってくると思う?」
ザルバが空を見つめている。
そこには、見るからに禍々しい積乱雲が迫っていた。
「一刻……いや、小半刻か……」
「外では泊まれないよね?
全員、馬車で寝れる?」
「詰めれば問題ないと思うが?
どうした?嬢ちゃん」
アンナリーナは考えた。
降り始める時間は迫っている。
野宿はともかく、外で焚き火を囲んでの食事もままならないだろう。
「ちょっとテントを出して食事の用意とかしてくる。
夕食は全員の分作るから。それと馬車での夜営の件、説明よろしく」
馬車のすぐ横にテントを出して、中に飛び込む。
そこに魔導コンロを出して一番大きな寸胴鍋を出し、手当たり次第に野菜……キャベツ、玉ねぎ、人参、根セロリ、ジャガイモをサイコロ状に刻み、放り込んでいった。
【ウォーター】の水で煮込みながら鶏ガラスープの素を入れ、煮込んでいく。
ツリーハウスにあった、食品保存用のアイテムボックスに入っていたハムやベーコンを取り出し、それも刻んで入れた。
次に取り出したのは、以前手打ちした生パスタである。
それを食べやすい長さ……スプーンで掬いやすいよう3㎝ほどに切り、そのまま鍋に入れていった。
【時短】を使いサッと仕上げてしまう。最後に塩胡椒で味を調え、溶けやすいチーズを入れて出来上がり。
あとは食べるときに微調整すればいい。
次は、今のうちにギフト取得をする事にした。
「まずはセトから。
【体力値供与】【魔力値供与】
そして【鑑定】」
セト(アイデクセ、雄)
体力値 13000
魔力値 1350
「セト、魔力値が1000を超えたね」
また少し大きくなった、黒いアイデクセ。感情豊かな目がクルクルと動く。
「ギフト【火魔法】
そして、ステータスオープン」
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 102400
魔力値 34843571040055/34843571010054)
(ステータス鑑定に1使用、火魔法に30000)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定
魔力倍増・継続 (12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
飛行(空中浮遊、空中停止)
加温(沸騰)
治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)
風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)
冷凍(凍結乾燥粉砕フリーズドライ)
時間魔法(時間短縮、時間停止、成長促進、熟成)
体力値倍増・継続(12日間継続)
撹拌
圧縮
結界
異空間収納(インベントリ、時間経過無し、収納無限、インデックス)
凝血
遠見
夜目
解析スキャン
魔法陣
マップ
裁縫
編み物
刺繍
ボビンレース
検索
隠蔽(偽造)
従魔術ティム
体力値供与
細工
再構築
無詠唱
悪意察知
魔力値供与
空間魔法(転移)
異世界買物
位置特定
異空間魔法(空間接続、空間増設)
宣誓魔法
火魔法(火球、エクスプロージョン、ファイアアロー、ファイアストーム、ボルケーノ、インフェルノ)
「なんか、凄いのが取れちゃったけど……まあ、いいか」
本職の魔法職が聞いたら嘆きそうな感想だが、どこまでも天然なアンナリーナ。
このあと【異世界買物】でいくつか購入し、料理のストックを確認して馬車に戻っていった。
テントから出ると、もう外は真っ暗で、箱馬車の連中はもうピットに入ったようだ。
時々空が光り、雷雲が近づいてきたのが感じられる。
「ザルバさん、どんな具合?」
開け放たれていたドアのステップを駆け上がり、中を覗く。
一番奥のキャサリンは静かに眠っているようだ。
「雷が不安だが、ピットにいても変わらないだろうからな」
変わらないどころか、あちらの方が建物が高い分、危険である。
「最上級の【結界】を張るから、直撃しても耐えられると思う。
ただ、本当に馬車の周りだけだから。
何とか所用の場所は確保するつもりだけど」
2人の遣り取りを聞いていたグスタフが、アンナリーナの稀有な能力を垣間見る事に、歓喜ともに恐怖を感じていた。
「あっちの馬車の連中と一軒のピットで一晩辛抱するか、いっそのこと外で寝るか……だな」
「どちらも辛いが、まだ野宿の方がマシだ」
ジンガが開口一番、吐き出すように言った。
よほどあの女に辟易しているようだ。
「ご婦人は? キャサリンさんが具合悪いんだろう?」
そんななか、アンナリーナはしきりに空を気にしていた。
「ねえザルバさん、雷が聴こえた気がしたんだけど」
ギョッとしたザルバが薄暮の空を見上げる。
他の面々も不安そうにあたりを見回していた。
「これは……
嬢ちゃんの言う通り雷が鳴ってる!
