856 / 1,060
ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 エロスとタナトスと突然の死
しおりを挟む
「あれwwなんか結局www佑ニーサンが自分の持説を強化する方向に持ってってません?www」
そう言いながら概史がニヤニヤとする。
「なんかそうだな。結局、話題が同じところをループしてる気がする────────」
俺もそれに同意すると、佑ニーサンが心外だといった風に肩をすくめた。
「いや~?そんな事はないと思うよ~?さっきのガックンの話、最高に痺れたし~」
『ピラミッドのてっぺんが“死”』だってのもホントにそうだと思ったしね~と佑ニーサンは頷く。
概史がまたゲラゲラと笑う。
「また『突然の”死“』www」
いや、そうじゃなくて~と佑ニーサンは首を振った。
「“生”つまり───────“性”と“死”は対極かつ表裏一体の概念だからね~。『エロスとタナトス』ってやつ~」
佑ニーサンはそう言うと缶チューハイをグイッと煽る。
エロス?タナトス?表裏一体?
どういう意味だろう。
生、てか性と死がワンセット?
?????
「なんでその二つがワンセットなんだ?セックスしたら子どもが出来るからか?」
え?それだと性と生になりませんwww?と概史がツッコミを入れてくる。
「そっか。そういやそうだな」
なんかピンと来ねぇハナシだな、と俺が呟くと佑ニーサンが満足げに笑う。
「それでいいんだよ~。僕達は何も難しく考えなくていいんだから~」
頭でっかちになってさ。自分だけは周囲と違う、賢い人間だって思い込んで生きてく方が悲惨なんだからさ~という佑ニーサンの言葉に鈴木先輩が相槌を打つ。
「佑先輩の言いたいんは──────結局さっきの話とおんなじなんか?」
要は、と鈴木先輩は続ける。
「孔雀もフクロウも誰にも教わらんでもツガイを探そうと努力もするし、子孫を残すじゃろ?」
概史がその話に乗っかるようにゲラゲラ笑う。
「孔雀やフクロウに出来るんならwwwオレ達人間にもwww出来るはずってwwwそういうハナシなんスかwww」
────────なるほど、そうだよな。
孔雀やフクロウの群れの中に学校や教育機関がある訳じゃない。
でも、誰にも教わらなくても───────ツガイを見つけてセックスして、子孫を残してる。
人間もそうだって言いたいのか?
そうするべきだっていう話?
俺がボンヤリとそんな事を考えていると、概史がこんな結論に着地させる。
「じゃあwww今までの話をまとめるとwwwやっぱ鈴木先輩が優勝ってことじゃないっスかww」
若いうちに結婚して子ども居てwwwベルファイア乗っててwww家も建ててwww年収も平均以上の額だしwwという概史の言葉に俺も頷いた。
確かに。
これ以上ないくらいにパーフェクト人生設計じゃねぇか。
おまけに嫁さんは10代の超絶美少女と来てる。
しかも夫婦仲もかなり良さげだし。
もうそれだけで100億くらいの価値があるんじゃないか?
「そこら辺の大卒でホワイトカラーの人なんかでもここまでのスペックは手に入らなくないスかwww?」
概史がそう言って煽る。
なるほど、確かにな。
ニーサンもそれに同意する。
「この近辺だと~大卒でもここまで漕ぎつけられる存在ってのはなかなか稀だよ~?」
高卒が大卒を超える事もある。
その事実だけで、俺にはとてつもない希望のように思えた。
───────すると。
鈴木先輩が言いにくそうに、こう口を開いた。
「言うてなかったんじゃけど─────────ワシ、今年から大学生になったんじゃ」
そう言いながら概史がニヤニヤとする。
「なんかそうだな。結局、話題が同じところをループしてる気がする────────」
俺もそれに同意すると、佑ニーサンが心外だといった風に肩をすくめた。
「いや~?そんな事はないと思うよ~?さっきのガックンの話、最高に痺れたし~」
『ピラミッドのてっぺんが“死”』だってのもホントにそうだと思ったしね~と佑ニーサンは頷く。
概史がまたゲラゲラと笑う。
「また『突然の”死“』www」
いや、そうじゃなくて~と佑ニーサンは首を振った。
「“生”つまり───────“性”と“死”は対極かつ表裏一体の概念だからね~。『エロスとタナトス』ってやつ~」
佑ニーサンはそう言うと缶チューハイをグイッと煽る。
エロス?タナトス?表裏一体?
どういう意味だろう。
生、てか性と死がワンセット?
?????
「なんでその二つがワンセットなんだ?セックスしたら子どもが出来るからか?」
え?それだと性と生になりませんwww?と概史がツッコミを入れてくる。
「そっか。そういやそうだな」
なんかピンと来ねぇハナシだな、と俺が呟くと佑ニーサンが満足げに笑う。
「それでいいんだよ~。僕達は何も難しく考えなくていいんだから~」
頭でっかちになってさ。自分だけは周囲と違う、賢い人間だって思い込んで生きてく方が悲惨なんだからさ~という佑ニーサンの言葉に鈴木先輩が相槌を打つ。
「佑先輩の言いたいんは──────結局さっきの話とおんなじなんか?」
要は、と鈴木先輩は続ける。
「孔雀もフクロウも誰にも教わらんでもツガイを探そうと努力もするし、子孫を残すじゃろ?」
概史がその話に乗っかるようにゲラゲラ笑う。
「孔雀やフクロウに出来るんならwwwオレ達人間にもwww出来るはずってwwwそういうハナシなんスかwww」
────────なるほど、そうだよな。
孔雀やフクロウの群れの中に学校や教育機関がある訳じゃない。
でも、誰にも教わらなくても───────ツガイを見つけてセックスして、子孫を残してる。
人間もそうだって言いたいのか?
そうするべきだっていう話?
俺がボンヤリとそんな事を考えていると、概史がこんな結論に着地させる。
「じゃあwww今までの話をまとめるとwwwやっぱ鈴木先輩が優勝ってことじゃないっスかww」
若いうちに結婚して子ども居てwwwベルファイア乗っててwww家も建ててwww年収も平均以上の額だしwwという概史の言葉に俺も頷いた。
確かに。
これ以上ないくらいにパーフェクト人生設計じゃねぇか。
おまけに嫁さんは10代の超絶美少女と来てる。
しかも夫婦仲もかなり良さげだし。
もうそれだけで100億くらいの価値があるんじゃないか?
「そこら辺の大卒でホワイトカラーの人なんかでもここまでのスペックは手に入らなくないスかwww?」
概史がそう言って煽る。
なるほど、確かにな。
ニーサンもそれに同意する。
「この近辺だと~大卒でもここまで漕ぎつけられる存在ってのはなかなか稀だよ~?」
高卒が大卒を超える事もある。
その事実だけで、俺にはとてつもない希望のように思えた。
───────すると。
鈴木先輩が言いにくそうに、こう口を開いた。
「言うてなかったんじゃけど─────────ワシ、今年から大学生になったんじゃ」
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる