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ep7.
ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 秋祭り開催RTA⑧
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「それって……?」
思わず俺が聞き返すと御月は頷いた。
「すまない、勝手にこういう事をするのは良くないとは思ってたんだが────────」
どうやら一連の経緯を諸星キクコに伝えた所、最終的にマコトの父親の耳にも入ってしまったという突拍子もない話に────────俺の頭はついていかなかった。
「???」
なんでそれでマコトが祭りに来れることになったんだ?と訊ねると予想外の答えが返ってきた。
「なんでも、キクコの父親と雪城マコトの父親が高校時代の同級生らしくて……」
「同級生?」
ああ、そうらしい、と御月は再び頷く。
「親友ってほどでもないが、たまの同窓会ではよく盛り上がったりするような間柄だったそうだ」
けど、親同士が同級生ってだけでそんな簡単に外出許可が出るのか?
マコトの素行の悪さから全寮制の学校に転校って形になったのに?
俺の表情からそれを察したんだろうか。御月はこう続けた。
「まあ、どちらかというと──────花園リセの名前を出した事が決定打になったんだろうってキクコは言ってたんだが」
勝手に済まない、と詫びてくる御月に対し、俺はブンブンと首を振った。
「いや、とんでもねぇよ。マジで助かったわ。ありがとな、御月」
それにしても、と俺は腑に落ちない点を挙げてみる。
「なんで花園リセの名前を出すとマコトの父親の態度が軟化したんだ?」
ああ、それは、と御月が再び口を開く。
「キクコの通ってる学校のOGでもあるからな。地元の有力者でもあり、後輩にも絶大な影響力が未だにある花園リセが主催する祭りともなれば──────寧ろ不参加の選択肢の方があり得んだろうし」
なるほど。
諸星キクコか御月かどっちかわかんねぇが──────機転を利かせて花園リセが主催ってテイで話してくれたんだな。
結果として、マコトの参加が逆転決定したんだからこれ以上ないファインプレーじゃねぇか。
「まあ、手伝いを花園リセにも頼んでるからな。一応、主催側っていうのでもあながち間違いじゃねぇし」
俺と御月が話し込んでいると、ドタバタという賑やかな音と共にドッペルゲンガー親子が部屋に戻ってきた。
「よーし!今日はちゃんと『おしっこ』って言えたなぁ?偉かったぞォ?」
失敗もしなかったしなぁ、と感慨深げにドッペルゲンガーは布団を眺め、息子の頭を撫でた。
「ん?たまにおねしょとかあるのか?」
俺が何気なく訊くとドッペルゲンガーはまあな、とだけ答えた。
「夜用オムツでもたまに横モレしてたりするしな。トイレトレとかはしてんだけど───────」
余所んちで泊まらせて貰って失敗したらどうしようかと思ってたけどな、と小さく呟いたドッペルゲンガーの横顔はどこか誇らしげに思えた。
「そっか。なかなか苦労してんだな、兄貴も──────」
身支度を済ませ、朝食を取った俺達は学校と保育園にそれぞれ向かった。
────────祭り開催まであと12時間を切ってるが、果たして上手く開催に漕ぎ着けられるんだろうか。
思わず俺が聞き返すと御月は頷いた。
「すまない、勝手にこういう事をするのは良くないとは思ってたんだが────────」
どうやら一連の経緯を諸星キクコに伝えた所、最終的にマコトの父親の耳にも入ってしまったという突拍子もない話に────────俺の頭はついていかなかった。
「???」
なんでそれでマコトが祭りに来れることになったんだ?と訊ねると予想外の答えが返ってきた。
「なんでも、キクコの父親と雪城マコトの父親が高校時代の同級生らしくて……」
「同級生?」
ああ、そうらしい、と御月は再び頷く。
「親友ってほどでもないが、たまの同窓会ではよく盛り上がったりするような間柄だったそうだ」
けど、親同士が同級生ってだけでそんな簡単に外出許可が出るのか?
マコトの素行の悪さから全寮制の学校に転校って形になったのに?
俺の表情からそれを察したんだろうか。御月はこう続けた。
「まあ、どちらかというと──────花園リセの名前を出した事が決定打になったんだろうってキクコは言ってたんだが」
勝手に済まない、と詫びてくる御月に対し、俺はブンブンと首を振った。
「いや、とんでもねぇよ。マジで助かったわ。ありがとな、御月」
それにしても、と俺は腑に落ちない点を挙げてみる。
「なんで花園リセの名前を出すとマコトの父親の態度が軟化したんだ?」
ああ、それは、と御月が再び口を開く。
「キクコの通ってる学校のOGでもあるからな。地元の有力者でもあり、後輩にも絶大な影響力が未だにある花園リセが主催する祭りともなれば──────寧ろ不参加の選択肢の方があり得んだろうし」
なるほど。
諸星キクコか御月かどっちかわかんねぇが──────機転を利かせて花園リセが主催ってテイで話してくれたんだな。
結果として、マコトの参加が逆転決定したんだからこれ以上ないファインプレーじゃねぇか。
「まあ、手伝いを花園リセにも頼んでるからな。一応、主催側っていうのでもあながち間違いじゃねぇし」
俺と御月が話し込んでいると、ドタバタという賑やかな音と共にドッペルゲンガー親子が部屋に戻ってきた。
「よーし!今日はちゃんと『おしっこ』って言えたなぁ?偉かったぞォ?」
失敗もしなかったしなぁ、と感慨深げにドッペルゲンガーは布団を眺め、息子の頭を撫でた。
「ん?たまにおねしょとかあるのか?」
俺が何気なく訊くとドッペルゲンガーはまあな、とだけ答えた。
「夜用オムツでもたまに横モレしてたりするしな。トイレトレとかはしてんだけど───────」
余所んちで泊まらせて貰って失敗したらどうしようかと思ってたけどな、と小さく呟いたドッペルゲンガーの横顔はどこか誇らしげに思えた。
「そっか。なかなか苦労してんだな、兄貴も──────」
身支度を済ませ、朝食を取った俺達は学校と保育園にそれぞれ向かった。
────────祭り開催まであと12時間を切ってるが、果たして上手く開催に漕ぎ着けられるんだろうか。
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