[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep9

ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 Saturday Knight Fever その⑥

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俺は改めてそのチラシを見た。

[住宅ローン相談会実施中!]

[あきらめないで!住宅ローン審査に不安のある方、是非ご相談ください!]

という文言が目に入る。

「ん…?“審査”?」

”審査“って書いてあるってことは───────落ちる場合もあるのか、と俺が何気なく口にすると佑ニーサンが大いに頷く。

「あるよ~大アリだよ~!」

審査ってのはなんなんだろうか。何を見るって言うんだ?

「『この人なら絶対通るだろう』って人が落ちたり、『この人はまさか無理だよね?』みたいな人が通っちゃたりするのが住宅ローンなんだよね~」

まあ、大人にとっての人生の集大成みたいな試験てイメージかなあ~という佑ニーサンの言葉に概史が反応する。

「試験wwwそれに鈴木先輩はパス出来たんスかwww」

難関試験www合格wwwみたいなもんスかwwwと囃し立てる概史に佑ニーサンはやや真剣な表情で答えた。

「まあ、そうだよね~人によっては難関試験なんだよね~」

いい大学出てる人であっても落ちたりすることもあるんだし~と佑ニーサンは続けた。

なるほど。なかなか突破が難しいものなんだな。

それをパス出来たって事は鈴木先輩はやっぱ凄いんだろう。

「大卒の人でも落ちることもある試験に鈴木先輩は合格した……ってこと?」

俺がそう尋ねると佑ニーサンは得意げに頷いた。

「そうだよ~?過去に借金踏み倒してたり、携帯代金の支払いが遅れたりしたらブラックリストに乗っちゃうからね~」

そうなると審査に落ちちゃうから~二人とも気をつけるんだよ~?と佑ニーサンが言うと、概史がすかさず反応する。

「どゆことっスかwww過去にやらかしてたら審査とか通らないってことっスかwww」

まあそうだねぇ~と佑ニーサンが相槌を打った。

「一回ブラックリストに乗っちゃうと~住宅だけじゃなくて~車のローンやクレジットカードの審査にも落ちる事があるんだよ~?」

だからお金の管理や支払いはキチンとしなきゃダメなんだよ~特にガックン~?と急に名指しされた俺は思わずビクっとしてしまう。

「それってつまり……なんかの支払いをブッチしたりバックれたらブラックリストってのに載せられてさ。そっから他のモンも全部ハネられるって理解でいいのか?」

俺がそう確認すると佑ニーサンが含みを持たせたように笑う。

「まあ、二人とも今は未成年だから大丈夫だろうけどさ~あ、あと奨学金てのもバックれたらブラックリストに載るからね~」

二人の進路はまだ決まってないだろうけど~将来気をつけるんだよ~という突然のアドバイスに俺と概史は戸惑いを隠せなかった。

マジか。

どんな支払いでもバックれたらブラックリストってやつに載るのか?

「あ、あと関係ないけど~『あなたの口座買います!』『即現金化!』『急な出費で現金が必要な方に!』みたいな文言に乗せられて銀行口座とか売ったら絶対ダメだからね~永久垢バンで一生口座とか作れなくなるから~」

「永久垢バンwww」

何やらセンセーショナルな単語を耳にした概史がゲラゲラと笑う。

「笑い事じゃないんだよ~?銀行口座が作れないって事は~クレカも持てないしローンも組めない、賃貸物件も借りられないし普通の就職先や職業に一生就けないって事だからさ~」

給料手渡しオンリーの職場って限られてるからね~職業選択の自由も無くなるんだよ~?という佑ニーサンの言葉に俺はビビってしまう。

住宅ローン?ブラックリスト?永久垢バン?








聞き慣れない単語とその恐ろしさに────────俺は大人の世界の恐ろしさを垣間見た気がした。
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