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ep10.
ep10.『聖母と道化、その支配人』 探り合い宇宙
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……は?
「何それ?」
俺が思わず素でそうで口にすると─────────水森唯は予想外の人物の名を口にした。
「……佐藤君て小泉先生のこと好きなんでしょう?」
なんだそれは!?
「……え!?なんでそんな唐突に────────」
俺がしどろもどろでそう答えると水森唯は更に追い討ちをかける。
「だって佐藤君、しょっちゅう美術準備室に出入りしてるじゃない」
小泉先生の顔を見たいからだと思ってたけど、という水森唯の言葉に俺は衝撃を受けた。
は?
俺ってそんな風にクラスの奴らから見られてたのか!?
違う違う、と俺はブンブンと必死で首を振る。
「そんなんじゃねーし!!!」
食いもんなくて腹減ったから貰いに行ってただけだし!?という俺の言葉に対し、水森唯は冷静にこう切り返してくる。
「……そうなの?佐藤君が問題行動ばっかり起こすのっててっきり─────────小泉先生の気を引きたいからだと思ってたけど」
なんて事だろう。
俺の行動をそんな風に見てる人物がクラス内に居るなんて思ってもみなかった。
おいおいおいおい。それにしたってそれはあんまりじゃねーか。
俺が小泉のことを好きだって?
冗談も大概にして欲しいものだ。
「……いや、マジで」
俺は特に強調するようにそう言った。
「……小泉ってさ、俺ん家に母ちゃんがいねぇの知ってんだよ」
それで、と俺は続けた。
「特別な配慮、っつうのかな。そういうやつだよ。給食のパンの残ったやつを加賀に内緒で横流ししてもらったりとか」
そういう手助けをして貰ってるだけでさ、と俺は必死に自分の身の潔白を訴えた。
「……ふふ」
水森唯が初めて楽しそうに笑った。
「そう。なら良かった」
良かったって何が、と俺が聞き返すと───────────水森唯はこう言い放った。
「……佐藤君のことを好きな子にはチャンスがまだあるって事なのね」
「何それ?」
俺が思わず素でそうで口にすると─────────水森唯は予想外の人物の名を口にした。
「……佐藤君て小泉先生のこと好きなんでしょう?」
なんだそれは!?
「……え!?なんでそんな唐突に────────」
俺がしどろもどろでそう答えると水森唯は更に追い討ちをかける。
「だって佐藤君、しょっちゅう美術準備室に出入りしてるじゃない」
小泉先生の顔を見たいからだと思ってたけど、という水森唯の言葉に俺は衝撃を受けた。
は?
俺ってそんな風にクラスの奴らから見られてたのか!?
違う違う、と俺はブンブンと必死で首を振る。
「そんなんじゃねーし!!!」
食いもんなくて腹減ったから貰いに行ってただけだし!?という俺の言葉に対し、水森唯は冷静にこう切り返してくる。
「……そうなの?佐藤君が問題行動ばっかり起こすのっててっきり─────────小泉先生の気を引きたいからだと思ってたけど」
なんて事だろう。
俺の行動をそんな風に見てる人物がクラス内に居るなんて思ってもみなかった。
おいおいおいおい。それにしたってそれはあんまりじゃねーか。
俺が小泉のことを好きだって?
冗談も大概にして欲しいものだ。
「……いや、マジで」
俺は特に強調するようにそう言った。
「……小泉ってさ、俺ん家に母ちゃんがいねぇの知ってんだよ」
それで、と俺は続けた。
「特別な配慮、っつうのかな。そういうやつだよ。給食のパンの残ったやつを加賀に内緒で横流ししてもらったりとか」
そういう手助けをして貰ってるだけでさ、と俺は必死に自分の身の潔白を訴えた。
「……ふふ」
水森唯が初めて楽しそうに笑った。
「そう。なら良かった」
良かったって何が、と俺が聞き返すと───────────水森唯はこう言い放った。
「……佐藤君のことを好きな子にはチャンスがまだあるって事なのね」
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