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ep6
ep6『夢千夜』 “壊れた夜” 第二十二夜
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「…………」
小泉は無言のまま俺の顔を見つめた。
「……は?」
言葉の意味を理解していないのだろうか。
「……え?」
一呼吸置いてもまだ小泉は現状を理解していないようだった。
「????」
いや、だからさ、と俺は小泉にもう一度説明する。
「もう入ってるからさ。本体の方が」
ほら、と俺は小泉の目の前で両手をヒラヒラと振って見せた。
「……え?……両手……?でも今……中に……」
小泉は俺の両手を見ながら不可解そうに呟いた。
「さっきから言ってんじゃん。本体がもう入ったんだってば」
俺がそう言うとやっと小泉は自分の状況がうっすらと理解出来たのか、短く悲鳴を上げた。
「……嘘!?」
「この状況で嘘ついてどうすんだよ。ほら、見てみなって」
俺がそう言うと小泉は再び上体を起こし、下半身を凝視した。
文字通り結合している二人分の下腹部。
……ひっ!?という小泉の悲鳴が部屋に響く。
てか、この下り二回目じゃねぇか。
「……まあその、上手く行って良かったじゃねぇか」
気付かなかったって事はそこまで痛くなかったって事だろ、と俺はフォローするつもりで言ったのだが────火に油を注いでしまったようだった。
パニックになった小泉はまたしても暴れ始めた。
「……は!?……え!?……なんで!?……いつの間に!?」
どうして気付かなかったんだ!?と狼狽える小泉を押さえ付けるようにして俺はこう言った。
「まだ半分くらいしか入ってねぇし────暴れたら抜けるからさ、センセェ」
また一からふりだしになるのも嫌だろ?と俺が宥めるように言うと小泉は少し大人しくなった。
まあ、またあの一連の作業を繰り返すってのも小泉的にも負担になるだろうしな。
「ほら、指三本入れたのに耐えられたんならさ。理論上は本体の方も耐えられるって事だろ?」
質量はそう変わんねぇんだろうし、と言う俺の言葉に小泉は頷いた。
「……それはそうかもしれないけど─────」
俺はまた小泉の頭を撫でた。
「頑張ったじゃんセンセェ。こっから先、終わりまでがまだ残ってるけど──────」
もうちょっとだから、あともう少し頑張れるよな?と俺が問いかけると小泉は涙目でコクンと頷いた。
「……でもどうして」
さっきは痛くて入らなかったのに?と未だに納得がいかない様子で小泉が呟いた。やっぱ気にしてるんだな。
「ほら。えっと……さっきは身体がガチガチで痛かったってのもあったんだろうけどさ。センセェに深呼吸しててもらったじゃん?」
センセェが息を吐ききった瞬間、これから息を吸い込むってタイミングでブッ込んだからさ。上手く行ったんじゃね?と俺が答えると小泉は困惑したような表情を浮かべた。
「……なんでこんな時に限ってそんな知恵が働くんだ、佐藤」
「普段は知恵が働いてないような言い方じゃねぇか。酷ぇなあ」
俺がそう言うと小泉は少し笑った。
「まあ、それはとにかく────まだ半分くらいしか入ってねぇし。とにかく全部入れようぜ」
小泉は無言のまま俺の顔を見つめた。
「……は?」
言葉の意味を理解していないのだろうか。
「……え?」
一呼吸置いてもまだ小泉は現状を理解していないようだった。
「????」
いや、だからさ、と俺は小泉にもう一度説明する。
「もう入ってるからさ。本体の方が」
ほら、と俺は小泉の目の前で両手をヒラヒラと振って見せた。
「……え?……両手……?でも今……中に……」
小泉は俺の両手を見ながら不可解そうに呟いた。
「さっきから言ってんじゃん。本体がもう入ったんだってば」
俺がそう言うとやっと小泉は自分の状況がうっすらと理解出来たのか、短く悲鳴を上げた。
「……嘘!?」
「この状況で嘘ついてどうすんだよ。ほら、見てみなって」
俺がそう言うと小泉は再び上体を起こし、下半身を凝視した。
文字通り結合している二人分の下腹部。
……ひっ!?という小泉の悲鳴が部屋に響く。
てか、この下り二回目じゃねぇか。
「……まあその、上手く行って良かったじゃねぇか」
気付かなかったって事はそこまで痛くなかったって事だろ、と俺はフォローするつもりで言ったのだが────火に油を注いでしまったようだった。
パニックになった小泉はまたしても暴れ始めた。
「……は!?……え!?……なんで!?……いつの間に!?」
どうして気付かなかったんだ!?と狼狽える小泉を押さえ付けるようにして俺はこう言った。
「まだ半分くらいしか入ってねぇし────暴れたら抜けるからさ、センセェ」
また一からふりだしになるのも嫌だろ?と俺が宥めるように言うと小泉は少し大人しくなった。
まあ、またあの一連の作業を繰り返すってのも小泉的にも負担になるだろうしな。
「ほら、指三本入れたのに耐えられたんならさ。理論上は本体の方も耐えられるって事だろ?」
質量はそう変わんねぇんだろうし、と言う俺の言葉に小泉は頷いた。
「……それはそうかもしれないけど─────」
俺はまた小泉の頭を撫でた。
「頑張ったじゃんセンセェ。こっから先、終わりまでがまだ残ってるけど──────」
もうちょっとだから、あともう少し頑張れるよな?と俺が問いかけると小泉は涙目でコクンと頷いた。
「……でもどうして」
さっきは痛くて入らなかったのに?と未だに納得がいかない様子で小泉が呟いた。やっぱ気にしてるんだな。
「ほら。えっと……さっきは身体がガチガチで痛かったってのもあったんだろうけどさ。センセェに深呼吸しててもらったじゃん?」
センセェが息を吐ききった瞬間、これから息を吸い込むってタイミングでブッ込んだからさ。上手く行ったんじゃね?と俺が答えると小泉は困惑したような表情を浮かべた。
「……なんでこんな時に限ってそんな知恵が働くんだ、佐藤」
「普段は知恵が働いてないような言い方じゃねぇか。酷ぇなあ」
俺がそう言うと小泉は少し笑った。
「まあ、それはとにかく────まだ半分くらいしか入ってねぇし。とにかく全部入れようぜ」
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