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ep8
ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 厄介な核心
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どういう事だろう。
図書室?
そこで調べて今回の件の核心に迫るヒントを見つけたとでも言うのだろうか。
しかし。
佐々木はパソコンを持ってるじゃないか。
ネットじゃ見つからなかったものが学校の図書館で見つかるなんてあり得るのか?
俺はチラリと机の上を見る。
そこには、さっきまでは無かった本と何枚かの用紙が無造作に置かれていた。
小泉と佐々木は図書室で何を調べてたって言うんだ?
「ん?」
そこで俺はふと疑問にぶち当たる。
小泉と佐々木は今回の件では直接は話しては無いはずじゃなかったか?
なんで二人でタッグ組む感じになってる?
てか、よく考えたらこの二人が組んだら相当ヤバくないか?
またしても俺の背中に冷や汗がダラダラと流れる。
「……えっ……と、二人ともさ、なんで一緒に調べ物してたん──────?」
俺はなるべく平静を装いつつ質問する。
そうね、と佐々木が小さく頷きながら机の上をトントンと爪先で叩く。
「……二人とも同じ結論に辿り着いた───────ってトコかしら」
佐々木の言葉に小泉も頷く。
「まあ、そうだな。もっとも、こっちの場合はただ単に寄せられた情報があったってだけの話なんだが──────」
そうか。
情報量の違いか。
確かに佐々木の人脈と情報網も凄まじいものがあるが、所詮は素人の女子中学生だ。
他校との生徒の絡みとなると少し弱いだろう。
けど、藤川さんと小泉はどうだ?
複数の大学のメンバーから構成されたボランティア組織のメンバーだ。
QRコード入りのポケットティッシュを配布していた所を見ると、その範囲はなかなか広いんじゃないか?
SNSを使って匿名での情報を広くキャッチ出来るって点では───────今回の件に限って言えば小泉の方が有利な環境にあったと言えるだろう。
だが、それにも関わらず佐々木は全く同じタイミングで────────自力でそこに辿り着いたんだ。
それはやはり、佐々木の推理力や観察力の賜物と言っていいだろうな。
「じゃあさ、やっぱ佐々木って凄くね?自力で推理して全部解ったんだろ?」
それじゃもう事件て解決なんじゃね、と俺が言うと小泉と佐々木はお互いに顔を見合わせた。
なんだ、この妙に息の合ったリアクションは。
俺が怪訝そうな顔をしていたからか、小泉が口を開く。
「そうはいかなくてな─────────事態はより複雑で厄介な事になったかもしれない」
「厄介?」
俺が聞き返すと佐々木がそれに答えた。
「そうね。まずはどこから説明したらいいか──────────」
佐々木と小泉の表情はどこか重い。
─────────どういう事だ?核心に迫ったとしてもどうしようも無い事態になってるって意味なのか?
図書室?
そこで調べて今回の件の核心に迫るヒントを見つけたとでも言うのだろうか。
しかし。
佐々木はパソコンを持ってるじゃないか。
ネットじゃ見つからなかったものが学校の図書館で見つかるなんてあり得るのか?
俺はチラリと机の上を見る。
そこには、さっきまでは無かった本と何枚かの用紙が無造作に置かれていた。
小泉と佐々木は図書室で何を調べてたって言うんだ?
「ん?」
そこで俺はふと疑問にぶち当たる。
小泉と佐々木は今回の件では直接は話しては無いはずじゃなかったか?
なんで二人でタッグ組む感じになってる?
てか、よく考えたらこの二人が組んだら相当ヤバくないか?
またしても俺の背中に冷や汗がダラダラと流れる。
「……えっ……と、二人ともさ、なんで一緒に調べ物してたん──────?」
俺はなるべく平静を装いつつ質問する。
そうね、と佐々木が小さく頷きながら机の上をトントンと爪先で叩く。
「……二人とも同じ結論に辿り着いた───────ってトコかしら」
佐々木の言葉に小泉も頷く。
「まあ、そうだな。もっとも、こっちの場合はただ単に寄せられた情報があったってだけの話なんだが──────」
そうか。
情報量の違いか。
確かに佐々木の人脈と情報網も凄まじいものがあるが、所詮は素人の女子中学生だ。
他校との生徒の絡みとなると少し弱いだろう。
けど、藤川さんと小泉はどうだ?
複数の大学のメンバーから構成されたボランティア組織のメンバーだ。
QRコード入りのポケットティッシュを配布していた所を見ると、その範囲はなかなか広いんじゃないか?
SNSを使って匿名での情報を広くキャッチ出来るって点では───────今回の件に限って言えば小泉の方が有利な環境にあったと言えるだろう。
だが、それにも関わらず佐々木は全く同じタイミングで────────自力でそこに辿り着いたんだ。
それはやはり、佐々木の推理力や観察力の賜物と言っていいだろうな。
「じゃあさ、やっぱ佐々木って凄くね?自力で推理して全部解ったんだろ?」
それじゃもう事件て解決なんじゃね、と俺が言うと小泉と佐々木はお互いに顔を見合わせた。
なんだ、この妙に息の合ったリアクションは。
俺が怪訝そうな顔をしていたからか、小泉が口を開く。
「そうはいかなくてな─────────事態はより複雑で厄介な事になったかもしれない」
「厄介?」
俺が聞き返すと佐々木がそれに答えた。
「そうね。まずはどこから説明したらいいか──────────」
佐々木と小泉の表情はどこか重い。
─────────どういう事だ?核心に迫ったとしてもどうしようも無い事態になってるって意味なのか?
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