[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep8

ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』  天中殺

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俺は目を疑った。

「……は!?」

佐々木は全く表情を崩さず、黙ったまま俺を見下ろしている。

俺の思考はフリーズする。

頭の中は真っ白を通り越して真空のようになっていた。

「……あ!あの!……これは別にそういうんじゃなくて!!!」

俺も何を言っているのか自分でもわからない。

佐々木は椅子に座り、無表情で俺を見ている。

「……えっと!!!俺にはそういう意図なんか何もなくて!!」

ホントなんだ、と俺がパニック気味に言うと佐々木は小さく首を振った。

「……私、まだ何も言ってないけど?」

しまった。

佐々木に全部知られてるって訳じゃないのに───────俺は何を言ってるんだろう。

「……あの、ホントに───────」

俺の言葉を遮って佐々木はこう切り出した。

「────さっきの“現物”はコレね?」

佐々木の手の上に、宝石を載せたハンカチがある。

え!?いつの間に!?

てか、それより───────さっきのやり取りの一部始終を佐々木に聞かれてた!?

俺が口をパクパクとさせているのを見てか、佐々木は少し意地悪そうな笑みを浮かべた。

「まあ、そんな真っ青な顔して……よっぽど気疲れしたのかしら?」

俺は頭を抱えた。

なんだコレは。

どういう状況だよ。

「……あのさ、佐々木。もしかして────────全部聞いたのか?」

意を決して俺は口を開く。

背中にダラダラと冷や汗が流れていくのを感じた。

こうなったらもうどうしようもねぇだろ。

相手は佐々木なんだ。まともにやり合って俺に勝ち目は無ぇ。

さあ、どうかしらね、と佐々木は掌の上の宝石に視線を落としながらはぐらかす。

「どうかしらね、ってどいういう意味だよ……」

俺が脱力気味にこぼすと佐々木は余裕ありげにこう答えた。

「その聞き方じゃ[どこからが最初か]っていうのが判んないでしょう?」

どういう意味だよ、と俺がもう一度聞き返すと佐々木は俺の顔を見た。

「さあ、私にはどういう流れかは分からないけど─────────貴方達の話し声は廊下でも聞こえたから」

「!?」

思わず俺はビクリとする。

廊下!?

さっきのやりとりが─────────廊下まで洩れてたのか!?

俺の身体の血の気が引いていくのをリアルタイムで実感した。

「まあ、心配しなくても───────私だけじゃ無いから安心して」

佐々木のその言葉とともに保健室のドアが開き、入ってきた人物を見た俺は卒倒しそうになった。

「───佐藤、お前な……」

「!?」

突然保健室に現れたのは───────小泉だった。











てか、小泉と佐々木にさっきのやりとりを聞かれてたってこと!?厄日なのか今日は!?








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