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ep8
ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 マッシュアップ・ブラッシュアップ
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それから少しの間、俺と藤川さん、小泉の3人でアイデアを纏める。
「そういえば……生理用品の設置っていうのは何処に置くんですか?トイレットペーパーの予備みたいに個室に置くんです?」
何気なく俺が疑問を口にすると藤川さんが答える。
「出来ればそうしたいんだけど───────近隣の全校の全女子トイレともなると予算が捻出できなくって」
今の所は手洗い場にカゴを置いてそこに設置するスタイルになっているの、という言葉にすかさず小泉が反応する。
「それも何か不便だな。トイレの個室に入ってパンツを下ろしてから生理が来てることに気付くこともあるだろうし……あ」
小泉はしまったという風に口を慌てて押さえる。
なんとなく俺も気まずくなって思わず視線を逸らす。
「ま、まあともかく……個室にあった方が使い勝手がいいのは確実なんだけどね」
藤川さんも慌ててフォローするかのように言葉を続けた。
生理の話題か。
よく考えたらなんで男の俺が会話に参加してんだよ。
それに小泉も小泉だ。なんで普通に喋ってんだよ。俺に聞かせていい話なのか?
いや、そもそも俺と小泉の間で生理が恥ずかしいとか今更じゃねえか。
俺達、今までさんざん色んなことしてきただろ?
こっちが童貞捨てる過程とかソロプレイの有無まで全部知られてるワケだし。
じゃあさ、お互い様みたいな感じじゃね?
───────そこまで考えてふと、昨日の光景が脳裏によぎる。
お互いに全部、何もかもを曝け出して一つになって────────
いやいやいや……
あれは夢だ。夢なんだよ。
俺は首を振った。
俺がぼんやりと考え事をしている間、小泉と藤川さんのトークは進行していた。
「……それに手洗い場に置くとなると、他の生徒に“自分がそれを使っている”と知られてしまう訳だろう?」
そこから揶揄いやイジメに繋がったりしなければいいが、と小泉は懸念を示す。
そうですね、と藤川さんもそれに同意する。
「小学校中学年~高学年くらいの女子だとまだ生理が来てない子ともう来てる子と半々くらいでしょうし……『あの子はもう生理が来てる』『家が貧乏でナプキン買えないんだ』みたいに揶揄いの対象になるってケースもあるかもしれないですね」
なるほどな。女子トイレの中だと外部から分かりにくいイジメや陰口が発生するって可能性もあるのか。
「じゃあますます個室に置いた方が良くね?人の目を気にせずに使えるし緊急時にもサッと手に取れるだろ?」
俺がそう言うと藤川さんは首をすくめる。
「私達も当初、それを考えてたんだけど───────近隣の小中学校全部の女子トイレの個室に棚を取り付けるには莫大な工事費用が掛かるの」
流石に提携企業のドラッグストアも膨大な工事費用は出せないでしょ、と藤川さんはため息をついた。
なるほど、棚を作るのに金が掛かるのか。
「あ、じゃあさ、さっき言ったみたいにさ。それも生徒がやったら良くね?美術部とか」
「……!?」
またしても小泉と藤川さんが顔を見合わせる。
「小学校の時の図工の時間にさ、木材で飾り棚みたいなの作ったコトあるんだけど。そういうのも学校の委員会や部活で作れねぇか?」
学校だと道具とかも揃ってるだろ、と俺が言うと小泉がポンと手を叩く。
「……その手があったか!」
ちょっと待ってろ、と言うと小泉は棚から分厚いカタログらしきものを引っ張り出してきた。
[美術科・技術科・教材カタログ 〇〇画材]と表紙にある。
「確かに……木材加工なら技術科、トールペイントや彫刻なんかだと美術科の範疇だな」
小泉がカタログを広げ、俺と藤川さんはそれを覗き込んだ。
[木材加工の基礎を学習しよう!]と書かれたページには幾つかの木製のラックの写真が大きく載っている。
「そうね。確かに──────木材で家具を組み立てるのだと技術、色を塗ったり装飾を施すっていうなら美術って感じだわ」
藤川さんも目から鱗と言った風に感心しながらカタログを眺める。
「生徒が部活とか委員会の活動で作って取り付けまでやったら人件費や工賃はタダじゃね?イケるじゃん」
俺がそう言うと小泉はそうだな、と大いに同意した。
「しかし、工賃は無料としても──────肝心の木材の購入はどうするんだ?」
カタログで見る限り、原材料費だけでも結構掛かるぞ?と小泉は唸る。
「うーん。地元企業のドラッグストアがナプキンを現物支給してくれるんならさ、地元の材木屋とかが切れっ端の木材とかタダでくれねぇかな?」
ほら、パン屋でもさ、『パンの耳、ご自由にお取りください』みたいに配ってるトコもあんだろ、と俺が言うと小泉と藤川さんはポカンとした表情を浮かべた。
「──────!!」
「材木ってもさ、柱とかになりそうな大きい木材は高いけど……切れっ端みたいなやつだとそうでもないんじゃねぇの?」
藤川さんが息を呑むのが伝わってきた。え?そんなにビックリするような事か?
