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ep6
ep6『さよなら小泉先生』 キューピッドと好奇心
しおりを挟む「は?いやいやいや……」
俺は慌ててそれを否定する。
「なんでそう思うんだよ!?俺、人生で一回もモテたことねぇし!」
彼女とかも出来たこともねぇよ!と俺は馬鹿正直に申告した。
「……え?そうなの?」
なおも小泉(中学生)は疑ったような視線をこちらに向けてくる。
いやマジだって!と俺はまたそれを否定した。てか、なんで俺は必死になってんだよ。
「そりゃ偽の彼女は居たことあるけど……それって利用されただけだったし」
俺がボソリとそう呟くと小泉(中学生)はそれに食いついて来た。
「ほら!やっぱり!居るんじゃん!」
「だからー!偽物だって言ってんじゃん」
俺はザックリと諸星キクコと御月レイジのことを話した。
「イケメンとギャルが付き合ってたんだけどさ。ふとしたキッカケで別れちゃって。でも、お互いに未練があったみたいでさ。ギャルの方がイケメンの気を引くために俺と付き合うフリをしようとしたんだよ」
いわばダミーだな。ま、解っててそれに乗ってやったんだけどさ、と俺は世間話のつもりで適当に話したつもりだった。
「え!なにその話!すっごい面白い!」
小泉(中学生)が食いついて来たのが予想外だった。てかさ、小泉ってこんなキャラだったっけ?
「それでそれで?!」
そのギャルとイケメンはどうなったの、と小泉(中学生)は好奇心旺盛な様子で話の続きを促した。
「結論から言えば結局、元サヤに収まったな。まあ、お互いにまだ好きだったんだから当然なんだけど────」
俺がそう言うと小泉(中学生)は目をキラキラと輝かせた。
「すごいね!それって佐藤くんが恋のキューピッドになったってことじゃない!?」
小泉(中学生)は身を乗り出して興味深々といった様子で俺の方を見てくる。
「え?いや、そんな大層なモンじゃねぇと思うけど────」
適当な話題として挙げただけのつもりが、予想外のリアクションに俺も戸惑ってしまう。
小泉の姿をしてるのに小泉っぽくない言動。
一体、コイツは何者なんだろう?
幽霊?生霊?ヴァンパイア?それとも───────
「解っててあえて乗ってあげたなんて優しいんだね」
俺の困惑をよそに小泉(中学生)は賞賛するかのような眼差しをこっちに向けてくる。
よせよ。そんな目で見るなよ。調子が狂うじゃねぇか。
「……いいなあ、佐藤くんとこの学校は楽しそうで」
私もそっちに行きたかったなあ、と小泉(中学生)はふと溜息をついた。
「え?」
俺は思わず聞き返す。
「それじゃまるで今の学校が楽しくないみたいな言い方じゃねぇか」
俺がそう言うと小泉(中学生)はビクリと肩を震わせた。
「……えっと……」
小泉(中学生)は苦笑いを浮かべながら小さく呟いた。
「私ね、クラスの中で孤立しちゃってるんだ────────」
俺は慌ててそれを否定する。
「なんでそう思うんだよ!?俺、人生で一回もモテたことねぇし!」
彼女とかも出来たこともねぇよ!と俺は馬鹿正直に申告した。
「……え?そうなの?」
なおも小泉(中学生)は疑ったような視線をこちらに向けてくる。
いやマジだって!と俺はまたそれを否定した。てか、なんで俺は必死になってんだよ。
「そりゃ偽の彼女は居たことあるけど……それって利用されただけだったし」
俺がボソリとそう呟くと小泉(中学生)はそれに食いついて来た。
「ほら!やっぱり!居るんじゃん!」
「だからー!偽物だって言ってんじゃん」
俺はザックリと諸星キクコと御月レイジのことを話した。
「イケメンとギャルが付き合ってたんだけどさ。ふとしたキッカケで別れちゃって。でも、お互いに未練があったみたいでさ。ギャルの方がイケメンの気を引くために俺と付き合うフリをしようとしたんだよ」
いわばダミーだな。ま、解っててそれに乗ってやったんだけどさ、と俺は世間話のつもりで適当に話したつもりだった。
「え!なにその話!すっごい面白い!」
小泉(中学生)が食いついて来たのが予想外だった。てかさ、小泉ってこんなキャラだったっけ?
「それでそれで?!」
そのギャルとイケメンはどうなったの、と小泉(中学生)は好奇心旺盛な様子で話の続きを促した。
「結論から言えば結局、元サヤに収まったな。まあ、お互いにまだ好きだったんだから当然なんだけど────」
俺がそう言うと小泉(中学生)は目をキラキラと輝かせた。
「すごいね!それって佐藤くんが恋のキューピッドになったってことじゃない!?」
小泉(中学生)は身を乗り出して興味深々といった様子で俺の方を見てくる。
「え?いや、そんな大層なモンじゃねぇと思うけど────」
適当な話題として挙げただけのつもりが、予想外のリアクションに俺も戸惑ってしまう。
小泉の姿をしてるのに小泉っぽくない言動。
一体、コイツは何者なんだろう?
幽霊?生霊?ヴァンパイア?それとも───────
「解っててあえて乗ってあげたなんて優しいんだね」
俺の困惑をよそに小泉(中学生)は賞賛するかのような眼差しをこっちに向けてくる。
よせよ。そんな目で見るなよ。調子が狂うじゃねぇか。
「……いいなあ、佐藤くんとこの学校は楽しそうで」
私もそっちに行きたかったなあ、と小泉(中学生)はふと溜息をついた。
「え?」
俺は思わず聞き返す。
「それじゃまるで今の学校が楽しくないみたいな言い方じゃねぇか」
俺がそう言うと小泉(中学生)はビクリと肩を震わせた。
「……えっと……」
小泉(中学生)は苦笑いを浮かべながら小さく呟いた。
「私ね、クラスの中で孤立しちゃってるんだ────────」
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