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ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 ニンギョヒメ
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俺は息を呑んだ。
は?
意味がわからない。
なんでコイツ死んでんだよ?
主人公だろ?
プリンセスなんだよな?
王子は?何やってんの?
なんで死なせてんの?
え?
これで終わり?
こんな事ってあるか?
「????」
俺があんまりにも間抜けな様子でポカンと口を開けていたからか───────撫子がフォローするかのようにこう言った。
「確かに……わたしが昔、読んだのはこうだった気がする」
王子様とは結ばれなくて、という撫子の言葉を遮って美鳥が悲鳴を上げた。
「そんな!どうして!?」
なんで死んじゃうの!?と美鳥は抗議するかのように叫ぶ。
まあ、無理はないよな。
急にそんなこと言われても俺だって意味わかんねぇし。
「まあまあww落ち着いてww」
概史がなんとか美鳥を宥めようと絵本のページを捲る。
「ほら、王子様は別の姫と結婚しちゃったから────」
美鳥が声にならない悲鳴を上げた。
てか、俺もそこビックリだわ。
王子なんなん?クズなんか?
「おとぎ話なんだろうけどさ。それにしてもなんかこう、救いなさ過ぎじゃね?」
王子って二股してたん?と俺が尋ねると撫子が首を振った。
「……違う。行き違いがあっただけ」
どういうことだよ、と俺が訊くと概史がまた絵本のページを遡って捲る。
「人魚姫が王子様を助けるとこまでは一緒なんスよ。けど、王子は別の女が自分を助けてくれたと思い込んでて」
で、別の姫の事を命の恩人だと誤解したまま結婚するんスよ、という概史の解説に美鳥が怒りをあらわにした。
「ウソばっかり!そんなの酷すぎるよ!!こんな人魚姫のお話、ニセモノじゃない!?」
そうだな、と俺も同意した。
「人魚姫は王子を助けたのに結果的に他の女に手柄も王子も取られてさ、そんで海に飛び込んで死ぬとか悪趣味が過ぎるだろ」
下世話なゴシップみたいなハナシじゃねぇか、と俺が言うと撫子が首を振った。
「……そうじゃない。こっちが本物」
本物って、と俺が聞き返すと概史が絵本の発行年月日を指し示した。
「ほらww見てくださいよここwwこれ、初版が1987年wwめっちゃ古いっスww骨董品www」
確かに、その本はとてつもなく昔に発行された物のようだった。
「……どういう事なんだ?」
俺がそう訊くと、概史がこう答えた。
「多分ww元のハナシはバッドエンドだったんじゃないスか?wwだから古い本はこのストーリーでwww」
最近の絵本ってクレーム対策?でストーリー改変とかあるらしいっスからwwという概史の言葉に撫子も相槌を打った。
「……それはそう。桃太郎の話も変えてある絵本があるし」
話を変える?と思わず俺が聞き返すと概史がゲラゲラと笑った。
「そういえばそうっスねwww桃太郎が鬼をフルボッコとかにしなくてwww鬼がやられる前に改心して宝とか人質解放してるんスよww」
マジウケるwww桃太郎キル数ゼロwwとツボって笑う概史を他所に──────俺は全く別の事を考えていた。
「じゃあさ。人魚姫はハッピーエンドの話って思ってたけどそれは近年改変されたもので────────」
本来はバッドエンドが正しいストーリーってことなのか、と俺が念押しするように尋ねると撫子が頷いた。
「……そう。王子様と結ばれなかった人魚姫は海の泡になって消えるの」
だとしたら。
俺はとんでもない勘違いをしていたのかもしれない。
───────────夢の中の小泉の表情を思い出した俺の心臓は何故かチクリと痛んだ。
は?
意味がわからない。
なんでコイツ死んでんだよ?
主人公だろ?
プリンセスなんだよな?
王子は?何やってんの?
なんで死なせてんの?
え?
これで終わり?
こんな事ってあるか?
「????」
俺があんまりにも間抜けな様子でポカンと口を開けていたからか───────撫子がフォローするかのようにこう言った。
「確かに……わたしが昔、読んだのはこうだった気がする」
王子様とは結ばれなくて、という撫子の言葉を遮って美鳥が悲鳴を上げた。
「そんな!どうして!?」
なんで死んじゃうの!?と美鳥は抗議するかのように叫ぶ。
まあ、無理はないよな。
急にそんなこと言われても俺だって意味わかんねぇし。
「まあまあww落ち着いてww」
概史がなんとか美鳥を宥めようと絵本のページを捲る。
「ほら、王子様は別の姫と結婚しちゃったから────」
美鳥が声にならない悲鳴を上げた。
てか、俺もそこビックリだわ。
王子なんなん?クズなんか?
「おとぎ話なんだろうけどさ。それにしてもなんかこう、救いなさ過ぎじゃね?」
王子って二股してたん?と俺が尋ねると撫子が首を振った。
「……違う。行き違いがあっただけ」
どういうことだよ、と俺が訊くと概史がまた絵本のページを遡って捲る。
「人魚姫が王子様を助けるとこまでは一緒なんスよ。けど、王子は別の女が自分を助けてくれたと思い込んでて」
で、別の姫の事を命の恩人だと誤解したまま結婚するんスよ、という概史の解説に美鳥が怒りをあらわにした。
「ウソばっかり!そんなの酷すぎるよ!!こんな人魚姫のお話、ニセモノじゃない!?」
そうだな、と俺も同意した。
「人魚姫は王子を助けたのに結果的に他の女に手柄も王子も取られてさ、そんで海に飛び込んで死ぬとか悪趣味が過ぎるだろ」
下世話なゴシップみたいなハナシじゃねぇか、と俺が言うと撫子が首を振った。
「……そうじゃない。こっちが本物」
本物って、と俺が聞き返すと概史が絵本の発行年月日を指し示した。
「ほらww見てくださいよここwwこれ、初版が1987年wwめっちゃ古いっスww骨董品www」
確かに、その本はとてつもなく昔に発行された物のようだった。
「……どういう事なんだ?」
俺がそう訊くと、概史がこう答えた。
「多分ww元のハナシはバッドエンドだったんじゃないスか?wwだから古い本はこのストーリーでwww」
最近の絵本ってクレーム対策?でストーリー改変とかあるらしいっスからwwという概史の言葉に撫子も相槌を打った。
「……それはそう。桃太郎の話も変えてある絵本があるし」
話を変える?と思わず俺が聞き返すと概史がゲラゲラと笑った。
「そういえばそうっスねwww桃太郎が鬼をフルボッコとかにしなくてwww鬼がやられる前に改心して宝とか人質解放してるんスよww」
マジウケるwww桃太郎キル数ゼロwwとツボって笑う概史を他所に──────俺は全く別の事を考えていた。
「じゃあさ。人魚姫はハッピーエンドの話って思ってたけどそれは近年改変されたもので────────」
本来はバッドエンドが正しいストーリーってことなのか、と俺が念押しするように尋ねると撫子が頷いた。
「……そう。王子様と結ばれなかった人魚姫は海の泡になって消えるの」
だとしたら。
俺はとんでもない勘違いをしていたのかもしれない。
───────────夢の中の小泉の表情を思い出した俺の心臓は何故かチクリと痛んだ。
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