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感激しました。
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昨日も見た、閉まってる寝室のドア。
昨日と違うのは、そのドアの向こうからなんの気配も物音もしないこと。それ以外はなんら変わり映えしない、ボクの。
ホントなら安心で、安全で心落ち着く、場所。
ボクはドアノブを握ると、躊躇なんて皆無。微塵も無し。
今度は思いきり開け放った。
「え?爽やか?」
カーテンも窓も開いてるから、寝室がすごい明るい。昨日のあの場面に遭遇してしまった身としては、寝室が寝室としてよりも浮気現場としての、なんとなくこう、淫靡?卑猥?的な。ちょっと薄暗いような?とにかくもうイメージ的にボクの安眠の部屋じゃなくなってたわけなんだけど。
窓から燦々と差し込む光とか、すごい、明るい。
目を瞬きながら寝室に置かれたベッドを見れば、枕は上。きちんと枕元にあるし、掛け布団は乱れなくぴしっと整っている。
やめろー!ケースにしまえー!って常日頃雪に何度も何度も訴えてきたあの、ぐちゃっと丸めた掛け布団の上に乱雑に置いてる洗濯済みの衣類も見当たらない。
明るい、上に。妙にきれいに整えられてるよ!!
ボク、しばし茫然自失。
バシバシバシバシ何度も瞬きしてしまったよ。
え?あの知らん男が来るから服は仕舞った?
布団はあの知らん男が綺麗にして帰った??
「え?何それ。どんな浮気効果??」
先程のリビングみたいに掃除されてて。
きれいで爽やかすぎる寝室。
ポケットからスマホを取り出してパチリ。思わず写真撮っちゃったよ!
だってさ。すごくない?ここ一応ボクん家。ボクの親名義。そのボクが何度言っても知らん顔だったのに。浮気ってちょっと違う物が加わったらこれ?
え?すごい。浮気すごい。
昨日から高めだったテンションが、また加速していく。
すごすぎるよ浮気って!!
明るい浮気現場に驚いたけど、きれいなベッドはそれよりぐはっと驚愕!報告案件だ!
ボクはとんでもないスピードでもって宮君に写真付きメッセージをタタタと打ち込む。
『浮気効果すごい!!』
普段雪への、布団畳んでくんない!服仕舞ってくんない!激るボクの愚痴を、寡黙にひたすら多分聞いてくれてる宮君になら。即伝わるよね?このボクの声が!!
既読を確認するまでもなく、ボクはスマホを仕舞い、再び寝室を眺めてしまう。
すごいわぁ、きれい。
浮気現場な寝室なのに、お風呂場と正反対。
すっきりだ。
半ば感嘆してほぅって息まで吐いてからふと気づく。
あ?
いや、お風呂場も浮気現場か。
ボクは変なところを自分で訂正。
あっちもこっちも現場。むしろこの住まい自体が浮気現場だったわ!!
ふぁ!って意味なく叫びそうになった時。お尻のポケットで、スマホがぶるぶるした。
宮君?
ボクは再びスマホを取り出して操作。
相手はやはりの宮君。
返信は端的。
『証拠隠滅。』
ーーだよね!
むしろなんだかいい香りまでする。
「浮気現場のくせに爽やかすぎない?」
可笑しくなって、吹き出しちゃった。
昨日と違うのは、そのドアの向こうからなんの気配も物音もしないこと。それ以外はなんら変わり映えしない、ボクの。
ホントなら安心で、安全で心落ち着く、場所。
ボクはドアノブを握ると、躊躇なんて皆無。微塵も無し。
今度は思いきり開け放った。
「え?爽やか?」
カーテンも窓も開いてるから、寝室がすごい明るい。昨日のあの場面に遭遇してしまった身としては、寝室が寝室としてよりも浮気現場としての、なんとなくこう、淫靡?卑猥?的な。ちょっと薄暗いような?とにかくもうイメージ的にボクの安眠の部屋じゃなくなってたわけなんだけど。
窓から燦々と差し込む光とか、すごい、明るい。
目を瞬きながら寝室に置かれたベッドを見れば、枕は上。きちんと枕元にあるし、掛け布団は乱れなくぴしっと整っている。
やめろー!ケースにしまえー!って常日頃雪に何度も何度も訴えてきたあの、ぐちゃっと丸めた掛け布団の上に乱雑に置いてる洗濯済みの衣類も見当たらない。
明るい、上に。妙にきれいに整えられてるよ!!
ボク、しばし茫然自失。
バシバシバシバシ何度も瞬きしてしまったよ。
え?あの知らん男が来るから服は仕舞った?
布団はあの知らん男が綺麗にして帰った??
「え?何それ。どんな浮気効果??」
先程のリビングみたいに掃除されてて。
きれいで爽やかすぎる寝室。
ポケットからスマホを取り出してパチリ。思わず写真撮っちゃったよ!
だってさ。すごくない?ここ一応ボクん家。ボクの親名義。そのボクが何度言っても知らん顔だったのに。浮気ってちょっと違う物が加わったらこれ?
え?すごい。浮気すごい。
昨日から高めだったテンションが、また加速していく。
すごすぎるよ浮気って!!
明るい浮気現場に驚いたけど、きれいなベッドはそれよりぐはっと驚愕!報告案件だ!
ボクはとんでもないスピードでもって宮君に写真付きメッセージをタタタと打ち込む。
『浮気効果すごい!!』
普段雪への、布団畳んでくんない!服仕舞ってくんない!激るボクの愚痴を、寡黙にひたすら多分聞いてくれてる宮君になら。即伝わるよね?このボクの声が!!
既読を確認するまでもなく、ボクはスマホを仕舞い、再び寝室を眺めてしまう。
すごいわぁ、きれい。
浮気現場な寝室なのに、お風呂場と正反対。
すっきりだ。
半ば感嘆してほぅって息まで吐いてからふと気づく。
あ?
いや、お風呂場も浮気現場か。
ボクは変なところを自分で訂正。
あっちもこっちも現場。むしろこの住まい自体が浮気現場だったわ!!
ふぁ!って意味なく叫びそうになった時。お尻のポケットで、スマホがぶるぶるした。
宮君?
ボクは再びスマホを取り出して操作。
相手はやはりの宮君。
返信は端的。
『証拠隠滅。』
ーーだよね!
むしろなんだかいい香りまでする。
「浮気現場のくせに爽やかすぎない?」
可笑しくなって、吹き出しちゃった。
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