雷雨が来るぞ!」
アンナリーナは全身で自然を感じてみた。
耳目は言うに及ばす、雨の湿った臭いを嗅ぎ、冷たい風を感じてみて雷雲がこちらに迫って来ているのを確信した。
そして野営地の中を見回し、この場合に最適な馬車の留場所を考えた。
「ここは保護範囲が難しいね。
ザルバさん、いつもどうしてるの?」
「なるべく雨を避けられるところに避難して、あとは天に運を任せている」
少々、頭を抱えたくなるような答えが返ってきたが、元々この世界の人間には知識がないのだから仕方ない。
「しょうがないなあ……
もうこれは、強めの結界で囲むしかないよね」
「嬢ちゃん?」
「あと、どのくらいで降ってくると思う?」
ザルバが空を見つめている。
そこには、見るからに禍々しい積乱雲が迫っていた。
「一刻……いや、小半刻か……」
「外では泊まれないよね?
全員、馬車で寝れる?」
「詰めれば問題ないと思うが?
どうした?嬢ちゃん」
アンナリーナは考えた。
降り始める時間は迫っている。
野宿はともかく、外で焚き火を囲んでの食事もままならないだろう。
「ちょっとテントを出して食事の用意とかしてくる。
夕食は全員の分作るから。それと馬車での夜営の件、説明よろしく」
馬車のすぐ横にテントを出して、中に飛び込む。
そこに魔導コンロを出して一番大きな寸胴鍋を出し、手当たり次第に野菜……キャベツ、玉ねぎ、人参、根セロリ、ジャガイモをサイコロ状に刻み、放り込んでいった。
【ウォーター】の水で煮込みながら鶏ガラスープの素を入れ、煮込んでいく。
ツリーハウスにあった、食品保存用のアイテムボックスに入っていたハムやベーコンを取り出し、それも刻んで入れた。
次に取り出したのは、以前手打ちした生パスタである。
それを食べやすい長さ……スプーンで掬いやすいよう3㎝ほどに切り、そのまま鍋に入れていった。
【時短】を使いサッと仕上げてしまう。最後に塩胡椒で味を調え、溶けやすいチーズを入れて出来上がり。
あとは食べるときに微調整すればいい。
次は、今のうちにギフト取得をする事にした。
「まずはセトから。
【体力値供与】【魔力値供与】
そして【鑑定】」
セト(アイデクセ、雄)
体力値 13000
魔力値 1350
「セト、魔力値が1000を超えたね」
また少し大きくなった、黒いアイデクセ。感情豊かな目がクルクルと動く。
「ギフト【火魔法】
そして、ステータスオープン」
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 102400
魔力値 34843571040055/34843571010054)
(ステータス鑑定に1使用、火魔法に30000)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定
魔力倍増・継続 (12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
飛行(空中浮遊、空中停止)
加温(沸騰)
治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)
風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)
冷凍(凍結乾燥粉砕フリーズドライ)
時間魔法(時間短縮、時間停止、成長促進、熟成)
体力値倍増・継続(12日間継続)
撹拌
圧縮
結界
異空間収納(インベントリ、時間経過無し、収納無限、インデックス)
凝血
遠見
夜目
解析スキャン
魔法陣
マップ
裁縫
編み物
刺繍
ボビンレース
検索
隠蔽(偽造)
従魔術ティム
体力値供与
細工
再構築
無詠唱
悪意察知
魔力値供与
空間魔法(転移)
異世界買物
位置特定
異空間魔法(空間接続、空間増設)
宣誓魔法
火魔法(火球、エクスプロージョン、ファイアアロー、ファイアストーム、ボルケーノ、インフェルノ)
「なんか、凄いのが取れちゃったけど……まあ、いいか」
本職の魔法職が聞いたら嘆きそうな感想だが、どこまでも天然なアンナリーナ。
このあと【異世界買物】でいくつか購入し、料理のストックを確認して馬車に戻っていった。
テントから出ると、もう外は真っ暗で、箱馬車の連中はもうピットに入ったようだ。
時々空が光り、雷雲が近づいてきたのが感じられる。
「ザルバさん、どんな具合?」
開け放たれていたドアのステップを駆け上がり、中を覗く。
一番奥のキャサリンは静かに眠っているようだ。
「雷が不安だが、ピットにいても変わらないだろうからな」
変わらないどころか、あちらの方が建物が高い分、危険である。
「最上級の【結界】を張るから、直撃しても耐えられると思う。
ただ、本当に馬車の周りだけだから。
何とか所用の場所は確保するつもりだけど」
2人の遣り取りを聞いていたグスタフが、アンナリーナの稀有な能力を垣間見る事に、歓喜ともに恐怖を感じていた。
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