[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep5.5

ep5.5『TALKING ABOUT SEX(again)』 LOSER

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「ん?それって入籍まで我慢するってこと?」

ストレートに俺が訊くと御月は言葉を濁した。

「……ん……まあ、そうなるというか」

「は?めっちゃ先じゃん!あと4年もあるじゃねぇか」

結婚が早いんだか我慢する期間が長いんだかわからなくなって混乱する。

「なんかこう大丈夫なのか?お互いにさ─────」

まあ、俺が心配しなくても御月と諸星キクコなら大丈夫だろうけどよ。

御月の彼女────諸星キクコはギャルっぽいけど根はいい奴なんだよな。

だからこそ御月の方がベタ惚れって感じなんだろうけどさ─────

「……世間では『結婚は人生の墓場』ってよく言われてるけど……本当は違うんじゃないかなって思う」

御月はボソリと呟いた。

「……一番好きな相手と一生添い遂げるって幸せだと思うんだが……なんで世の大人は結婚を嫌がってるんだろう?」

そっちの方がよくわからないな、と御月は心底不思議そうに言った。

なるほど、と俺は頷いた。

「けどさ、御月と違って『一番好きな相手が居ない』みたいな大人ばっかりなんじゃないか?」

だから婚活とかマッチングアプリとかで必死で相手を探してんじゃねぇの?と俺は一つの可能性を挙げた。

たぶん─────大人には俺らのわかんねぇ事情ってモンがあるんだろう。

それに。

御月は自覚してねぇだけでハイスペックガチイケメンなんだ。

あの西中の岬京矢にも匹敵するほどのルックス。

普通の人間とスタートラインが違うからな。

持ってるものが違うんだ。

そこまで考えて、ふと俺は不安になる。

御月のスペックだからこそ真に心から理解してくれる彼女と出会えたってのもあるだろう。

じゃあ俺は?

御月は毎回俺を過大評価してくれるけど────────

俺にはそんな相手なんて存在しないんじゃないだろうか。

そこまで考えて俺は一抹の不安と寂しさに襲われた。

御月だっていつか結婚する。

家庭を持って、そのうち子どもだって生まれるかもしれない。

────そしたら今みたいに………こんな風に泊まったりとかもう出来ないよなあ。

結婚しないってことは────一生こんな感じで一人で過ごすんだろうか。

俺の不安を他所に御月は俺にこう言った。

「……なあ佐藤。もし彼女が出来たらおれにも紹介してくれるか?」

佐藤の彼女ならきっと可愛いんだろうな、という言葉に俺の胸はチクリと痛んだ。

俺は愛想笑いを浮かべてこう答えた。






「ああ!トーゼンだろ?真っ先にお前に紹介するからな!」
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