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ep7.
ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 まあまあ無理目な難題
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放課後。
俺と佐藤次郎(仮)は美術準備室に立ち寄っていた。
御月との待ち合わせにはまだ少し時間があったからだ。
「……は!?飲み会だと?」
俺の話を聞いた小泉は怪訝そうな表情でこちらを見る。
「なんかよォ、コイツが大袈裟にしてるだけなんじゃねぇのかァ!?」
それってそんなに大事なことかよォ!?とドッペルゲンガーは首を傾げる。
「コイツがセンセェんとこの神社で飲み会してて急に世界線を転移したってのはさ───────」
なんかやっぱ意味があるんじゃねぇのか、と俺が言うと小泉は唸った。
「まあ、そう言われるとそうかもしれんが……」
「俺が時間を戻ってくる時にさ、センセェいっつも謎の儀式やってるじゃん?」
あの時も酒だかお神酒を毎回飲まされるじゃんか、と俺が言うと小泉は頷いた。
「“神社の敷地内で酒を飲む”という行為そのものに何か意味があると……そう言いたいのか?」
そうだ、と俺は答える。
「コイツの話だとさ、なんか謎のメンツで飲み会やってたらしいんだけど───────」
ふむ、と小泉は少し考えこむような仕草を見せた。
「もしかしたら……試してみる価値はあるかもしれんな」
「なんだよォ?試してみるってのは───」
佐藤次郎(仮)が小泉の言葉に反応する。
「これは提案なんだが……向こうの世界で“世界線の移動”が起こった時の状況をこちらの世界で再現してみるっていうのはどうだ?」
「え!?」
俺は思わず身構えた。
小泉の言っていることはまあわかるんだが───────それは難易度がとんでもなく高いように思えた。
「なあ兄貴。その時、飲み会に集まってたメンバーってのをもう一回確認してもいいか?」
「ん?ああ、それなら──────」
この佐藤次郎(仮)ことドッペルゲンガーの他に、飲み会の主役でもある佑ニーサン、それから佑ニーサンの従姉妹でもある由江さん、会場である神社を提供する小泉、それからシンジ。シンジの同級生の天宮烈奈。それに概史。御月レイジとその彼女の諸星キクコ。どういう繋がりなのか不明だが花園リセと雪城マコト。あと、不可解なのが夢野くるみと岬京矢だ。
全くもって選考基準のわからない謎のメンバー13人。
「このメンバーを招集しろって言うのか?無理じゃね?」
俺がそう言うと小泉は腕組みをしてこう答えた。
「しかしだな。やってみないことには始まらんだろう。第一、雪城マコトが帰省している千載一遇のチャンスでもある」
俺と佐藤次郎(仮)は美術準備室に立ち寄っていた。
御月との待ち合わせにはまだ少し時間があったからだ。
「……は!?飲み会だと?」
俺の話を聞いた小泉は怪訝そうな表情でこちらを見る。
「なんかよォ、コイツが大袈裟にしてるだけなんじゃねぇのかァ!?」
それってそんなに大事なことかよォ!?とドッペルゲンガーは首を傾げる。
「コイツがセンセェんとこの神社で飲み会してて急に世界線を転移したってのはさ───────」
なんかやっぱ意味があるんじゃねぇのか、と俺が言うと小泉は唸った。
「まあ、そう言われるとそうかもしれんが……」
「俺が時間を戻ってくる時にさ、センセェいっつも謎の儀式やってるじゃん?」
あの時も酒だかお神酒を毎回飲まされるじゃんか、と俺が言うと小泉は頷いた。
「“神社の敷地内で酒を飲む”という行為そのものに何か意味があると……そう言いたいのか?」
そうだ、と俺は答える。
「コイツの話だとさ、なんか謎のメンツで飲み会やってたらしいんだけど───────」
ふむ、と小泉は少し考えこむような仕草を見せた。
「もしかしたら……試してみる価値はあるかもしれんな」
「なんだよォ?試してみるってのは───」
佐藤次郎(仮)が小泉の言葉に反応する。
「これは提案なんだが……向こうの世界で“世界線の移動”が起こった時の状況をこちらの世界で再現してみるっていうのはどうだ?」
「え!?」
俺は思わず身構えた。
小泉の言っていることはまあわかるんだが───────それは難易度がとんでもなく高いように思えた。
「なあ兄貴。その時、飲み会に集まってたメンバーってのをもう一回確認してもいいか?」
「ん?ああ、それなら──────」
この佐藤次郎(仮)ことドッペルゲンガーの他に、飲み会の主役でもある佑ニーサン、それから佑ニーサンの従姉妹でもある由江さん、会場である神社を提供する小泉、それからシンジ。シンジの同級生の天宮烈奈。それに概史。御月レイジとその彼女の諸星キクコ。どういう繋がりなのか不明だが花園リセと雪城マコト。あと、不可解なのが夢野くるみと岬京矢だ。
全くもって選考基準のわからない謎のメンバー13人。
「このメンバーを招集しろって言うのか?無理じゃね?」
俺がそう言うと小泉は腕組みをしてこう答えた。
「しかしだな。やってみないことには始まらんだろう。第一、雪城マコトが帰省している千載一遇のチャンスでもある」
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