[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない！〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる！？

ep9

ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 Saturday Knight Fever その①

「……あ、あの」

俺は思い切ってこう切り出した。

「お子さんは今日、どうされてるんですか？」

お子さんがまだ小さいのに、俺らが鈴木先輩を借りてっていいんでしょうか、と俺が尋ねると────────人妻美少女が笑った。

「まあ。若いのにしっかりされてるんですね」

こんな気遣い出来る子、初めてだわ、と人妻美少女が感心した様子で俺をしげしげと眺める。

「そうじゃろ！佐藤はな、この若さでバイトで自活しとる苦労人でのう！」

まあ、と人妻美少女が驚いたようにまた俺に視線を送る。

「あの、恥ずかしいんでそういうのやめて下さいよ……大した事ないんで……」

そう答えると、鈴木先輩がバンバンと俺の肩を叩く。

「まあまあ！そう謙遜するなぁや！」

手加減されてはいるんだろうが、結構痛い。

「そう心配せんでええ。今日はチビ達は預かって貰っとる日じゃけぇな」

夕方までは自由時間じゃけぇ、という言葉に佑ニーサンが反応する。

「ああ～。確か、おばあちゃんに預かって貰ってるって言ってたっけ～？」

そうじゃ、と鈴木先輩が頷く。

「二人ともまだ若いしやりたい事があるじゃろう言うてな、キヨ婆ちゃんが一週間に一回、子守りしてくれることになっとるんじゃ」

ええ、と人妻美少女も微笑む。

「キヨお婆ちゃんが子ども達を見てくれる時間があるから、八宇も衣装作ったり息抜き出来てるんですよ」

なるほどな。

いくら早く結婚して子どもが産まれたって言っても、二人ともまだ若いもんな。

遊ぶ時間や自由時間がある程度確保出来てるってのはデカいだろう。

仕事に育児に家事、そればっかりだと流石に煮詰まっちまうしな。

「優しいお婆ちゃんなんですね」

俺がそう言うと鈴木先輩はやや胸を張る。

「そうじゃろ！キヨ婆ちゃんのお陰でワシらはどうにか暮らせとるしのう！この家だって─────────」

ああ、と佑ニーサンが相槌を打つ。

「そういえば～この家と土地も貰ったんだっけ～？」

そうじゃ、と鈴木先輩が答えた。

「えw？家と土地、貰ったんスかw？」

概史がやや驚いたようにツッコミを入れてくる。

しかし、鈴木先輩の次の言葉は予想外のものだった。

「まあ、そういう約束で養子に入ったけぇのう」

え！？






────────────養子！？