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ep10.
ep10.『聖母と道化、その支配人』 本人不在の恋愛トーク
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その後。
給食前の休憩時間に俺はもう一度水森唯に話しかけた。
「なあ。さっきの話なんだけどちょっと今いいか?」
また別の本を読んでいた水森唯はパタンと本を閉じてこちらを見た。
「……ええ。大丈夫」
俺は勿体ぶったように──────────心底思い詰めているかのような表情を浮かべながらこう打ち明けた。
「ありがとな。水森。俺、小泉が好きなアニメとかグッズとか、ほんとに疎くて─────────」
それから俺は長々と[いかに俺が小泉に迷惑を掛けたか][そのせいで小泉がどれだけ加賀から疎まれているか]ということをややオーバーに水森唯に訴えた。
「だからさ、俺─────────今度バイト代入ったらさ───── 一回キチンと小泉にお礼を言いたいって思ってて」
……そうだったの、と水森唯は真剣にこちらの話に耳を傾けてくれている。
いいぞ。
流れは完璧にこっちのもんだ。
「小泉ってさ、なんか推し活とかいうのに命掛けててさ。マジでガチ恋してるらしいんだ。三次元のリアルな男に興味なんて無さそうってのも心配っちゃ心配なんだけどさ」
途端に水森唯の食いつきが強化された気がした。
「……あら。小泉先生、彼氏が欲しいとかそういう願望はないってこと?」
ああ、と俺は尤もらしく大きく頷いた。
「ほら。ソシャゲだかアニメだか知らねぇんだけどさ。小泉の推しっていうのがまたシュッとした線の細いイケメンでさ──────」
ああいうのばっか見てるから理想が高くなり過ぎちまってるんだろうな、と俺が言うと水森唯はそれに同意する。
「……そうね。二次元でも2・5次元でも──────────リアルの男性に太刀打ち出来る相手じゃないわよね」
なるほど?
水森唯も小泉に近い感じなのか?
給食前の休憩時間に俺はもう一度水森唯に話しかけた。
「なあ。さっきの話なんだけどちょっと今いいか?」
また別の本を読んでいた水森唯はパタンと本を閉じてこちらを見た。
「……ええ。大丈夫」
俺は勿体ぶったように──────────心底思い詰めているかのような表情を浮かべながらこう打ち明けた。
「ありがとな。水森。俺、小泉が好きなアニメとかグッズとか、ほんとに疎くて─────────」
それから俺は長々と[いかに俺が小泉に迷惑を掛けたか][そのせいで小泉がどれだけ加賀から疎まれているか]ということをややオーバーに水森唯に訴えた。
「だからさ、俺─────────今度バイト代入ったらさ───── 一回キチンと小泉にお礼を言いたいって思ってて」
……そうだったの、と水森唯は真剣にこちらの話に耳を傾けてくれている。
いいぞ。
流れは完璧にこっちのもんだ。
「小泉ってさ、なんか推し活とかいうのに命掛けててさ。マジでガチ恋してるらしいんだ。三次元のリアルな男に興味なんて無さそうってのも心配っちゃ心配なんだけどさ」
途端に水森唯の食いつきが強化された気がした。
「……あら。小泉先生、彼氏が欲しいとかそういう願望はないってこと?」
ああ、と俺は尤もらしく大きく頷いた。
「ほら。ソシャゲだかアニメだか知らねぇんだけどさ。小泉の推しっていうのがまたシュッとした線の細いイケメンでさ──────」
ああいうのばっか見てるから理想が高くなり過ぎちまってるんだろうな、と俺が言うと水森唯はそれに同意する。
「……そうね。二次元でも2・5次元でも──────────リアルの男性に太刀打ち出来る相手じゃないわよね」
なるほど?
水森唯も小泉に近い感じなのか?
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