[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep6

ep6『夢千夜』 “壊れた夜” 第二十夜 

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「……ひっ!?……っ!!……痛っ!!」

半泣きどころか六~七割は泣いているような小泉が悲鳴を上げる。

やっぱり痛いのか。

耐えられない痛み?

居た堪れなくなった俺は動きを止めた。

「……センセェ、さっきの痛かった?」

「……痛い……」

小泉は相変わらず泣きそうな顔で答える。

やっぱダメか。

「センセェ、こんなに身体に力が入ってたら入んねぇし痛いって」

俺がそう言うとまたも小泉は反論する。

「……そう言われたって……!力とか入れてないし……!」

本人には自覚はないようだ。

無意識に力が入ってるのか─────────それとも意識の問題だろうか。

いずれにせよ、何度このやり取りを繰り返してもこれ以上の進行は無理に思えた。

俺だって嫌だ。

俺は女に泣かれるのが苦手なんだ。

半泣きの女に無理矢理ブッ込めるようなメンタルは持ち合わせていないしな。

俺は意を決して小泉にこう提案した。

「……やめるか。センセェ」

「……え?」

小泉が途端に真顔になる。

「……いや!そういう意味じゃなくて!」

俺は慌てて首を振った。

「……センセェに借金を背負わせたいとか時間を戻るのを辞めるって意味じゃなくてさ」

俺は一呼吸置いてこう続けた。

「……時間を戻るってことは必ず実行するけど───────無理にセンセェが相手じゃなくても可能だって言うか」

俺がそこまで言うと小泉の顔色がサッと変わった。

「─────それって……」

そう。時間を戻れさえすれば相手は誰でもいいんだ。

例えば───────過去に二回、時間を戻った実績のある花園リセだったり………

「センセェには今から一旦神社に帰って貰わなきゃだけどさ。半日ほどシラを切り通して貰えればなんとかなりそうだし────」

俺の言葉を遮り、小泉が叫んだ。

「……駄目だ!それは……!」

絶対に他の人に迷惑は掛けられない、と小泉は必死な様子で首を振った。

「───駄目って」

俺も反射的に聞き返す。

「駄目って言ってもどうすんだよ?」

泣いてる女にブッ込むみたいな真似ってやっぱ出来ねぇし────俺がそう言うと小泉は俺の両肩を震える手で掴む。

「……ちゃんと……ちゃんとするから……」

お願いだから………と上擦った声で絞り出した小泉は─────半泣きを通り越して八~九割は泣いているような表情だった。

ちゃんとするって……今まではちゃんとしてなかったって事か?

まあ、そういう意味じゃないんだろうけど──────

「ちゃんとって具体的にどうするんだよ?」

俺がそう訊くと小泉は視線を逸らしながらこう答えた。

「────ちゃんと……全部お前の言う通りにするから……だから……」

『全部お前の言う通りにする』か。

普段の小泉からはまず出てこない台詞だなぁと思いながら俺はその顔を見た。

そんなに暑い季節じゃ無い筈なのに、俺も小泉も汗だくだった。

まあ、ここで止めるってなったら────小泉は半裸の状態で俺に指三本ブッ込まれた記憶を半日ほど保持したままで過ごさなきゃなんねぇよな。

そっちも小泉的にはメンタル崩壊しそうではある。

しかも小泉の事だ。

半日とは言え───鳥居が損壊した件に関してシラを切り通せず、自白してしまうかもしれない。

それもそれで大変なことになりそうだな。

確かに、トータルで考えたらここで全部に決着を着けるのが一番最善の方法ではある。

俺は小泉の頭をそっと撫でた。

「……センセェ、ホントに頑張れるのか?」

相変わらず八~九割は泣いているような顔の小泉はコクンと頷いた。

「そんな泣きそうな顔すんなよ、センセェ」

俺はもう一度小泉の頭を撫でた。

小泉はまた視線を逸らし、ただ黙っていた。

小泉がこういう性格だって解ってた筈なのに────俺もちょっと焦りすぎてたのかもしれねぇな。

お互いにそれぞれ何か─────何かはわからないけど……足りなかった部分があるのかもしれない。

多分だけど俺も悪かったよな。

本来ならもうちょっと小泉に合わせてやんなきゃいけなかったのかもしれねぇし──────

俺はもう一度覚悟を決め、小泉の顔を見た。

相変わらず、今にも泣きそうな表情だった。

「……なあセンセェ、一学期の三者面談で俺に言った事、覚えてる?」

俺は小泉の下腹部をそっと弄りながら小さく呟いた。

「……ひゃっ……!……は?……三者面談?」

唐突な質問に対し、小泉はビクっと身体を反応させながらも考え込む素振りを見せた。

「……っ!えっと……苦手な……科目に対して……もうちょっと……意欲を……」

小泉は表情を歪ませながらも必死で記憶の糸を辿っているようだ。

「まだあったろ?」

俺はさっき指を入れていた箇所をもう一度弄った。

「……あっ……っ!……提出物が……殆ど……出てないから……」

小泉の身体がビクンと小さく跳ねる。

「よく覚えてるじゃん。センセェ」

俺は左手で小泉の頭を撫で、そのまま右手で『入口』をそっとかき混ぜるように触れていった。

さっきよりも体温が高く、指が絡め取られるような気がする。

「俺さ、二学期の成績上がっただろ?」




俺がそう言うと小泉は震えながら小さく頷いた。

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