471 / 1,060
ep6
ep6『さよなら小泉先生』 キューピッドと好奇心
しおりを挟む
「は?いやいやいや……」
俺は慌ててそれを否定する。
「なんでそう思うんだよ!?俺、人生で一回もモテたことねぇし!」
彼女とかも出来たこともねぇよ!と俺は馬鹿正直に申告した。
「……え?そうなの?」
なおも小泉(中学生)は疑ったような視線をこちらに向けてくる。
いやマジだって!と俺はまたそれを否定した。てか、なんで俺は必死になってんだよ。
「そりゃ偽の彼女は居たことあるけど……それって利用されただけだったし」
俺がボソリとそう呟くと小泉(中学生)はそれに食いついて来た。
「ほら!やっぱり!居るんじゃん!」
「だからー!偽物だって言ってんじゃん」
俺はザックリと諸星キクコと御月レイジのことを話した。
「イケメンとギャルが付き合ってたんだけどさ。ふとしたキッカケで別れちゃって。でも、お互いに未練があったみたいでさ。ギャルの方がイケメンの気を引くために俺と付き合うフリをしようとしたんだよ」
いわばダミーだな。ま、解っててそれに乗ってやったんだけどさ、と俺は世間話のつもりで適当に話したつもりだった。
「え!なにその話!すっごい面白い!」
小泉(中学生)が食いついて来たのが予想外だった。てかさ、小泉ってこんなキャラだったっけ?
「それでそれで?!」
そのギャルとイケメンはどうなったの、と小泉(中学生)は好奇心旺盛な様子で話の続きを促した。
「結論から言えば結局、元サヤに収まったな。まあ、お互いにまだ好きだったんだから当然なんだけど────」
俺がそう言うと小泉(中学生)は目をキラキラと輝かせた。
「すごいね!それって佐藤くんが恋のキューピッドになったってことじゃない!?」
小泉(中学生)は身を乗り出して興味深々といった様子で俺の方を見てくる。
「え?いや、そんな大層なモンじゃねぇと思うけど────」
適当な話題として挙げただけのつもりが、予想外のリアクションに俺も戸惑ってしまう。
小泉の姿をしてるのに小泉っぽくない言動。
一体、コイツは何者なんだろう?
幽霊?生霊?ヴァンパイア?それとも───────
「解っててあえて乗ってあげたなんて優しいんだね」
俺の困惑をよそに小泉(中学生)は賞賛するかのような眼差しをこっちに向けてくる。
よせよ。そんな目で見るなよ。調子が狂うじゃねぇか。
「……いいなあ、佐藤くんとこの学校は楽しそうで」
私もそっちに行きたかったなあ、と小泉(中学生)はふと溜息をついた。
「え?」
俺は思わず聞き返す。
「それじゃまるで今の学校が楽しくないみたいな言い方じゃねぇか」
俺がそう言うと小泉(中学生)はビクリと肩を震わせた。
「……えっと……」
小泉(中学生)は苦笑いを浮かべながら小さく呟いた。
「私ね、クラスの中で孤立しちゃってるんだ────────」
俺は慌ててそれを否定する。
「なんでそう思うんだよ!?俺、人生で一回もモテたことねぇし!」
彼女とかも出来たこともねぇよ!と俺は馬鹿正直に申告した。
「……え?そうなの?」
なおも小泉(中学生)は疑ったような視線をこちらに向けてくる。
いやマジだって!と俺はまたそれを否定した。てか、なんで俺は必死になってんだよ。
「そりゃ偽の彼女は居たことあるけど……それって利用されただけだったし」
俺がボソリとそう呟くと小泉(中学生)はそれに食いついて来た。
「ほら!やっぱり!居るんじゃん!」
「だからー!偽物だって言ってんじゃん」
俺はザックリと諸星キクコと御月レイジのことを話した。
「イケメンとギャルが付き合ってたんだけどさ。ふとしたキッカケで別れちゃって。でも、お互いに未練があったみたいでさ。ギャルの方がイケメンの気を引くために俺と付き合うフリをしようとしたんだよ」
いわばダミーだな。ま、解っててそれに乗ってやったんだけどさ、と俺は世間話のつもりで適当に話したつもりだった。
「え!なにその話!すっごい面白い!」
小泉(中学生)が食いついて来たのが予想外だった。てかさ、小泉ってこんなキャラだったっけ?
「それでそれで?!」
そのギャルとイケメンはどうなったの、と小泉(中学生)は好奇心旺盛な様子で話の続きを促した。
「結論から言えば結局、元サヤに収まったな。まあ、お互いにまだ好きだったんだから当然なんだけど────」
俺がそう言うと小泉(中学生)は目をキラキラと輝かせた。
「すごいね!それって佐藤くんが恋のキューピッドになったってことじゃない!?」
小泉(中学生)は身を乗り出して興味深々といった様子で俺の方を見てくる。
「え?いや、そんな大層なモンじゃねぇと思うけど────」
適当な話題として挙げただけのつもりが、予想外のリアクションに俺も戸惑ってしまう。
小泉の姿をしてるのに小泉っぽくない言動。
一体、コイツは何者なんだろう?
幽霊?生霊?ヴァンパイア?それとも───────
「解っててあえて乗ってあげたなんて優しいんだね」
俺の困惑をよそに小泉(中学生)は賞賛するかのような眼差しをこっちに向けてくる。
よせよ。そんな目で見るなよ。調子が狂うじゃねぇか。
「……いいなあ、佐藤くんとこの学校は楽しそうで」
私もそっちに行きたかったなあ、と小泉(中学生)はふと溜息をついた。
「え?」
俺は思わず聞き返す。
「それじゃまるで今の学校が楽しくないみたいな言い方じゃねぇか」
俺がそう言うと小泉(中学生)はビクリと肩を震わせた。
「……えっと……」
小泉(中学生)は苦笑いを浮かべながら小さく呟いた。
「私ね、クラスの中で孤立しちゃってるんだ────────」
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。



【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる