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抗議しました*
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なんかもうほんとに凄すぎた。
ボク、宮君のポテンシャル完全に舐めてましたごめんなさい。
普段無表情な人の色気満載の笑みとかほんと攻撃力半端ない。
いつの間にか外され晒された、眼鏡なしの真っ黒裸眼すらとろりと溶けそうで。普段かくれんぼしてた目じりの縦二つのホクロとかさぁ。もう!もう!
ボクの密かな憧れ!色気の象徴!そんなのがほんと目の前にあって。髪の毛の隙間からそれらが見えるのがまた!艶やか!!
目と口元だけなのよ?髪の毛で隠されはっきり見えてんのは。
なのに!なんでかそれがまた、ちらっとみえちゃう艶やかさで!!
興奮で染まった目元も荒い息遣いも押し付けられた腰の硬すぎるアレも何もかも何もかもがボクをのみこもうと全身で襲いかかってきたんだ。
ボクの思考も呼吸も手足も頑張って頑張って頑張ったけど。
宮君の何もかもが圧倒的で。
その上、聞いたことないような甘ったるい声で呼ぶんだよ。
「『…葉海先輩。』」
「ぎゃぁあぁああ!!」
頭の中の声と現実の声が見事な同期。
ボクは今度こそ絶叫して目をかっ!て見開いて、しまって。
「あ。」
開けた視界。
見慣れた、宮君の部屋。
部屋の中はすっかり明るくて、昨日のあの耽美な空気が霧散状態。
いつもの宮君の部屋だ。
なのに。
前方からね、すごいなんかくるの。漂ってね、くるの。すごいのが。前方、斜め上辺りから。とにかくすごいのが前方ほぼ確実宮君から。宮君からなにか。何かが来る!!!だからボク。そろぉって。首も頭も動かさないようにして。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ動かしてね。そんで。
眼球で、前方斜め上をね、見ようとしてーーひぇって。
息呑んだ。
「先輩。」
眼鏡なし。ホクロ縦二つ。どろりとろけた真っ黒お目目。赤い唇、上がった口角。うざったかった前髪が後ろに流され晒された顔はやっぱりすんごい色気。過多。その上、何コレなんかの冗談?みたいなね、綺麗な顔。
(うぇ???じょ、冗談??)
ボク、お口ぽかーん。あっ、て。あ、の口の形のまま、ぽかーん。
冗談?は?違う?え、ホンモノ?なんかのお約束事的、な?
ぼさぼさ髪と眼鏡外したら超絶美形とかのあれ。
嘘みたいな顔。ありがちな設定の、あれな感じな、すげー綺麗なお顔。
そのお顔がね、ボクの顔のすぐ真ん前にね、あったの。
「え?」
こっわ。何コレ、こっわ!
「やばい、えぇ。あ、ちょっと無理。」
ボクは口からぽろぽろ言葉をこぼしながら目線を逸らし、側から見れば緩慢でもボクからすれば可能な限りの高速で動いてずれちゃった布団を引っ掴んで潜り込もうとしてーー。
「駄目。」
綺麗すぎた宮君の顔に驚きすぎて、その前から痛すぎで動きとろすぎるボクは、横から伸びてきた太い腕にあっという間に捕まった。
「…っ!」
押し付けられれみたいに、宮君の硬い胸筋に埋まるボクの頭。その上に乗っかった宮君の、顔。
「隠れたら駄目です。顔見せて、先輩。」
その顔からどろどろに甘い甘過ぎる声が降り注いでくるわ。
ぎゅって、ボクを捕まえる両腕がこの上無く熱いわで。
ボクの顔まで熱くなってくる。
ぶわぁぁあって、前みたいにまた。
「先輩。」
ベッドに寝転ぶボクを、横から抱きしめてくる宮君。
「無理。」
「先輩。」
ボクの端的断固拒否に対して、宮君も端的。ボクのことを呼ぶだけ。だってのに。
すごい、甘い。
「無理。」
隠れたら駄目、って。
隠すのはどっちだよって。
宮君の方がずっと大量に隠してきたんじゃん。
そんな、甘い声とか目線とか。お綺麗な顔とか全然ちっとも知らなかったんだけどぉ!!って、ボク。言いたいことたっぷりなんだけど。
でも、そのどれもが口からは出てこなくって。
ただただ顔をガラにもなく真っ赤にしたまま、無理無理ってそればっかりがポロポロ。
「先輩。」
「無理。」
ぎゅって抱きしめてくる腕に力なんて込められちゃっても、無理。
「宮君が抱きしめてるから物理的に無理。」
「それは…確かに。」
宮君はあっさりと頷いたくせに、離れてく気配はない。
だからボク、言ってやった。
「…身体痛すぎるんだけど。」
「それも確かに。回数多すぎましたね。」
そこぉ?!
