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ep8

ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 拷問と罰ゲーム

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おいおいおいおい。冗談だろ?

カーテンの向こうの二人が密着したシルエットが透けて見える。

ベッドが軋む音、息を呑む音が静かな室内に響く。

嘘だろ?

「センパイ、私……」

何かを言いかけた女子の言葉を遮るように佐々木の声が聞こえてくる。

「大丈夫よ。何も怖くないから……ね?」

衣摺れのような音と共に二人が動く気配がする。

マジか?どうなってんの?てか、二人ともナニしてんだよ!?

「……ちょっ!!その……!これくらい自分で脱ぎますから……!!」

悲鳴のような声と共に二人が揉み合っているかのような気配がする。

「……っ!!」

何かが落ちた気配がする。

カーテンの隙間からチラリと見えたそれは────────薄ピンク色のショーツだった。

……!????

え!??は!??なんでパンツ落ちてんの!??床に!???

は!???

マジで何やってんだよ佐々木!??

俺の脳内はパニックになる。

確かに『保健室はダンジョン内の回復スポット』って思ってたけどさ、ガチで宿屋になってるとは思わねぇじゃん!?

佐々木のことだ。悪質極まりないドッキリに違いない。

純情な童貞の俺を揶揄ってやがるんだ。ひでぇ事しやがるな。

いや、マジでこれ、脱ぎたてのパンツが床に落ちてんの!?

ドッキリにしちゃ手が込みすぎている。

俺は息を殺し、身動き一つ取れずに固まったままで様子を窺った。

どうする?

今から保健室を出るなんて出来ねぇし─────────

俺の混乱を他所に、カーテンの向こうの二人の行為はエスカレートしていく。

「……センパイ……っ!……やっぱり私─────ちょっと怖いです………!」

今にも泣きそうな声で訴える女子。

「……心配しないで。……絶対に痛くしないわ。約束する」

ややパニック状態になっているようなもう一人の女子とは対照的に佐々木の声は落ち着いている。

てか、なんなんだ!?佐々木はこういうのに対して手慣れてるのか!?

え!?保健室を占拠してるのってそういう────────

背中に冷や汗が滝のように流れる。

「……ひっ!?……あ!?」

佐々木の指か手がどこかに触れたのか、もう一人の女子は反射的な反応のような悲鳴を上げる。

「……急だとビックリするわよね。……痛くないようにちょっとずつ慣らしていくから───────」

待って!!マジで!!何を慣らすの!?え!?

荒い息遣いと共に粘り気を帯びた水音が室内に響く。

「……んっ!!……あ……ああっ!!」

最初こそやや逃げ腰だったかのようなもう一人の女子───────『センパイ』という言葉から一年だと思われるが─────の声が艶っぽくなっていく気配が感じ取れた。

俺の心臓は急激に跳ねて爆発しそうになる。

佐々木!?ホントに何してんの!?

「……ふふ……そう。全身の力を抜いて……私に身を任せて……いいわ。上手ね」

後輩と思われる女子の声にならない声と吐息が室内に響く。

「~っ!」

一方で佐々木が余裕あり気なのも気になる。マジでどうなってんの!?

ガチで隣でなんかヤッてんじゃん!?

佐々木はともかく、後輩の女子の反応が演技だとは到底思えない。

演技で出せるような声ではない本気の嬌声がおれの脳天に直撃する。

俺の心臓が爆発四散しそうだ。

何これ、マジで俺への罰ゲームなの?今の俺の状況って拷問じゃん。

どゆこと!??え!?

そもそもさ、どう考えても俺って邪魔じゃね?

『百合に挟まる男は死刑』って佑ニーサンが以前に言ってた気がするが───────








待って、俺ってこの後死刑になんの!?
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