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ep6
ep6『さよなら小泉先生』 Santa Maria
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「は……?」
急すぎる話の猛ラッシュ。
俺がリアクションに困っていると小泉が笑った。
「妊娠中や授乳中はバストサイズが数カップ上がるんだよ」(※1)
お前が気になってたのはソレだろう、と小泉はまた俺の頭をグシャグシャと撫でた。
「いや、別にそういう訳じゃ……」
俺は慌てて頭を振った。これじゃまるで俺が人の身体を舐め回すように見てる変態みたいじゃないか。
ちょっとさ、前と雰囲気が変わったなって思ったっていうか!と俺は付け加えた。
「……まあ、確かにあの頃はラクだって理由だけで身体のラインの出ない服ばっか着てたからなぁ。ブラもスポーツブラが多かったし」
小泉は懐かしそうに振り返る。
ま、基本的に私の中身はあの頃とそう変わってはないよ、と小泉は言った。
大きくなった胸にボディラインを強調したリクルートスーツ。
「まあ、それはいいんだけどさ、妊婦がそんな窮屈な服とか着てていいのか?」
キツかったりしんどくないのか、と俺が訊ねると小泉はまた笑った。
「お?心配してくれてるのか?けどな、こう見えてこれもマタニティ用スーツなんだ」
「マタニティ用スーツ?」
聞き慣れない言葉に対し、俺は思わず聞き返す。
「お前が居る時代でも既にそうなんだが──────妊娠中も働くことを選択したり、少し無理してでも働かざるを得なかったりするケースが一般的になって来ていてな」
それでこういったマタニティ用のスーツやオフィスカジュアル服の種類が豊富なんだよ、と小泉は説明する。
「キッチリしたタイトなデザインに見えてウエストはゴムだからラクだし、布地はストレッチ素材だから圧迫感もないんだ」
そう言うと小泉は着ていたスカートの布を引っ張ってみせた。
「へぇ!スゲェな。マタニティ服ってのは!」
俺は感心したがまだ少し不安だった。
「妊娠中なのに無茶させて悪かったな……全部俺が悪いんだし」
小泉はまた大きく笑うと俺の背中をバンバンと叩いた。
「馬鹿!気にするヤツがあるか。それにもう安定期に入ってるからな。つわりも収まったし私は元気だ」(※2)
「そっか……」
俺は改めて小泉を見た。
妊婦というと腹が大きく出ているイメージだったが、今の小泉の姿はとてもそうは見えない。
「なあ、もしよかったらでいいんだけどさ……」
俺はちょっとビクビクしながら小泉にこう切り出した。
「俺、母ちゃんと離れて暮らしてただろ?妊婦って間近で見るの初めてだからさ───────」
ちょっと触ってみていいか、と俺が言うと小泉は頷いた。
「いいとも。こっちに来なさい」
小泉が俺の手首をそっと掴み、その下腹部に触れさせた。
(※1)(※2)個人差があるのでこの限りではない。
急すぎる話の猛ラッシュ。
俺がリアクションに困っていると小泉が笑った。
「妊娠中や授乳中はバストサイズが数カップ上がるんだよ」(※1)
お前が気になってたのはソレだろう、と小泉はまた俺の頭をグシャグシャと撫でた。
「いや、別にそういう訳じゃ……」
俺は慌てて頭を振った。これじゃまるで俺が人の身体を舐め回すように見てる変態みたいじゃないか。
ちょっとさ、前と雰囲気が変わったなって思ったっていうか!と俺は付け加えた。
「……まあ、確かにあの頃はラクだって理由だけで身体のラインの出ない服ばっか着てたからなぁ。ブラもスポーツブラが多かったし」
小泉は懐かしそうに振り返る。
ま、基本的に私の中身はあの頃とそう変わってはないよ、と小泉は言った。
大きくなった胸にボディラインを強調したリクルートスーツ。
「まあ、それはいいんだけどさ、妊婦がそんな窮屈な服とか着てていいのか?」
キツかったりしんどくないのか、と俺が訊ねると小泉はまた笑った。
「お?心配してくれてるのか?けどな、こう見えてこれもマタニティ用スーツなんだ」
「マタニティ用スーツ?」
聞き慣れない言葉に対し、俺は思わず聞き返す。
「お前が居る時代でも既にそうなんだが──────妊娠中も働くことを選択したり、少し無理してでも働かざるを得なかったりするケースが一般的になって来ていてな」
それでこういったマタニティ用のスーツやオフィスカジュアル服の種類が豊富なんだよ、と小泉は説明する。
「キッチリしたタイトなデザインに見えてウエストはゴムだからラクだし、布地はストレッチ素材だから圧迫感もないんだ」
そう言うと小泉は着ていたスカートの布を引っ張ってみせた。
「へぇ!スゲェな。マタニティ服ってのは!」
俺は感心したがまだ少し不安だった。
「妊娠中なのに無茶させて悪かったな……全部俺が悪いんだし」
小泉はまた大きく笑うと俺の背中をバンバンと叩いた。
「馬鹿!気にするヤツがあるか。それにもう安定期に入ってるからな。つわりも収まったし私は元気だ」(※2)
「そっか……」
俺は改めて小泉を見た。
妊婦というと腹が大きく出ているイメージだったが、今の小泉の姿はとてもそうは見えない。
「なあ、もしよかったらでいいんだけどさ……」
俺はちょっとビクビクしながら小泉にこう切り出した。
「俺、母ちゃんと離れて暮らしてただろ?妊婦って間近で見るの初めてだからさ───────」
ちょっと触ってみていいか、と俺が言うと小泉は頷いた。
「いいとも。こっちに来なさい」
小泉が俺の手首をそっと掴み、その下腹部に触れさせた。
(※1)(※2)個人差があるのでこの限りではない。
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