宮君の頓珍漢な答えにボクの顔、ちょっと引き攣る。
「先輩の平均回数を確認していなかったんですみません?」
そこじゃないし謝ってないし!謝罪の言葉の語尾上げんな!
「回数じゃない!ほんと!ボク!身体痛すぎて涙出たんだけど!腰もあそこもすんごく痛いんだけど!!」
「…。」
ボクの抗議の声に、宮君無言。
無言かよ!
ボク、抗議の意味も込めてぐりぐりぐりぐり宮君の胸筋に頭押し付けてやる。
ボクの痛みを少しは味わえ!!
「…硬かったんで、時間かけたつもりでしたけど足りなかったんですね。すみません。先輩、硬かったんで暫くぶりなのかと想像したら歓喜で昂って暴走した自覚はあります。」
長い。
珍しく長文だよ宮君。
(しかも硬かったって2回言った!!)
硬い。そりゃ硬いよ。硬くてちいちゃくて慎ましやかなんだよふつーにふつーは!!そこに入れたら痛いの。突っ込んだら痛いの。駄目なんだよ!本当に!!
ボクの痛みが伝わったんかな?ね?伝わる?
ぐりぐりぐりぐり!
ボクの頭もちょっと痛むから多分きっと宮君も痛い!ハズ!!
ねぇ!ねぇ!
ボクほんとのほんとの本当に痛かったんだからね!!
えいえいって。
突き上げ方も大振りになってきて体も痛かったかったけど、ここぞとばかりに宮君に頭、突き上げてやる。
「すみません。」
平坦トーンだけど。
宮君の声が。ちょっぴり。そこはかとなく、反省してるのが伝わってきたから。
フンって、わざと大きく鼻息はいて。
「全く!」
こちらは怒りをちょっぴり乗せて諭してやったんだ。
「あんな慎ましいとこに入んないの。入んないんだから入れたら駄目なんだって!言ったろ、ボク。無理だって!だのにもう!全く!全くほんとにもう!!ボク!!」
顔赤いままボク、吐露。
「ボク!初めてだったんだからね!!」
ボク、宮君のポテンシャル完全に舐めてましたごめんなさい。
普段無表情な人の色気満載の笑みとかほんと攻撃力半端ない。
いつの間にか外され晒された、眼鏡なしの真っ黒裸眼すらとろりと溶けそうで。普段かくれんぼしてた目じりの縦二つのホクロとかさぁ。もう!もう!
ボクの密かな憧れ!色気の象徴!そんなのがほんと目の前にあって。髪の毛の隙間からそれらが見えるのがまた!艶やか!!
目と口元だけなのよ?髪の毛で隠されはっきり見えてんのは。
なのに!なんでかそれがまた、ちらっとみえちゃう艶やかさで!!
興奮で染まった目元も荒い息遣いも押し付けられた腰の硬すぎるアレも何もかも何もかもがボクをのみこもうと全身で襲いかかってきたんだ。
ボクの思考も呼吸も手足も頑張って頑張って頑張ったけど。
宮君の何もかもが圧倒的で。
その上、聞いたことないような甘ったるい声で呼ぶんだよ。
「『…葉海先輩。』」
「ぎゃぁあぁああ!!」
頭の中の声と現実の声が見事な同期。
ボクは今度こそ絶叫して目をかっ!て見開いて、しまって。
「あ。」
開けた視界。
見慣れた、宮君の部屋。
部屋の中はすっかり明るくて、昨日のあの耽美な空気が霧散状態。
いつもの宮君の部屋だ。
なのに。
前方からね、すごいなんかくるの。漂ってね、くるの。すごいのが。前方、斜め上辺りから。とにかくすごいのが前方ほぼ確実宮君から。宮君からなにか。何かが来る!!!だからボク。そろぉって。首も頭も動かさないようにして。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ動かしてね。そんで。
眼球で、前方斜め上をね、見ようとしてーーひぇって。
息呑んだ。
「先輩。」
眼鏡なし。ホクロ縦二つ。どろりとろけた真っ黒お目目。赤い唇、上がった口角。うざったかった前髪が後ろに流され晒された顔はやっぱりすんごい色気。過多。その上、何コレなんかの冗談?みたいなね、綺麗な顔。
(うぇ???じょ、冗談??)
