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ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 ゆるやかオーバーキル
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なんとなく沈んだ気持ちになってしまったが────────鈴木先輩の一言で我に返る。
「佐藤は付き合うとる女子はおらんのか?」
えっいやその、と俺は口籠る。
なんでまた俺にパス出してくんだよ!?
しかもメチャクチャ痛いとこを突かれたと来たもんだ。
「いや、俺って全然モテねぇし……」
女子にマジで縁が無くて、と俺は必死で平常心を装ってそう絞り出した。
なんでこんなこと聞いてくんだよ。
今日は朝から俺のメンタルは滅茶苦茶なんだ。
俺のライフはとっくにゼロなんだよ。
オーバーキルもいいとこじゃねぇか。
割と冗談抜きで俺が泣きそうになっていると──────鈴木先輩は驚いたようにこう口にした。
「何言うとるんじゃ佐藤。お前がモテん筈は無いじゃろうが!?」
概史もそれに乗っかる形でゲラゲラと笑い出す。
「そうっスよwwオレもいつもそう言ってるんスけどww」
絶対ウソっスよねwwwと概史は佑ニーサンに同意を求める。
なんなんだよコイツら。
俺に彼女が居ねぇことなんかお前らがいちばんよく知ってるじゃねぇか。
ん~?と佑ニーサンは俺の顔をマジマジと見る。
「て言うかさ~。鈴木君とガックンってなんか似てるよね~?」
同系統とか同類って感じするし~?と言う佑ニーサンの言葉に概史が乗っかるようにこう囃し立てた。
「確かにwwwてか、同類ってより兄弟みたいっスよねwww」
ええ!?
なんて事を言い出すんだ。
「いやいや、俺なんて……」
朝からすっかり気が弱っていた俺はどう答えたらいいか分からず、ただひたすらそれを否定する。
「こりゃ佐藤!」
赤信号で車が停まった瞬間、運転席の鈴木先輩が俺の頭をグシャグシャと撫でた。
「前からワシもそう思ようたトコじゃ!お前を見とると昔の自分そっくりじゃけぇ──────」
ええ!?
「鈴木先輩までそんな……」
鈴木先輩と俺が似てる?
昔の先輩と俺がそっくり!?
そんな馬鹿な。
「お前がモテるかどうかは知らんけどのぅ!そのうち絶対に彼女は出来るけぇ安心せぇ!」
何故か鈴木先輩は自信たっぷりに断言する。
「……なんでそんな事言い切れるんですか」
俺がそう言うと、鈴木先輩はガハハとまた笑った。
「ガックン先輩は自分で自分のこと分かってないんスよww」
横から概史も口を出す。
「ん~そうだねぇ~」
佑ニーサンも頷く。
「ガックン先輩、客観的に見てもイケメンっスよww気付いてないんスか」
は!?
何を言ってんだコイツら?
そもそもイケメンってのは御月とか岬京矢みたいな顔の綺麗なヤツの事だろ?
「いやいや、俺がイケメンな筈────────」
俺が首を振ると鈴木先輩がポンと俺の頭を叩く。
「さっきワシとお前は似とるゆうて言われたばっかりじゃろうが!?」
そこ、否定するんか!?と言われた俺は慌ててまたそれを撤回した。
「いや!違うんです!そうじゃなくて─────」
ワシと似とる言われるんは嫌か?と鈴木先輩に聞かれた俺は何故かドキリとしてしまう。
「ワシはお前の事を弟分くらいに思うとるがのう、佐藤」
弟!?
急に言われたからか、俺は少し混乱してしまう。
え?なにこれ?
どうしたんだよ鈴木先輩は?!
なにこれ、これからマルチか宗教に勧誘される?んな訳ないか。
「佐藤は付き合うとる女子はおらんのか?」
えっいやその、と俺は口籠る。
なんでまた俺にパス出してくんだよ!?
しかもメチャクチャ痛いとこを突かれたと来たもんだ。
「いや、俺って全然モテねぇし……」
女子にマジで縁が無くて、と俺は必死で平常心を装ってそう絞り出した。
なんでこんなこと聞いてくんだよ。
今日は朝から俺のメンタルは滅茶苦茶なんだ。
俺のライフはとっくにゼロなんだよ。
オーバーキルもいいとこじゃねぇか。
割と冗談抜きで俺が泣きそうになっていると──────鈴木先輩は驚いたようにこう口にした。
「何言うとるんじゃ佐藤。お前がモテん筈は無いじゃろうが!?」
概史もそれに乗っかる形でゲラゲラと笑い出す。
「そうっスよwwオレもいつもそう言ってるんスけどww」
絶対ウソっスよねwwwと概史は佑ニーサンに同意を求める。
なんなんだよコイツら。
俺に彼女が居ねぇことなんかお前らがいちばんよく知ってるじゃねぇか。
ん~?と佑ニーサンは俺の顔をマジマジと見る。
「て言うかさ~。鈴木君とガックンってなんか似てるよね~?」
同系統とか同類って感じするし~?と言う佑ニーサンの言葉に概史が乗っかるようにこう囃し立てた。
「確かにwwwてか、同類ってより兄弟みたいっスよねwww」
ええ!?
なんて事を言い出すんだ。
「いやいや、俺なんて……」
朝からすっかり気が弱っていた俺はどう答えたらいいか分からず、ただひたすらそれを否定する。
「こりゃ佐藤!」
赤信号で車が停まった瞬間、運転席の鈴木先輩が俺の頭をグシャグシャと撫でた。
「前からワシもそう思ようたトコじゃ!お前を見とると昔の自分そっくりじゃけぇ──────」
ええ!?
「鈴木先輩までそんな……」
鈴木先輩と俺が似てる?
昔の先輩と俺がそっくり!?
そんな馬鹿な。
「お前がモテるかどうかは知らんけどのぅ!そのうち絶対に彼女は出来るけぇ安心せぇ!」
何故か鈴木先輩は自信たっぷりに断言する。
「……なんでそんな事言い切れるんですか」
俺がそう言うと、鈴木先輩はガハハとまた笑った。
「ガックン先輩は自分で自分のこと分かってないんスよww」
横から概史も口を出す。
「ん~そうだねぇ~」
佑ニーサンも頷く。
「ガックン先輩、客観的に見てもイケメンっスよww気付いてないんスか」
は!?
何を言ってんだコイツら?
そもそもイケメンってのは御月とか岬京矢みたいな顔の綺麗なヤツの事だろ?
「いやいや、俺がイケメンな筈────────」
俺が首を振ると鈴木先輩がポンと俺の頭を叩く。
「さっきワシとお前は似とるゆうて言われたばっかりじゃろうが!?」
そこ、否定するんか!?と言われた俺は慌ててまたそれを撤回した。
「いや!違うんです!そうじゃなくて─────」
ワシと似とる言われるんは嫌か?と鈴木先輩に聞かれた俺は何故かドキリとしてしまう。
「ワシはお前の事を弟分くらいに思うとるがのう、佐藤」
弟!?
急に言われたからか、俺は少し混乱してしまう。
え?なにこれ?
どうしたんだよ鈴木先輩は?!
なにこれ、これからマルチか宗教に勧誘される?んな訳ないか。
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