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ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 確定された処刑とその方法

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「お前、なんでソイツの名前を────────!?」

俺がそう口にすると小柄な女子な勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「やっぱ、アイツのコト……ざこヤンキーのお兄さんも気になるんだね♡」

この奇妙極まりない女子の正体も気になるが────────まずは一條刻夜の情報を得ることが先だろう。

俺は慎重に口を開いた。

「お前は一條の知り合いなのか?」

それとも仲間なのか、と俺が尋ねると小柄な女子は見下したような醒めた表情を見せた。

「ハァ!?あんな役立たずがあたし達の仲間なワケないじゃん♡」

だが、この口ぶりからすると─────────やっぱり何か知ってるんじゃないか。

「あんなゴミはとっくに処分済みだから♡そこんとこはあたし達、抜かりないしね♡」

「……処分済み?」

不穏なキーワードに対し、俺は静かに聞き返す。

どういう意味だ?

「もうそろそろ効いてきてるんじゃないかなあ♡”アレ“の効果が出るのは40~72時間後って言うしね♡」

“アレ”って?“40~72時間後”ってなんだ?

どういう意味だろう。しかも、会話がなんか飛び飛びで要領を得ない気もする。

「おいおいおい、そっちから俺に話しかけて来たんだろ?しかも、俺のことを『雑魚』って言ったよなぁ?」

じゃあさ、『雑魚』の俺にもわかるように説明してくれよ。あと、名前も名乗れよな、と俺がやや挑発気味に返すと─────────意外にも向こうがそれに乗ってきた。

「あたしの名前は春崎(はるさき)小紅(こべに)だよ♡あたしのこと知っても結局何も出来ないでしょ♡ざこのお兄さん♡」

春崎か。どうやら偽名ではなさそうな気配はするな。

春崎は少し勝ち誇ったような視線で俺を見る。なんでそう自信に満ち溢れてるんだ。

「そうか。で、春崎。今日の要件はなんだ?俺は『雑魚』で頭が悪いからよ──────────3行くらいにまとめてもらわねぇと理解できないんだが?」

向こうも何らかの意図があって俺に接触してきたんだろう。

だとすれば。

上手くいけば向こうが想定していた以上の情報を引き出せるかもしれない。

俺は泣いていた上野の事を思い出した。

何か悩み事があって────────それで藁にも縋る思いで一條のカウンセリングを受けたって言ってたよな。

一條にも事情があったにせよ、そんな女子の弱みにつけ込むような商売やってるヤツなんて到底許す事なんて出来ねぇじゃねぇか。

ここはなんとしてでも俺が手掛かりになるヒントを手に入れなきゃなんねぇだろう。

例え下手(したて)に出ることになったとしても、だ。

俺がそう告げると春崎はまたケタケタと笑った。

「じゃあ、ざこヤンキーでアタマの悪いお兄さんにもわかるようにすごーく簡単に教えてあげるね♡」

春崎の言葉を聞いた俺は────────────思わず耳を疑った。










「一條刻夜は今日の夜に……死ぬよ♡」











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