「佐藤……!お前ってヤツは─────!!勉強以外の所だと知恵が回るんだな!?」
小泉が誉めてるんだか誉めてないんだかよく分からん様子で俺を見つめる。
「確かに、学生時代に学祭の準備で材木屋に幾つかのベニヤ板や木材を買いに行ったことがあるが……切れっ端みたいな小さな木材や端材は『ご自由にお取りください』って敷地内の道路側に置かれていたのを見た気がする」
藤川さんも興奮した様子で俺達の会話をノートに次々と書き留めていく。
「凄いわ佐藤くん!!工夫すればお金や予算なんて使わなくても──────人助けやボランティア活動って出来るのね!!」
「そういえば……生理用品の設置っていうのは何処に置くんですか?トイレットペーパーの予備みたいに個室に置くんです?」
何気なく俺が疑問を口にすると藤川さんが答える。
「出来ればそうしたいんだけど───────近隣の全校の全女子トイレともなると予算が捻出できなくって」
今の所は手洗い場にカゴを置いてそこに設置するスタイルになっているの、という言葉にすかさず小泉が反応する。
「それも何か不便だな。トイレの個室に入ってパンツを下ろしてから生理が来てることに気付くこともあるだろうし……あ」
小泉はしまったという風に口を慌てて押さえる。
なんとなく俺も気まずくなって思わず視線を逸らす。
「ま、まあともかく……個室にあった方が使い勝手がいいのは確実なんだけどね」
藤川さんも慌ててフォローするかのように言葉を続けた。
生理の話題か。
よく考えたらなんで男の俺が会話に参加してんだよ。
それに小泉も小泉だ。なんで普通に喋ってんだよ。俺に聞かせていい話なのか?
いや、そもそも俺と小泉の間で生理が恥ずかしいとか今更じゃねえか。
俺達、今までさんざん色んなことしてきただろ?
こっちが童貞捨てる過程とかソロプレイの有無まで全部知られてるワケだし。
じゃあさ、お互い様みたいな感じじゃね?
───────そこまで考えてふと、昨日の光景が脳裏によぎる。
お互いに全部、何もかもを曝け出して一つになって────────
いやいやいや……
あれは夢だ。夢なんだよ。
俺は首を振った。
俺がぼんやりと考え事をしている間、小泉と藤川さんのトークは進行していた。
「……それに手洗い場に置くとなると、他の生徒に“自分がそれを使っている”と知られてしまう訳だろう?」
そこから揶揄いやイジメに繋がったりしなければいいが、と小泉は懸念を示す。
そうですね、と藤川さんもそれに同意する。
「小学校中学年~高学年くらいの女子だとまだ生理が来てない子ともう来てる子と半々くらいでしょうし……『あの子はもう生理が来てる』『家が貧乏でナプキン買えないんだ』みたいに揶揄いの対象になるってケースもあるかもしれないですね」
なるほどな。女子トイレの中だと外部から分かりにくいイジメや陰口が発生するって可能性もあるのか。
「じゃあますます個室に置いた方が良くね?人の目を気にせずに使えるし緊急時にもサッと手に取れるだろ?」
俺がそう言うと藤川さんは首をすくめる。
「私達も当初、それを考えてたんだけど───────近隣の小中学校全部の女子トイレの個室に棚を取り付けるには莫大な工事費用が掛かるの」
流石に提携企業のドラッグストアも膨大な工事費用は出せないでしょ、と藤川さんはため息をついた。
なるほど、棚を作るのに金が掛かるのか。
「あ、じゃあさ、さっき言ったみたいにさ。それも生徒がやったら良くね?美術部とか」
「……!?」
またしても小泉と藤川さんが顔を見合わせる。
「小学校の時の図工の時間にさ、木材で飾り棚みたいなの作ったコトあるんだけど。そういうのも学校の委員会や部活で作れねぇか?」
学校だと道具とかも揃ってるだろ、と俺が言うと小泉がポンと手を叩く。
「……その手があったか!」
ちょっと待ってろ、と言うと小泉は棚から分厚いカタログらしきものを引っ張り出してきた。
[美術科・技術科・教材カタログ 〇〇画材]と表紙にある。
「確かに……木材加工なら技術科、トールペイントや彫刻なんかだと美術科の範疇だな」
小泉がカタログを広げ、俺と藤川さんはそれを覗き込んだ。
[木材加工の基礎を学習しよう!]と書かれたページには幾つかの木製のラックの写真が大きく載っている。
「そうね。確かに──────木材で家具を組み立てるのだと技術、色を塗ったり装飾を施すっていうなら美術って感じだわ」
藤川さんも目から鱗と言った風に感心しながらカタログを眺める。
「生徒が部活とか委員会の活動で作って取り付けまでやったら人件費や工賃はタダじゃね?イケるじゃん」
俺がそう言うと小泉はそうだな、と大いに同意した。
「しかし、工賃は無料としても──────肝心の木材の購入はどうするんだ?」
カタログで見る限り、原材料費だけでも結構掛かるぞ?と小泉は唸る。
「うーん。地元企業のドラッグストアがナプキンを現物支給してくれるんならさ、地元の材木屋とかが切れっ端の木材とかタダでくれねぇかな?」
ほら、パン屋でもさ、『パンの耳、ご自由にお取りください』みたいに配ってるトコもあんだろ、と俺が言うと小泉と藤川さんはポカンとした表情を浮かべた。
「──────!!」
「材木ってもさ、柱とかになりそうな大きい木材は高いけど……切れっ端みたいなやつだとそうでもないんじゃねぇの?」
藤川さんが息を呑むのが伝わってきた。え?そんなにビックリするような事か?
「佐藤……!お前ってヤツは─────!!勉強以外の所だと知恵が回るんだな!?」
小泉が誉めてるんだか誉めてないんだかよく分からん様子で俺を見つめる。
「確かに、学生時代に学祭の準備で材木屋に幾つかのベニヤ板や木材を買いに行ったことがあるが……切れっ端みたいな小さな木材や端材は『ご自由にお取りください』って敷地内の道路側に置かれていたのを見た気がする」
藤川さんも興奮した様子で俺達の会話をノートに次々と書き留めていく。
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