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ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 Talking about SEX and LIFE その⑬
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へぇ、と概史が感心したように呟く。
「我慢出来るもんなんスかねぇ?いや、煽ってるとかじゃなくて」
だって付き合ってる健康な男女が何もしないとか───────かなり無理してないスか、という概史の言葉に対し相槌を打つ。
それは尤もなことだった。
「まあ、それは俺も思うぜ」
でも、と俺は続けた。
「今から18になるまでの4年間と、18から死ぬまで過ごす年月───────例えば、88まで生きると仮定しての70年を天秤に掛けるとしてさ」
人生の残り70年を二人で確実に過ごすためにさ、今の4年間を我慢してるって事じゃないのかって思うんだけど、と俺が言うと鈴木先輩が驚いた様子をみせた。
「ほぉ~。若いのにしっかりしとるんじゃのう!佐藤の親友とやらは─────」
まあ、ワシんとこなんかデキ婚じゃけぇ、全然真逆じゃな!と佐藤先輩はまたガハハと笑った。そういやそうだったな。まあ真逆だよな。
いや、その理屈は分かるんスけど、となおも概史が納得いかない様子で呟く。
「信念とか、そういうものとしては立派じゃないスか。でもそれだけでマジで耐えられるモンなんスかね?」
我慢できなくなる瞬間とか絶対あると思うんスけど、という概史の言葉には妙な説得力があるように思えた。
まあそうだよな。
思春期の健康な男子が4年間もお預け喰らうなんてさ、概史から見れば信じられないんだろう。
「まあ、妊娠の可能性の無い範囲ならアレコレやってる可能性もあるっちゃあるだろうけど、それ以前に───────」
お互い信頼し合ってるから成り立ってるって部分が大きいんだろうな、と俺が言うと概史がまた大袈裟に反応する。
「“信頼”ってwwwまたまたwww学級目標とかみたいじゃないですかwww」
まあな。普通に考えたら学級目標でしか使わねぇ言葉だ。
“信頼”なんて陳腐な言葉────────俺達は普段、日常会話なんかで使ったりはしないんだ。
だけど。
御月と諸星キクコはガチなんだ。
本当に本気で信頼し合ってる。将来だって確定してるんだよ。
だから、変な駆け引きだのそんなものは必要ないんだろう。
『相手の心を繋ぎ止めるためにセックスする』『セックスしないと相手が離れていくかも』的な懸念が無いからこそ成り立ってるんだろうな。
あの二人はセックスなんてしなくても───────────それ以上の絆で結ばれてる。
それは俺にとって、とてつもなく眩しくて手の届かない存在に思えた。
「我慢出来るもんなんスかねぇ?いや、煽ってるとかじゃなくて」
だって付き合ってる健康な男女が何もしないとか───────かなり無理してないスか、という概史の言葉に対し相槌を打つ。
それは尤もなことだった。
「まあ、それは俺も思うぜ」
でも、と俺は続けた。
「今から18になるまでの4年間と、18から死ぬまで過ごす年月───────例えば、88まで生きると仮定しての70年を天秤に掛けるとしてさ」
人生の残り70年を二人で確実に過ごすためにさ、今の4年間を我慢してるって事じゃないのかって思うんだけど、と俺が言うと鈴木先輩が驚いた様子をみせた。
「ほぉ~。若いのにしっかりしとるんじゃのう!佐藤の親友とやらは─────」
まあ、ワシんとこなんかデキ婚じゃけぇ、全然真逆じゃな!と佐藤先輩はまたガハハと笑った。そういやそうだったな。まあ真逆だよな。
いや、その理屈は分かるんスけど、となおも概史が納得いかない様子で呟く。
「信念とか、そういうものとしては立派じゃないスか。でもそれだけでマジで耐えられるモンなんスかね?」
我慢できなくなる瞬間とか絶対あると思うんスけど、という概史の言葉には妙な説得力があるように思えた。
まあそうだよな。
思春期の健康な男子が4年間もお預け喰らうなんてさ、概史から見れば信じられないんだろう。
「まあ、妊娠の可能性の無い範囲ならアレコレやってる可能性もあるっちゃあるだろうけど、それ以前に───────」
お互い信頼し合ってるから成り立ってるって部分が大きいんだろうな、と俺が言うと概史がまた大袈裟に反応する。
「“信頼”ってwwwまたまたwww学級目標とかみたいじゃないですかwww」
まあな。普通に考えたら学級目標でしか使わねぇ言葉だ。
“信頼”なんて陳腐な言葉────────俺達は普段、日常会話なんかで使ったりはしないんだ。
だけど。
御月と諸星キクコはガチなんだ。
本当に本気で信頼し合ってる。将来だって確定してるんだよ。
だから、変な駆け引きだのそんなものは必要ないんだろう。
『相手の心を繋ぎ止めるためにセックスする』『セックスしないと相手が離れていくかも』的な懸念が無いからこそ成り立ってるんだろうな。
あの二人はセックスなんてしなくても───────────それ以上の絆で結ばれてる。
それは俺にとって、とてつもなく眩しくて手の届かない存在に思えた。
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