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ep6
ep6『夢千夜』 “壊れた夜” 第二十三夜
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俺たちにとってこの行為は“目的”じゃなくて“手段” でしかないんだ。
ただの『作業』だ。そうだろ?
俺はゆっくりと腰を進めた。
小泉がギュッと目を瞑っている。
そうビビるなよ。ここまで来たらもう全工程の八割は終わったも同然だ。
俺は小泉の両膝を掴んだままの体勢で奥まで到達した。
思っていた以上に温かい感触。
背筋がゾクゾクするのを感じた。これは想像以上にヤバいかもしれない。
「……っ!!!」
小泉が身体を反応させる。
「……痛い?センセェ?」
もう全部入ったけど?と俺が声を掛けると小泉は途切れ途切れに答える。
「……いや……激痛ってほどの痛みでもないけど……なんか」
……物凄い違和感と圧迫感を感じる……と小泉は掌で顔を覆った。
「違和感と圧迫感?」
思わず俺は聞き返した。
いや、悠長にインタビューみたいな真似なんかせずにとっとと先に進むべき場面なんだろうけど────
なんか気になっちまったんだよな。
“あの小泉が”処女膜をブチ破られてなんて感想を持ってるか─────ってのにすごく興味が沸いて来たんだよ。
な?わかるよな?気になるだろ?聞きたくなるじゃねぇか。
「……ん……なんか変な感じ……本来はここに無いはずのモノが入ってる感じっていうか……」
まあそうだよな。だって俺の身体の一部だもんな。本来はそこに有るモンじゃねぇし。
「……そっか。そこまで痛く無いってなら良かったじゃねぇか」
小泉は額に汗を掻きながら答えた。
「……けど……なんか凄く……元々あった臓器が……圧迫されてる感じがする……息が苦しいような」
そんな感じなのか。意外だな。AVとかエロ同人誌とかじゃあんまり聞かない感想な気もする。
俺らの置かれてる状況が特殊過ぎるからか?
何せ俺ら二人ともがやりたくてやってる訳じゃ無いからな。
多分、世間一般の『セックスするカップル』とは何もかもが違うんだろうな。
「───どうだよセンセェ。もう処女じゃ無くなった訳だけど気分は?」
俺は小泉を少し揶揄うように言った。
……ああそうか、そうなんだな─────と小泉は悟ったように小さく呟いた。
「……もう貫通してしまったんだよな」
貫通。
まあそうなんだけどさ。こうしてみると実感わかねぇよな。
でも、と小泉は続けた。
「……お腹の中に入ってる……お前の存在感が大き過ぎる」
小泉のこの言葉に何故か俺はドキリとした。
別に淫語だとか愛の言葉だとかそういった類の台詞では無いのに。
何故か俺の身体がその言葉に反応するように──────勝手に動き出した。
どうしたんだろう。早く終わらせたい?
それとも嫌になった?
自分でもよくわからなかった。
だけど、自分の中にある熱量のようなエネルギーが暴走し始めていることだけは理解出来た。
小泉は戸惑ったように俺を見た。
「……え?……どうしたんだ急に!?」
そうだよな。
さっきまでは────今まではちゃんと一挙手一投足、どんな小さな動作でもちゃんと小泉に確認を取りながら『作業』を進めてたのに。
ここに来て急に俺が勝手に『単独行動』し始めたら意味がわかんねぇよな。
遠慮して気遣いまくってた今までの努力は何だったんだ。
俺だってわかんねぇよ。
なんか身体が勝手に動いて────止まんねぇんだよな。
「……っ!!……なんか……ちょっと……強い……!」
小泉が小さく悲鳴を上げた。
俺は小泉の両腕を掴んだまま動きを止められないでいた。
「……悪ぃ、センセェ。痛いか?」
動きを止めないまま俺が訊くと小泉は表情を少し歪ませながら答えた。
「……っ!……往復……する度に……なんか……熱くて……擦れて痛い……」
ただの『作業』だ。そうだろ?
俺はゆっくりと腰を進めた。
小泉がギュッと目を瞑っている。
そうビビるなよ。ここまで来たらもう全工程の八割は終わったも同然だ。
俺は小泉の両膝を掴んだままの体勢で奥まで到達した。
思っていた以上に温かい感触。
背筋がゾクゾクするのを感じた。これは想像以上にヤバいかもしれない。
「……っ!!!」
小泉が身体を反応させる。
「……痛い?センセェ?」
もう全部入ったけど?と俺が声を掛けると小泉は途切れ途切れに答える。
「……いや……激痛ってほどの痛みでもないけど……なんか」
……物凄い違和感と圧迫感を感じる……と小泉は掌で顔を覆った。
「違和感と圧迫感?」
思わず俺は聞き返した。
いや、悠長にインタビューみたいな真似なんかせずにとっとと先に進むべき場面なんだろうけど────
なんか気になっちまったんだよな。
“あの小泉が”処女膜をブチ破られてなんて感想を持ってるか─────ってのにすごく興味が沸いて来たんだよ。
な?わかるよな?気になるだろ?聞きたくなるじゃねぇか。
「……ん……なんか変な感じ……本来はここに無いはずのモノが入ってる感じっていうか……」
まあそうだよな。だって俺の身体の一部だもんな。本来はそこに有るモンじゃねぇし。
「……そっか。そこまで痛く無いってなら良かったじゃねぇか」
小泉は額に汗を掻きながら答えた。
「……けど……なんか凄く……元々あった臓器が……圧迫されてる感じがする……息が苦しいような」
そんな感じなのか。意外だな。AVとかエロ同人誌とかじゃあんまり聞かない感想な気もする。
俺らの置かれてる状況が特殊過ぎるからか?
何せ俺ら二人ともがやりたくてやってる訳じゃ無いからな。
多分、世間一般の『セックスするカップル』とは何もかもが違うんだろうな。
「───どうだよセンセェ。もう処女じゃ無くなった訳だけど気分は?」
俺は小泉を少し揶揄うように言った。
……ああそうか、そうなんだな─────と小泉は悟ったように小さく呟いた。
「……もう貫通してしまったんだよな」
貫通。
まあそうなんだけどさ。こうしてみると実感わかねぇよな。
でも、と小泉は続けた。
「……お腹の中に入ってる……お前の存在感が大き過ぎる」
小泉のこの言葉に何故か俺はドキリとした。
別に淫語だとか愛の言葉だとかそういった類の台詞では無いのに。
何故か俺の身体がその言葉に反応するように──────勝手に動き出した。
どうしたんだろう。早く終わらせたい?
それとも嫌になった?
自分でもよくわからなかった。
だけど、自分の中にある熱量のようなエネルギーが暴走し始めていることだけは理解出来た。
小泉は戸惑ったように俺を見た。
「……え?……どうしたんだ急に!?」
そうだよな。
さっきまでは────今まではちゃんと一挙手一投足、どんな小さな動作でもちゃんと小泉に確認を取りながら『作業』を進めてたのに。
ここに来て急に俺が勝手に『単独行動』し始めたら意味がわかんねぇよな。
遠慮して気遣いまくってた今までの努力は何だったんだ。
俺だってわかんねぇよ。
なんか身体が勝手に動いて────止まんねぇんだよな。
「……っ!!……なんか……ちょっと……強い……!」
小泉が小さく悲鳴を上げた。
俺は小泉の両腕を掴んだまま動きを止められないでいた。
「……悪ぃ、センセェ。痛いか?」
動きを止めないまま俺が訊くと小泉は表情を少し歪ませながら答えた。
「……っ!……往復……する度に……なんか……熱くて……擦れて痛い……」
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