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ep7.
ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 テキーラとミロの定例集会
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飲み会……!?
ピンと来ない概念だ。
その上、挙げられたメンツがもうわからない。
「……飲み会って──────全員がアルコールを?」
小泉が眉をひそめる。
「いや……酒飲んでんのって基本は俺とオッサンだけだな」
ドッペルゲンガーは肩をすくめた。
「ま、他の連中はジュースとかミロだな。たまにリセが手作りのドリンクとか持って来てるなぁ」
てか、鏡花もたまに酒飲んでんじゃん、というドッペルゲンガーの言葉に小泉はビビり散らす。
「……えぇ!?飲酒……!?向こうの世界の私って─────一体どんな人物なんだ?!」
うーん、とドッペルゲンガーはまたポリポリと後頭部を掻く。
「俺、あんま絡みねぇからよく知らねぇし……やっぱどうしてもシンジとワンセットのイメージが強いっていうか」
ん?向こうの世界の小泉とこっちの世界の小泉ってやっぱちょっと違うのか?
「こっちのセンセェはすっげぇ限界オタクの腐女子な上に救いようのないソシャゲ廃人で──────オマケに家事が一切できねぇ汚部屋の主なんだけど」
そこまで言ったところで俺は小泉に思いっきりブン殴られる。
「な!?ちょっと言い過ぎじゃないか!?確かに若干そうかもしれんが……そこまで酷くないぞ!?」
「……痛ってぇなぁ!?」
俺が頭をさすりながら顔を上げると、ドッペルゲンガーがポカンとした様子でこちらを見ていた。
「なんでジロジロ見てんだよ?」
俺がそう言うと、ドッペルゲンガーは苦笑いを浮かべながらこう言った。
「……いや、悪ぃ。そういうんじゃねぇんだけどさ。お前ら仲良いんだなって」
『は?』
俺と小泉はほぼ同時に声を上げる。
「俺、鏡花がどんなヤツかなんて知らんしさ。でもお前めっちゃ詳しいじゃねぇか」
やっぱ俺の居たトコとこっちってゼンゼン違うのな、とドッペルゲンガーは感心したように呟いた。
ふむ、と小泉が頷く。
「この子どもの件もあるし──────やはり、並行世界(?)とこちらは全く干渉しない別の次元、別の人間である可能性が高いのではないだろうか」
「つまり、俺とコイツは見た目や名前こそ一緒だけど、ほぼ別の人格、別の人間って意味か?」
俺がそう尋ねると、ドッペルゲンガーは腑に落ちた、と言わんばかりに頷く。
「まあそうだろうな。だって俺、どっちかっつぅと鏡花のこと苦手だし」
お前ら一緒に居るってことは苦じゃねぇっていうか、憎からず思ってるってことじゃねぇの、とドッペルゲンガーはどこか揶揄うように言った。
「いや、そういうんじゃねぇよ。これには事情があって───────」
俺はドッペルゲンガーに呪いの件を説明した。
全部聞き終わったドッペルゲンガーはドン引きしたような表情でこう呟いた。
「呪いとかガチでヤベェな。俺、こっちの世界の住人でマジで助かったぜ」
ピンと来ない概念だ。
その上、挙げられたメンツがもうわからない。
「……飲み会って──────全員がアルコールを?」
小泉が眉をひそめる。
「いや……酒飲んでんのって基本は俺とオッサンだけだな」
ドッペルゲンガーは肩をすくめた。
「ま、他の連中はジュースとかミロだな。たまにリセが手作りのドリンクとか持って来てるなぁ」
てか、鏡花もたまに酒飲んでんじゃん、というドッペルゲンガーの言葉に小泉はビビり散らす。
「……えぇ!?飲酒……!?向こうの世界の私って─────一体どんな人物なんだ?!」
うーん、とドッペルゲンガーはまたポリポリと後頭部を掻く。
「俺、あんま絡みねぇからよく知らねぇし……やっぱどうしてもシンジとワンセットのイメージが強いっていうか」
ん?向こうの世界の小泉とこっちの世界の小泉ってやっぱちょっと違うのか?
「こっちのセンセェはすっげぇ限界オタクの腐女子な上に救いようのないソシャゲ廃人で──────オマケに家事が一切できねぇ汚部屋の主なんだけど」
そこまで言ったところで俺は小泉に思いっきりブン殴られる。
「な!?ちょっと言い過ぎじゃないか!?確かに若干そうかもしれんが……そこまで酷くないぞ!?」
「……痛ってぇなぁ!?」
俺が頭をさすりながら顔を上げると、ドッペルゲンガーがポカンとした様子でこちらを見ていた。
「なんでジロジロ見てんだよ?」
俺がそう言うと、ドッペルゲンガーは苦笑いを浮かべながらこう言った。
「……いや、悪ぃ。そういうんじゃねぇんだけどさ。お前ら仲良いんだなって」
『は?』
俺と小泉はほぼ同時に声を上げる。
「俺、鏡花がどんなヤツかなんて知らんしさ。でもお前めっちゃ詳しいじゃねぇか」
やっぱ俺の居たトコとこっちってゼンゼン違うのな、とドッペルゲンガーは感心したように呟いた。
ふむ、と小泉が頷く。
「この子どもの件もあるし──────やはり、並行世界(?)とこちらは全く干渉しない別の次元、別の人間である可能性が高いのではないだろうか」
「つまり、俺とコイツは見た目や名前こそ一緒だけど、ほぼ別の人格、別の人間って意味か?」
俺がそう尋ねると、ドッペルゲンガーは腑に落ちた、と言わんばかりに頷く。
「まあそうだろうな。だって俺、どっちかっつぅと鏡花のこと苦手だし」
お前ら一緒に居るってことは苦じゃねぇっていうか、憎からず思ってるってことじゃねぇの、とドッペルゲンガーはどこか揶揄うように言った。
「いや、そういうんじゃねぇよ。これには事情があって───────」
俺はドッペルゲンガーに呪いの件を説明した。
全部聞き終わったドッペルゲンガーはドン引きしたような表情でこう呟いた。
「呪いとかガチでヤベェな。俺、こっちの世界の住人でマジで助かったぜ」
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