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ep10.
ep10.『聖母と道化、その支配人』 深い沼の王子様
しおりを挟む「それがどうかしたのか?」
アニメのカラフルなイケメンなんかどれも同じようなものだろう。
ミーハーな小泉のことだ。あれこれすぐに目移りしちまうんだろうな。
それにどのキャラもカラーリングが違うだけで大体似たようなヒョロガリじゃねぇか。どいつを選んでも同じじゃね?
俺がそう言うと水森唯はとんでもないと言った風に首をすくめた。
「そんな生半可な気持ちで[推し変]なんて出来るもんじゃないわ」
(※とりあえず補足すると[推し変]てのは推しのキャラを変えることらしい)
「……じゃあ何か?キャラの声優に不祥事でもあったのか?」
最近じゃ声優って職業もすっかり芸能人みたいな扱いだからな。不倫や熱愛のスキャンダルが週刊誌にスクープされることも珍しくない。
「声優に彼女でも居てファンを辞めたくなったとかそういうヤツじゃねぇの?」
まあ俺はどうでもいいんだけどさ、と感想を述べると水森唯は少し考え込む素振りを見せた。
「……いいえ。アイぷりの周辺じゃそう言った話は聞いたことがないわね」
考えられることとしては、と何かを言いかけた水森唯はハッとしたような表情を浮かべてそれきり黙った。
「まあいいわ。そういうことはよくあるから。突然ノーマークのキャラに沼ったりするっていうのは─────────」
一番人気のキャラだものね、と水森唯は自分で自分を納得させるように頷く。
「一番人気?人気があるのか?このハルトってキャラは?」
そうね、と水森唯はこっそりと鞄からアニメの雑誌を取り出した。
「これ、佐々木さんに借りてたまたま持っていたものなんだけど──────」
俺は広げられた雑誌のページを覗き込んだ。
『アニメキャラ人気投票ランキング』なるページに何度か見たことのあるキャラの姿が描かれている。
大豪院ハルトなるキャラは堂々の2位だ。
アニメのカラフルなイケメンなんかどれも同じようなものだろう。
ミーハーな小泉のことだ。あれこれすぐに目移りしちまうんだろうな。
それにどのキャラもカラーリングが違うだけで大体似たようなヒョロガリじゃねぇか。どいつを選んでも同じじゃね?
俺がそう言うと水森唯はとんでもないと言った風に首をすくめた。
「そんな生半可な気持ちで[推し変]なんて出来るもんじゃないわ」
(※とりあえず補足すると[推し変]てのは推しのキャラを変えることらしい)
「……じゃあ何か?キャラの声優に不祥事でもあったのか?」
最近じゃ声優って職業もすっかり芸能人みたいな扱いだからな。不倫や熱愛のスキャンダルが週刊誌にスクープされることも珍しくない。
「声優に彼女でも居てファンを辞めたくなったとかそういうヤツじゃねぇの?」
まあ俺はどうでもいいんだけどさ、と感想を述べると水森唯は少し考え込む素振りを見せた。
「……いいえ。アイぷりの周辺じゃそう言った話は聞いたことがないわね」
考えられることとしては、と何かを言いかけた水森唯はハッとしたような表情を浮かべてそれきり黙った。
「まあいいわ。そういうことはよくあるから。突然ノーマークのキャラに沼ったりするっていうのは─────────」
一番人気のキャラだものね、と水森唯は自分で自分を納得させるように頷く。
「一番人気?人気があるのか?このハルトってキャラは?」
そうね、と水森唯はこっそりと鞄からアニメの雑誌を取り出した。
「これ、佐々木さんに借りてたまたま持っていたものなんだけど──────」
俺は広げられた雑誌のページを覗き込んだ。
『アニメキャラ人気投票ランキング』なるページに何度か見たことのあるキャラの姿が描かれている。
大豪院ハルトなるキャラは堂々の2位だ。
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