442 / 1,060
ep6
ep6『夢千夜』 “壊れた夜” 第十三夜
しおりを挟む
「─────俺、もう我慢出来そうにねぇから」
「………!」
俺がそう告げると小泉は身体を硬直させた。
無意識のうちに警戒してるんだろう。
さっきの言葉は本心だった。
とんでもない重圧。
こんなんもう耐えらねぇよ。
俺には無理だ。
今まで出現した選択肢をことごとく外してるじゃねぇか。
的確に地雷を踏み抜いてる自覚はある。
マークシート方式のテストだってもうちょっとどうにかなるだろ?
俺ってもしかしてセックスするのに向いてねぇのか?センス無い?
下手くそかよ。
最悪だな。
よく今まではどうにか出来てたな。
時間を戻れてたのが不思議なくらいだ。
だけど。
地雷原でタップダンスするような度胸は俺には無ぇんだ。
これ以上ミスったら今度こそアウトじゃね?
多分、次に踏む地雷で何もかも吹き飛びそうだ。
だったら。
何がなんでもどうにか切り抜けて無事に終わらせなきゃなんねぇ。
会話や無駄を極力減らして、とにかく余計な事はしないで乗り切るしかないよな。
俺が小泉の下着の─────最後の一枚に手をかけた時だった。
これさえ脱がせれば後はもう選択肢も何もねぇんじゃないか?
そう思った時だった。
小泉が片手でそれを拒否する様に遮る。
「……ちょっ……駄目だから!」
「は?」
思わず俺は聞き返す。
「脱がせちゃダメって事か?」
着たままの状態でヤれって言うんだろうか?
よくさ、AVとかエロ同人誌とかで────女がレオタードとか水着とかのコスチューム着ててさ。
脱がせずに横にズラして挿入してるのとかあるけど、ああいう感じでって意味なのか?
「……えっと。脱がさずに入れて欲しいって事でいいのか?」
俺が確認すると小泉は首をブンブンと振った。
「……いや……違!……そういう意味じゃなくて!」
じゃあどういう意味だよ。
小泉は小さな声でこう言った。
「……脱がされるの……嫌だから自分で脱ぐ……」
は?
よく分からんな。
そんなんどっちでも同じじゃねぇの?最終的に脱ぐんだろ?
てか、脱ぐどころかこの後にすぐ入れるんだからさ、ここで恥ずかしがる意味ってあるか?
「????」
意味がわからず、小泉を見ていると急に怒られた。
「……その……見られてたら脱ぎにくいから…!」
あっち向いてろ、と小泉は小さな声で不機嫌そうに言った。
ますます意味がわからない。
最終的にお互いに全部丸見えだろ?
「はいはい。わーったよ」
俺はしぶしぶ後ろを向いた。
「これでいいんだろ?」
俺が後ろを向いている間に、小泉がゴソゴソと動いている気配がする。
てか、この後俺も脱ぐんですけど。
「……その……もういいぞ」
小泉が小さな声で呟く。
なんかよく分からんなぁ、と思いながらも俺は振り返った。
すると。
今度こそ文字通り、正しい意味での『裸ワイシャツ』の小泉が布団に横たわっていた。
「………!」
俺がそう告げると小泉は身体を硬直させた。
無意識のうちに警戒してるんだろう。
さっきの言葉は本心だった。
とんでもない重圧。
こんなんもう耐えらねぇよ。
俺には無理だ。
今まで出現した選択肢をことごとく外してるじゃねぇか。
的確に地雷を踏み抜いてる自覚はある。
マークシート方式のテストだってもうちょっとどうにかなるだろ?
俺ってもしかしてセックスするのに向いてねぇのか?センス無い?
下手くそかよ。
最悪だな。
よく今まではどうにか出来てたな。
時間を戻れてたのが不思議なくらいだ。
だけど。
地雷原でタップダンスするような度胸は俺には無ぇんだ。
これ以上ミスったら今度こそアウトじゃね?
多分、次に踏む地雷で何もかも吹き飛びそうだ。
だったら。
何がなんでもどうにか切り抜けて無事に終わらせなきゃなんねぇ。
会話や無駄を極力減らして、とにかく余計な事はしないで乗り切るしかないよな。
俺が小泉の下着の─────最後の一枚に手をかけた時だった。
これさえ脱がせれば後はもう選択肢も何もねぇんじゃないか?
そう思った時だった。
小泉が片手でそれを拒否する様に遮る。
「……ちょっ……駄目だから!」
「は?」
思わず俺は聞き返す。
「脱がせちゃダメって事か?」
着たままの状態でヤれって言うんだろうか?
よくさ、AVとかエロ同人誌とかで────女がレオタードとか水着とかのコスチューム着ててさ。
脱がせずに横にズラして挿入してるのとかあるけど、ああいう感じでって意味なのか?
「……えっと。脱がさずに入れて欲しいって事でいいのか?」
俺が確認すると小泉は首をブンブンと振った。
「……いや……違!……そういう意味じゃなくて!」
じゃあどういう意味だよ。
小泉は小さな声でこう言った。
「……脱がされるの……嫌だから自分で脱ぐ……」
は?
よく分からんな。
そんなんどっちでも同じじゃねぇの?最終的に脱ぐんだろ?
てか、脱ぐどころかこの後にすぐ入れるんだからさ、ここで恥ずかしがる意味ってあるか?
「????」
意味がわからず、小泉を見ていると急に怒られた。
「……その……見られてたら脱ぎにくいから…!」
あっち向いてろ、と小泉は小さな声で不機嫌そうに言った。
ますます意味がわからない。
最終的にお互いに全部丸見えだろ?
「はいはい。わーったよ」
俺はしぶしぶ後ろを向いた。
「これでいいんだろ?」
俺が後ろを向いている間に、小泉がゴソゴソと動いている気配がする。
てか、この後俺も脱ぐんですけど。
「……その……もういいぞ」
小泉が小さな声で呟く。
なんかよく分からんなぁ、と思いながらも俺は振り返った。
すると。
今度こそ文字通り、正しい意味での『裸ワイシャツ』の小泉が布団に横たわっていた。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる