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ep6
ep6『さよなら小泉先生』 覇王翔吼拳を使わざるを得ない
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俺はバイクに跨りエンジンを掛けた。
徐行しながら進んでいるハイエースの前に踊り出る。
ポケットの中にあったものを素早く道路にぶち撒けてからスピードを加速させ、その場から離れた。
奴ら、グラウンドの方を見て女子を物色してたからだろうな。反応が遅い。
小さな爆発音が連続して周囲に響く。
ボケッとしてるからだ。馬鹿どもが。
俺が撒いた癇癪玉は予想外のいい働きをしてくれた。コスパいいな。
グラウンドにいた一年や教師連中が一斉にこちらを凝視する。
ハイエースは止まり、慌てて2人が外に出ようとした瞬間だった。
車内で小さく尖った爆発音が連続して響く。
「!?」
予想外の出来事に二人の男はパニックになっているらしかった。
うぉ!??と野太い叫び声が情けなく漏れ出ている。マヌケめ。
二人がドアを開けようとした瞬間に爆竹を投げ込んでやっただけなんだが──────効果は抜群のようだ。
まあ結局、コイツらって無抵抗の女・子ども相手じゃないと何も出来ねぇ情けねぇ連中なんだよ。
大人の女には相手されねぇからって小中学生を狙うなんてクズ過ぎるじゃねぇか。
反撃されるなんて予想すらしてなかったんだろうな。
危機管理出来てなさすぎだろう。
俺はバイクから降り、背中に差していた鉄パイプを抜きながら奴らに近付いた。
「どうも~♡お兄さん方ァ♡」
二人ともバイクから降りた俺を警戒感マックスの状態で睨みつけて来る。
まあ、向こうは俺を知らないだろうからな。
「初めまして♡ 武者小路 雪平サンと鬼怒川 豪翔サン♡」
俺は極力────笑顔を浮かべ、愛想良く話し掛けた。
「は?なんだお前?」
俺みたいなガキ相手に虚勢を張るのはいいんだけどよ、声が上擦ってんじゃねぇか。小物過ぎんだろ。
『なんでテメェが俺らの名前を知ってんだよ?』とでも言いたげな表情。
向こうは明らかに狼狽し、戸惑っている様子だった。
俺はポケットから小さく折り畳んだコピー用紙を広げて見せた。
「お兄さん方、片方は大学生だったよねぇ♡お二人の身分証明書のコピー、預かってるんだけど♡」
「はぁぁ!??」
更に情けない声が周囲にこだまする。
前回、時間を戻る前───諸星キクコに二人の身分証を渡す前に─────
コンビニに立ち寄り、二人分の身分証をコピーし─────小さく折り畳んで例の“銀色の缶”の底に隠して入れておいた物だった。
まさかこんな所で役に立つとは思ってもみなかったが。
相手の動揺が伝わって来る。
「あ、ちなみにお兄さん方の車のナンバーも控えてっから」
俺の仲間がこの様子を絶賛録画中なんで♡と俺はブラフをかました。
まあ、半分くらいは既に実行されてるだろう。
さっき佐々木が持っていたデジタル双眼鏡──────あれは録画機能付きの物だったからな。
佐々木の事だ。こんな千載一遇のチャンスを見逃してる筈は無ぇだろ?
徐行しながら進んでいるハイエースの前に踊り出る。
ポケットの中にあったものを素早く道路にぶち撒けてからスピードを加速させ、その場から離れた。
奴ら、グラウンドの方を見て女子を物色してたからだろうな。反応が遅い。
小さな爆発音が連続して周囲に響く。
ボケッとしてるからだ。馬鹿どもが。
俺が撒いた癇癪玉は予想外のいい働きをしてくれた。コスパいいな。
グラウンドにいた一年や教師連中が一斉にこちらを凝視する。
ハイエースは止まり、慌てて2人が外に出ようとした瞬間だった。
車内で小さく尖った爆発音が連続して響く。
「!?」
予想外の出来事に二人の男はパニックになっているらしかった。
うぉ!??と野太い叫び声が情けなく漏れ出ている。マヌケめ。
二人がドアを開けようとした瞬間に爆竹を投げ込んでやっただけなんだが──────効果は抜群のようだ。
まあ結局、コイツらって無抵抗の女・子ども相手じゃないと何も出来ねぇ情けねぇ連中なんだよ。
大人の女には相手されねぇからって小中学生を狙うなんてクズ過ぎるじゃねぇか。
反撃されるなんて予想すらしてなかったんだろうな。
危機管理出来てなさすぎだろう。
俺はバイクから降り、背中に差していた鉄パイプを抜きながら奴らに近付いた。
「どうも~♡お兄さん方ァ♡」
二人ともバイクから降りた俺を警戒感マックスの状態で睨みつけて来る。
まあ、向こうは俺を知らないだろうからな。
「初めまして♡ 武者小路 雪平サンと鬼怒川 豪翔サン♡」
俺は極力────笑顔を浮かべ、愛想良く話し掛けた。
「は?なんだお前?」
俺みたいなガキ相手に虚勢を張るのはいいんだけどよ、声が上擦ってんじゃねぇか。小物過ぎんだろ。
『なんでテメェが俺らの名前を知ってんだよ?』とでも言いたげな表情。
向こうは明らかに狼狽し、戸惑っている様子だった。
俺はポケットから小さく折り畳んだコピー用紙を広げて見せた。
「お兄さん方、片方は大学生だったよねぇ♡お二人の身分証明書のコピー、預かってるんだけど♡」
「はぁぁ!??」
更に情けない声が周囲にこだまする。
前回、時間を戻る前───諸星キクコに二人の身分証を渡す前に─────
コンビニに立ち寄り、二人分の身分証をコピーし─────小さく折り畳んで例の“銀色の缶”の底に隠して入れておいた物だった。
まさかこんな所で役に立つとは思ってもみなかったが。
相手の動揺が伝わって来る。
「あ、ちなみにお兄さん方の車のナンバーも控えてっから」
俺の仲間がこの様子を絶賛録画中なんで♡と俺はブラフをかました。
まあ、半分くらいは既に実行されてるだろう。
さっき佐々木が持っていたデジタル双眼鏡──────あれは録画機能付きの物だったからな。
佐々木の事だ。こんな千載一遇のチャンスを見逃してる筈は無ぇだろ?
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