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ep10.
ep10.『聖母と道化、その支配人』 香水
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「……で~?今回はなんなのさ~?」
封筒に入った一万円札を俺に手渡しながら佑ニーサンはヘラヘラとまた笑う。
「ん~当ててあげようか~?女の子でしょ~?」
図星~?と悪戯っぽく笑う佑ニーサンはどことなく学生のように幼なく感じられた。
まあそんなとこ、とはぐらかしながら封筒を学ランの内ポケットに仕舞う。
確かに女子ではあるよな。水森唯はさ。
「いつも世話になってる小泉にアニメグッズでもプレゼントしようかと思ってさ」
で、アニメに詳しいクラスの女子に同行を頼んだってだけだよ、と俺が言うと佑ニーサンは顔をくしゃくしゃにして笑った。
その表情はどっしりとした貫禄のようなものを感じさせる。
学生のように若いかと思えば、次の瞬間には立派なおじさんになっている。
くるくると目まぐるしく姿を変化させる様子はどこか危うさも孕んでいるような印象だ。
顔の造形は童顔なのにどこか渋い雰囲気も醸し出している。
苦労が滲み出てる?いや、苦労してなくね?ただの飲んだくれじゃねぇか。
佑ニーサンは───────────────酒の飲み過ぎでジジイへの階段を何段かすっ飛ばして駆け上がってるのか?
まあ、そっちの方がいいのかもしれないな、と俺は少し思った。
もう30近いんだろ?アラサーじゃねぇか。そろそろ落ち着くべきだよ。
イケおじ路線にシフトチェンジした方がかっこいいと思うんだがな。
ハードボイルドな大人の男ってのも悪くねぇよな。
俺がまじまじと顔を見てたからか、佑ニーサンはクスクスと笑った。
「なんだよ~ガックン~?僕の顔になんかついてるのかい~?」
いや、と俺は首を振った。
「……付いてるっていうか───────何が滲み出てるんだろうなって思ってさ」
俺が何気なく口にすると、佑ニーサンは何故か胸を張ってこう言い切った。
「僕から何か滲み出てるって?そんなのは決まってるだろ~?」
次の言葉を聞いた俺はやっぱり呆れてしまう。
「大人の色気だよ~!」
封筒に入った一万円札を俺に手渡しながら佑ニーサンはヘラヘラとまた笑う。
「ん~当ててあげようか~?女の子でしょ~?」
図星~?と悪戯っぽく笑う佑ニーサンはどことなく学生のように幼なく感じられた。
まあそんなとこ、とはぐらかしながら封筒を学ランの内ポケットに仕舞う。
確かに女子ではあるよな。水森唯はさ。
「いつも世話になってる小泉にアニメグッズでもプレゼントしようかと思ってさ」
で、アニメに詳しいクラスの女子に同行を頼んだってだけだよ、と俺が言うと佑ニーサンは顔をくしゃくしゃにして笑った。
その表情はどっしりとした貫禄のようなものを感じさせる。
学生のように若いかと思えば、次の瞬間には立派なおじさんになっている。
くるくると目まぐるしく姿を変化させる様子はどこか危うさも孕んでいるような印象だ。
顔の造形は童顔なのにどこか渋い雰囲気も醸し出している。
苦労が滲み出てる?いや、苦労してなくね?ただの飲んだくれじゃねぇか。
佑ニーサンは───────────────酒の飲み過ぎでジジイへの階段を何段かすっ飛ばして駆け上がってるのか?
まあ、そっちの方がいいのかもしれないな、と俺は少し思った。
もう30近いんだろ?アラサーじゃねぇか。そろそろ落ち着くべきだよ。
イケおじ路線にシフトチェンジした方がかっこいいと思うんだがな。
ハードボイルドな大人の男ってのも悪くねぇよな。
俺がまじまじと顔を見てたからか、佑ニーサンはクスクスと笑った。
「なんだよ~ガックン~?僕の顔になんかついてるのかい~?」
いや、と俺は首を振った。
「……付いてるっていうか───────何が滲み出てるんだろうなって思ってさ」
俺が何気なく口にすると、佑ニーサンは何故か胸を張ってこう言い切った。
「僕から何か滲み出てるって?そんなのは決まってるだろ~?」
次の言葉を聞いた俺はやっぱり呆れてしまう。
「大人の色気だよ~!」
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