[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない！〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる！？

ep10.

ep10.『聖母と道化、その支配人』 罪の証としての快楽

それは何度も繰り返された。

何がって？分かるだろ？

俺が時間を戻る為に必要な“作業”。

それは恐ろしいことに────────憔悴しきってる花園リセと俺との間で行われた。

我ながら酷い事だとは思うぜ？

子猫の惨殺死体を抱えて半狂乱になってた花園リセを半ば丸め込むような形で実行してるんだからな。

慰めるフリして深い悲しみに暮れる御令嬢に追い討ちをかけてるんだ。成る程、俺は確実に地獄行きじゃねぇか。

そうだ。

弱りきった上に全ては自分のせいだと思い込んでいる花園リセ。

その相手に対して考えうる限りの最低最悪な行為を実行したんだからな。

───────────何度も、何度も。

そう。それは何度も繰り返された。

だけど。

その行為の結果の着地点はいつも違っていた。

死んだ四匹の猫のうち、全部が生き返っているケースはほぼ無かった。

二匹が生き残り、二匹が死んでいる。

一匹が生き残り、三匹が死んでいる。

四匹とも生き残ったが、母猫であるマサムネが死んでいる。

いずれもそれは─────────俺と花園リセにとっては耐え難い結末だった。

俺はとうとう全員が生き残っている世界線に辿り着けなかったんだ。

そうだ。

どうして忘れていたんだろう？

いや。

忘れてたんじゃない、俺が思い出さなかっただけだ。

全てに嘘をついて上り詰めた偽りの天国。















────────────その快楽だけは罪の証として身体に刻み込まれていた。