ボク、お口ぽかーん。あっ、て。あ、の口の形のまま、ぽかーん。
冗談?は?違う?え、ホンモノ?なんかのお約束事的、な?
ぼさぼさ髪と眼鏡外したら超絶美形とかのあれ。
嘘みたいな顔。ありがちな設定の、あれな感じな、すげー綺麗なお顔。
そのお顔がね、ボクの顔のすぐ真ん前にね、あったの。
「え?」
こっわ。何コレ、こっわ!
「やばい、えぇ。あ、ちょっと無理。」
ボクは口からぽろぽろ言葉をこぼしながら目線を逸らし、側から見れば緩慢でもボクからすれば可能な限りの高速で動いてずれちゃった布団を引っ掴んで潜り込もうとしてーー。
「駄目。」
綺麗すぎた宮君の顔に驚きすぎて、その前から痛すぎで動きとろすぎるボクは、横から伸びてきた太い腕にあっという間に捕まった。
「…っ!」
押し付けられれみたいに、宮君の硬い胸筋に埋まるボクの頭。その上に乗っかった宮君の、顔。
「隠れたら駄目です。顔見せて、先輩。」
その顔からどろどろに甘い甘過ぎる声が降り注いでくるわ。
ぎゅって、ボクを捕まえる両腕がこの上無く熱いわで。
ボクの顔まで熱くなってくる。
ぶわぁぁあって、前みたいにまた。
「先輩。」
ベッドに寝転ぶボクを、横から抱きしめてくる宮君。
「無理。」
「先輩。」
ボクの端的断固拒否に対して、宮君も端的。ボクのことを呼ぶだけ。だってのに。
すごい、甘い。
「無理。」
隠れたら駄目、って。
隠すのはどっちだよって。
宮君の方がずっと大量に隠してきたんじゃん。
そんな、甘い声とか目線とか。お綺麗な顔とか全然ちっとも知らなかったんだけどぉ!!って、ボク。言いたいことたっぷりなんだけど。
でも、そのどれもが口からは出てこなくって。
ただただ顔をガラにもなく真っ赤にしたまま、無理無理ってそればっかりがポロポロ。
「先輩。」
「無理。」
ぎゅって抱きしめてくる腕に力なんて込められちゃっても、無理。
「宮君が抱きしめてるから物理的に無理。」
「それは…確かに。」
宮君はあっさりと頷いたくせに、離れてく気配はない。
だからボク、言ってやった。
「…身体痛すぎるんだけど。」
「それも確かに。回数多すぎましたね。」
そこぉ?!
宮君の頓珍漢な答えにボクの顔、ちょっと引き攣る。
「先輩の平均回数を確認していなかったんですみません?」
そこじゃないし謝ってないし!謝罪の言葉の語尾上げんな!
「回数じゃない!ほんと!ボク!身体痛すぎて涙出たんだけど!腰もあそこもすんごく痛いんだけど!!」
「…。」
ボクの抗議の声に、宮君無言。
無言かよ!
ボク、抗議の意味も込めてぐりぐりぐりぐり宮君の胸筋に頭押し付けてやる。
ボクの痛みを少しは味わえ!!
「…硬かったんで、時間かけたつもりでしたけど足りなかったんですね。すみません。先輩、硬かったんで暫くぶりなのかと想像したら歓喜で昂って暴走した自覚はあります。」
長い。
珍しく長文だよ宮君。
(しかも硬かったって2回言った!!)
硬い。そりゃ硬いよ。硬くてちいちゃくて慎ましやかなんだよふつーにふつーは!!そこに入れたら痛いの。突っ込んだら痛いの。駄目なんだよ!本当に!!
ボクの痛みが伝わったんかな?ね?伝わる?
ぐりぐりぐりぐり!
ボクの頭もちょっと痛むから多分きっと宮君も痛い!ハズ!!
ねぇ!ねぇ!
ボクほんとのほんとの本当に痛かったんだからね!!
えいえいって。
突き上げ方も大振りになってきて体も痛かったかったけど、ここぞとばかりに宮君に頭、突き上げてやる。
「すみません。」
平坦トーンだけど。
宮君の声が。ちょっぴり。そこはかとなく、反省してるのが伝わってきたから。
フンって、わざと大きく鼻息はいて。
「全く!」
こちらは怒りをちょっぴり乗せて諭してやったんだ。
「あんな慎ましいとこに入んないの。入んないんだから入れたら駄目なんだって!言ったろ、ボク。無理だって!だのにもう!全く!全くほんとにもう!!ボク!!」
顔赤いままボク、吐露。
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