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ep5.5
ep5.5『TALKING ABOUT SEX(again)』 Not for sale
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もしかしたら俺がセックスする時はいつも─────
『目的ではなく手段』だったのかもしれない。
時間を戻る為だけの“手段” ─────?
(マコトの時はどうだったかわからないが─────)
俺はしばらく黙って考え込んでいた。
でも、そうじゃないセックスって?
俺はそれがどんなものかってのを知らないんだろうな。
「考えてみたらすっげぇ難しいことなんじゃね?」
ん?と御月が俺の言葉に反応する。
「だってさ。考えてもみろよ?自分が好きな相手が自分のことを好きで居てくれるってさ─────奇跡みたいなもんじゃね?」
自分が好きな相手が自分を好きとは限らないし、自分を好きでいてくれる相手を自分が好きになれるかわかんねぇし、と俺が言うと御月は頷いた。
「……そうだな。言われてみれば確かに」
「世の中の奴らってさ、普通に付き合ったりセックスしたり結婚したりしてるじゃん?」
でもさ、その中の何%が確実にお互いに好きな両思いなんだろ?と俺は漠然と抱えていた疑問を口にした。
「……なるほど。そうだよな」
御月も驚いたように答えた。
「……世の中のカップルや夫婦のうち、どれくらいがそうだと言い切れるんだろう」
だろ?と俺もそれに同意する。
「仮面夫婦とかさ、もう冷え切ってる夫婦も居るだろ?それに好きじゃないけど金目当てで結婚したとかそういうパターンもあるとしてさ────」
付き合ってるカップルだってそうじゃん?押し切られて付き合ってるようなのも居るかもしれねぇし、と言う俺の言葉に御月は相槌を打った。
「……そう考えると……本当に好きな相手と付き合えるのって思ったより難易度が高いんだな……」
「おいおいおい。お前はガチイケメンなんだからその気になりゃどんな女子とでも付き合えるだろ?」
俺がそう言うと御月は意外そうにこう言った。
「……そんなことはない。それに……」
おれのことを本当に理解してくれるのはキクコだけなんだ、と御月は続けた。
俺はその言葉を聞いて心底羨ましくなった。
心からの理解者。
自分が好きな相手が自分を好きでいてくれる。
それってなんて幸せな状況なんだろう。
前にさ、ニュースで見たことあるんだ。
超資産家の爺さんが若い嫁さん貰ってさ、でも結局その嫁に殺されてた事件ってあったじゃん?
多分さ、本当に大切なものって─────金をいくら積んでもきっと買えないんじゃないか?
俺は自分の胸がズキリと痛んだのを感じた。
俺は何をやってるんだろう。
変な呪いを受けて─────
呪いの力を利用して時間を戻って─────
だけど、こんな力なんて何の意味もないんだ。
だって俺は本当に欲しいものは何も持ってないんだから。
母親も居なければ理解して支えてくれるような彼女も居ない。
─────ま、俺みたいな人間を好きで居てくれる人間なんて居たら奇跡だよな。
もしも、そんな存在が側に居てくれるのなら─────俺はそいつの事を人生全部賭けて守るのに。
本当に願いが叶うなら─────全部捨ててもいいんだ。俺の持ってる何もかも。
ぼんやりと考えている中、御月の言葉に更に俺はドキリとした。
「高校を卒業した時点で……入籍しようって決めてるんだ」
「は?!」
入籍って─────結婚するってことだよな?
もうそんな将来の事まで考えてるのか?という俺の言葉に御月は顔を赤くして俯いた。
「………いつ子どもが出来てもいいように……ちゃんとしてたいし」
『目的ではなく手段』だったのかもしれない。
時間を戻る為だけの“手段” ─────?
(マコトの時はどうだったかわからないが─────)
俺はしばらく黙って考え込んでいた。
でも、そうじゃないセックスって?
俺はそれがどんなものかってのを知らないんだろうな。
「考えてみたらすっげぇ難しいことなんじゃね?」
ん?と御月が俺の言葉に反応する。
「だってさ。考えてもみろよ?自分が好きな相手が自分のことを好きで居てくれるってさ─────奇跡みたいなもんじゃね?」
自分が好きな相手が自分を好きとは限らないし、自分を好きでいてくれる相手を自分が好きになれるかわかんねぇし、と俺が言うと御月は頷いた。
「……そうだな。言われてみれば確かに」
「世の中の奴らってさ、普通に付き合ったりセックスしたり結婚したりしてるじゃん?」
でもさ、その中の何%が確実にお互いに好きな両思いなんだろ?と俺は漠然と抱えていた疑問を口にした。
「……なるほど。そうだよな」
御月も驚いたように答えた。
「……世の中のカップルや夫婦のうち、どれくらいがそうだと言い切れるんだろう」
だろ?と俺もそれに同意する。
「仮面夫婦とかさ、もう冷え切ってる夫婦も居るだろ?それに好きじゃないけど金目当てで結婚したとかそういうパターンもあるとしてさ────」
付き合ってるカップルだってそうじゃん?押し切られて付き合ってるようなのも居るかもしれねぇし、と言う俺の言葉に御月は相槌を打った。
「……そう考えると……本当に好きな相手と付き合えるのって思ったより難易度が高いんだな……」
「おいおいおい。お前はガチイケメンなんだからその気になりゃどんな女子とでも付き合えるだろ?」
俺がそう言うと御月は意外そうにこう言った。
「……そんなことはない。それに……」
おれのことを本当に理解してくれるのはキクコだけなんだ、と御月は続けた。
俺はその言葉を聞いて心底羨ましくなった。
心からの理解者。
自分が好きな相手が自分を好きでいてくれる。
それってなんて幸せな状況なんだろう。
前にさ、ニュースで見たことあるんだ。
超資産家の爺さんが若い嫁さん貰ってさ、でも結局その嫁に殺されてた事件ってあったじゃん?
多分さ、本当に大切なものって─────金をいくら積んでもきっと買えないんじゃないか?
俺は自分の胸がズキリと痛んだのを感じた。
俺は何をやってるんだろう。
変な呪いを受けて─────
呪いの力を利用して時間を戻って─────
だけど、こんな力なんて何の意味もないんだ。
だって俺は本当に欲しいものは何も持ってないんだから。
母親も居なければ理解して支えてくれるような彼女も居ない。
─────ま、俺みたいな人間を好きで居てくれる人間なんて居たら奇跡だよな。
もしも、そんな存在が側に居てくれるのなら─────俺はそいつの事を人生全部賭けて守るのに。
本当に願いが叶うなら─────全部捨ててもいいんだ。俺の持ってる何もかも。
ぼんやりと考えている中、御月の言葉に更に俺はドキリとした。
「高校を卒業した時点で……入籍しようって決めてるんだ」
「は?!」
入籍って─────結婚するってことだよな?
もうそんな将来の事まで考えてるのか?という俺の言葉に御月は顔を赤くして俯いた。
「………いつ子どもが出来てもいいように……ちゃんとしてたいし」
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