[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

SPD

文字の大きさ
上 下
824 / 1,060
ep9

ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 ゆるやかオーバーキル

しおりを挟む
なんとなく沈んだ気持ちになってしまったが────────鈴木先輩の一言で我に返る。

「佐藤は付き合うとる女子はおらんのか?」

えっいやその、と俺は口籠る。

なんでまた俺にパス出してくんだよ!?

しかもメチャクチャ痛いとこを突かれたと来たもんだ。

「いや、俺って全然モテねぇし……」

女子にマジで縁が無くて、と俺は必死で平常心を装ってそう絞り出した。

なんでこんなこと聞いてくんだよ。

今日は朝から俺のメンタルは滅茶苦茶なんだ。

俺のライフはとっくにゼロなんだよ。

オーバーキルもいいとこじゃねぇか。

割と冗談抜きで俺が泣きそうになっていると──────鈴木先輩は驚いたようにこう口にした。

「何言うとるんじゃ佐藤。お前がモテん筈は無いじゃろうが!?」

概史もそれに乗っかる形でゲラゲラと笑い出す。

「そうっスよwwオレもいつもそう言ってるんスけどww」

絶対ウソっスよねwwwと概史は佑ニーサンに同意を求める。

なんなんだよコイツら。

俺に彼女が居ねぇことなんかお前らがいちばんよく知ってるじゃねぇか。

ん~?と佑ニーサンは俺の顔をマジマジと見る。

「て言うかさ~。鈴木君とガックンってなんか似てるよね~?」

同系統とか同類って感じするし~?と言う佑ニーサンの言葉に概史が乗っかるようにこう囃し立てた。

「確かにwwwてか、同類ってより兄弟みたいっスよねwww」

ええ!?

なんて事を言い出すんだ。

「いやいや、俺なんて……」

朝からすっかり気が弱っていた俺はどう答えたらいいか分からず、ただひたすらそれを否定する。

「こりゃ佐藤!」

赤信号で車が停まった瞬間、運転席の鈴木先輩が俺の頭をグシャグシャと撫でた。

「前からワシもそう思ようたトコじゃ!お前を見とると昔の自分そっくりじゃけぇ──────」

ええ!?

「鈴木先輩までそんな……」

鈴木先輩と俺が似てる?

昔の先輩と俺がそっくり!?

そんな馬鹿な。

「お前がモテるかどうかは知らんけどのぅ!そのうち絶対に彼女は出来るけぇ安心せぇ!」

何故か鈴木先輩は自信たっぷりに断言する。

「……なんでそんな事言い切れるんですか」

俺がそう言うと、鈴木先輩はガハハとまた笑った。

「ガックン先輩は自分で自分のこと分かってないんスよww」

横から概史も口を出す。

「ん~そうだねぇ~」

佑ニーサンも頷く。

「ガックン先輩、客観的に見てもイケメンっスよww気付いてないんスか」

は!?

何を言ってんだコイツら?

そもそもイケメンってのは御月とか岬京矢みたいな顔の綺麗なヤツの事だろ?

「いやいや、俺がイケメンな筈────────」

俺が首を振ると鈴木先輩がポンと俺の頭を叩く。

「さっきワシとお前は似とるゆうて言われたばっかりじゃろうが!?」

そこ、否定するんか!?と言われた俺は慌ててまたそれを撤回した。

「いや!違うんです!そうじゃなくて─────」

ワシと似とる言われるんは嫌か?と鈴木先輩に聞かれた俺は何故かドキリとしてしまう。

「ワシはお前の事を弟分くらいに思うとるがのう、佐藤」

弟!?

急に言われたからか、俺は少し混乱してしまう。

え?なにこれ?

どうしたんだよ鈴木先輩は?!












なにこれ、これからマルチか宗教に勧誘される?んな訳ないか。







しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

おねしょ合宿の秘密

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
おねしょが治らない10人の中高生の少女10人の治療合宿を通じての友情を描く

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

恥ずかしすぎる教室おねしょ

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
女子中学生の松本彩花(まつもと あやか)は授業中に居眠りしておねしょしてしまう そのことに混乱した彼女とフォローする友人のストーリー

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...