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ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 The final countdown
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「ハァ!?EV車!??」
俺と概史は思わず顔を見合わせる。
「か……環境に配慮した地球に優しい乗り物アル!」
何故かウォンがそう力説するが───────そもそも暴走族の現総長なんだよな!?地球に優しくする必要あるか!?
「おいおいおい……どうすんだよコレさ……」
俺が呆れたように呟くと、ウォンは慌てて首を振った。
「ちょっとチーム内のメカニック担当に弄って貰って、バッテリーはカートリッジ式にして貰ったアル!」
すぐに追い付くから、先に行ってて欲しいアルよ!とウォンは俺と概史に指示を出して来るが─────────
信じていいのか?
そもそも、コイツがホントに羽威刄闇(ワイバーン)のメンバーかどうかって確証すら無ぇじゃねぇか。
なんなら愚羅淫怒(グラインド)側の差し向けた刺客である可能性すらある。
どうする?
俺と概史は顔を見合わせた。
いや。
チャイナ服コスプレして変なキャラ作ってる上に老人用電動四輪に乗ってる自称総長とか─────────設定の個性の爆発が過ぎる。
もし俺と概史を騙そうってんならさ、もうちょい暴走族っぽい風貌でバイクに乗って現れる筈だ。
コイツが嘘をつくメリットが見当たらない。
それに。
「わかった。アンタを信じるよ、ウォン総長」
俺がそう告げると、ウォンの表情がパッと明るくなった。
「わかってくれたアルか!?」
まあな、と俺は答えながら頷いた。
「アンタさっきさ、『郷に入っては郷に従え』って言ってただろ?コレってさ、ウチの死んだ爺さんがよく口にしてたんだよな」
だからなんかさ、アンタの言ってるコト、信じていいかなって思えたんだ、と俺が言うと概史がゲラゲラと笑う。
「ちょっwwwマジでwww今から行くんスかwwwオレらがwww暴走族の抗争にwww」
無理wwwwwと概史はブンブンと首を振った。
まあな。
俺らガキ二人が行った所で事態が好転するとも思えないが────────しかも概史に至っては単なる男子小学生だしな。
「鈴木先輩、他勢に無勢って状態じゃねぇか?向こうはあんだけ兵隊集めてんのによ」
俺らが行かなくてどうすんだよ、と俺が言うと概史は急に真顔になる。
「まあ、こんな面白いイベント、行かない手は無いっスよね」
概史が自宅からマグナ40を持ってくる。
俺と概史は2ケツでマグナに跨り、エンジンを掛けてそのまま発進した。
後方でウォンが手を振り、大声でこう叫ぶ。
「ワタシもすぐにそっちに向かうアル!それまで持ち堪えるアルよ!」
“持ち堪える”?
まるでウォンが来たら形勢が一気に逆転するかのような言い回しじゃねぇか。
老人用の四輪車に乗ったコスプレ留学生が何か出来るとは到底思えないが────────────
とにかく、鈴木先輩と奥さんが心配だ。
しかも奥さんは──────────腹の中に赤ん坊が居るじゃねぇか。
俺と概史は全速力で現場に向かった。
俺と概史は思わず顔を見合わせる。
「か……環境に配慮した地球に優しい乗り物アル!」
何故かウォンがそう力説するが───────そもそも暴走族の現総長なんだよな!?地球に優しくする必要あるか!?
「おいおいおい……どうすんだよコレさ……」
俺が呆れたように呟くと、ウォンは慌てて首を振った。
「ちょっとチーム内のメカニック担当に弄って貰って、バッテリーはカートリッジ式にして貰ったアル!」
すぐに追い付くから、先に行ってて欲しいアルよ!とウォンは俺と概史に指示を出して来るが─────────
信じていいのか?
そもそも、コイツがホントに羽威刄闇(ワイバーン)のメンバーかどうかって確証すら無ぇじゃねぇか。
なんなら愚羅淫怒(グラインド)側の差し向けた刺客である可能性すらある。
どうする?
俺と概史は顔を見合わせた。
いや。
チャイナ服コスプレして変なキャラ作ってる上に老人用電動四輪に乗ってる自称総長とか─────────設定の個性の爆発が過ぎる。
もし俺と概史を騙そうってんならさ、もうちょい暴走族っぽい風貌でバイクに乗って現れる筈だ。
コイツが嘘をつくメリットが見当たらない。
それに。
「わかった。アンタを信じるよ、ウォン総長」
俺がそう告げると、ウォンの表情がパッと明るくなった。
「わかってくれたアルか!?」
まあな、と俺は答えながら頷いた。
「アンタさっきさ、『郷に入っては郷に従え』って言ってただろ?コレってさ、ウチの死んだ爺さんがよく口にしてたんだよな」
だからなんかさ、アンタの言ってるコト、信じていいかなって思えたんだ、と俺が言うと概史がゲラゲラと笑う。
「ちょっwwwマジでwww今から行くんスかwwwオレらがwww暴走族の抗争にwww」
無理wwwwwと概史はブンブンと首を振った。
まあな。
俺らガキ二人が行った所で事態が好転するとも思えないが────────しかも概史に至っては単なる男子小学生だしな。
「鈴木先輩、他勢に無勢って状態じゃねぇか?向こうはあんだけ兵隊集めてんのによ」
俺らが行かなくてどうすんだよ、と俺が言うと概史は急に真顔になる。
「まあ、こんな面白いイベント、行かない手は無いっスよね」
概史が自宅からマグナ40を持ってくる。
俺と概史は2ケツでマグナに跨り、エンジンを掛けてそのまま発進した。
後方でウォンが手を振り、大声でこう叫ぶ。
「ワタシもすぐにそっちに向かうアル!それまで持ち堪えるアルよ!」
“持ち堪える”?
まるでウォンが来たら形勢が一気に逆転するかのような言い回しじゃねぇか。
老人用の四輪車に乗ったコスプレ留学生が何か出来るとは到底思えないが────────────
とにかく、鈴木先輩と奥さんが心配だ。
しかも奥さんは──────────腹の中に赤ん坊が居るじゃねぇか。
俺と概史は全速力で現場に向かった。
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