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ep5.5
ep5.5『TALKING ABOUT SEX(again)』 まだ見ぬ女神
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俺は浴槽に沈んでしまった御月を慌てて引き上げた。
「いやいやいや………!!悪かった!俺が悪かったから戻って来て!!!」
御月の全身は真っ赤になっている。
なんか俺、地雷踏んじゃったよな……?
これ以上のぼせてもマズいので風呂を出ることにした。
無言で身体を拭き、服を着るがなんだか気まずい。
なんか知らんが浴衣のようなものが準備されていたので有り難く使わせて貰うことにした。
風呂上がり、冷えたポカリとハーゲンダッツを御月の母親が持って来てくれた。
俺たちは縁側に腰掛けてポカリを飲み、ハーゲンダッツを食べた。
風呂上がりの味はまた格別だった。
「─────その、悪かったな。変なこと聞いちまって……」
俺は意を決して口を開いた。
年頃の健康な男女が付き合うっつったらさ、まあ当然で自然な成り行きじゃねぇか。
“何かあっ”て当然なんだよな。多分さ。
「……いや、まあそこは気にしてないんだが」
御月はまた顔を赤くして俯いた。乙女かよ。
そんなに赤くなるってことはキス以上の事とかもう確実にヤッてるってワケか。
「───まあ俺は別にPTAとか教師じゃねぇしよ。責めるつもりもそんな権利もねぇんだけどさ」
俺がそう言うと御月は俺の顔を見る。
「……佐藤は……誰か好きな女子とか居るのか?」
俺は黙った。
遥か昔───────
そこまで昔ってワケじゃないんだろうが、体感的には遥か昔に感じるんだが─────
俺は雪城マコトの事を好きになって、滅茶苦茶に苦しんだらしいんだけど。
もうわかんねぇよな。誰か好きになるとか、そういう感情が。
いや、と俺は首を振った。
「俺にはわかんねぇんだ。誰かを好きになるとか───────」
そうか、と御月は頷きそれから静かに口を開いた。
「……もしかしたら佐藤も……誰かを好きになったら解るのかもしれないな」
人を好きになる。
俺にはそれが欠けてるから───────そういう気持ちがわからないんだろうか。
「─────俺が誰かを好きになるとか、想像出来ねぇなあ」
俺がそう言うと御月は少し笑った。
「……何を言ってるんだ佐藤。お前はこんなにいい男じゃないか。女子がほっとかないだろう?」
俺は全力で首を振った。
「んなワケねぇだろ?俺、人生で一回もモテたことなんかねぇぜ?お前みたいなイケメンでもないしさ」
俺がそう言うと御月はビックリしたような表情を浮かべた。
「……何を馬鹿な事を言ってるんだ。お前の方がイケメンじゃないか」
俺が女子なら絶対に放ってはおかないし、と御月は真剣なトーンで言った。
「おいおいおいおい、お前のイケメン判定ガバガバ過ぎね?」
なんだって御月はいつも俺を過大評価してくれるんだよ?
俺がそう言うと御月は少し笑いながら答える。
「……自分で自分のことはわからないってよく言うだろう?佐藤もそうじゃないのか?」
『自分で自分のことはよくわからない』?
どう言う意味だろう。
俺がまだ子どもで─────ガキ過ぎるから何もわかってないだけなんだろうか?
────────自分の気持ちも、自分の身体も。
「……佐藤のことを好きな女子って絶対居ると思うんだが……」
それに気付いてないだけじゃないのか?と御月は俺の顔を覗き込んだ。
俺のことを好きな女子?
そんな女神みたいな女子がこの世に居るっていうのか?
「いやいやいや………!!悪かった!俺が悪かったから戻って来て!!!」
御月の全身は真っ赤になっている。
なんか俺、地雷踏んじゃったよな……?
これ以上のぼせてもマズいので風呂を出ることにした。
無言で身体を拭き、服を着るがなんだか気まずい。
なんか知らんが浴衣のようなものが準備されていたので有り難く使わせて貰うことにした。
風呂上がり、冷えたポカリとハーゲンダッツを御月の母親が持って来てくれた。
俺たちは縁側に腰掛けてポカリを飲み、ハーゲンダッツを食べた。
風呂上がりの味はまた格別だった。
「─────その、悪かったな。変なこと聞いちまって……」
俺は意を決して口を開いた。
年頃の健康な男女が付き合うっつったらさ、まあ当然で自然な成り行きじゃねぇか。
“何かあっ”て当然なんだよな。多分さ。
「……いや、まあそこは気にしてないんだが」
御月はまた顔を赤くして俯いた。乙女かよ。
そんなに赤くなるってことはキス以上の事とかもう確実にヤッてるってワケか。
「───まあ俺は別にPTAとか教師じゃねぇしよ。責めるつもりもそんな権利もねぇんだけどさ」
俺がそう言うと御月は俺の顔を見る。
「……佐藤は……誰か好きな女子とか居るのか?」
俺は黙った。
遥か昔───────
そこまで昔ってワケじゃないんだろうが、体感的には遥か昔に感じるんだが─────
俺は雪城マコトの事を好きになって、滅茶苦茶に苦しんだらしいんだけど。
もうわかんねぇよな。誰か好きになるとか、そういう感情が。
いや、と俺は首を振った。
「俺にはわかんねぇんだ。誰かを好きになるとか───────」
そうか、と御月は頷きそれから静かに口を開いた。
「……もしかしたら佐藤も……誰かを好きになったら解るのかもしれないな」
人を好きになる。
俺にはそれが欠けてるから───────そういう気持ちがわからないんだろうか。
「─────俺が誰かを好きになるとか、想像出来ねぇなあ」
俺がそう言うと御月は少し笑った。
「……何を言ってるんだ佐藤。お前はこんなにいい男じゃないか。女子がほっとかないだろう?」
俺は全力で首を振った。
「んなワケねぇだろ?俺、人生で一回もモテたことなんかねぇぜ?お前みたいなイケメンでもないしさ」
俺がそう言うと御月はビックリしたような表情を浮かべた。
「……何を馬鹿な事を言ってるんだ。お前の方がイケメンじゃないか」
俺が女子なら絶対に放ってはおかないし、と御月は真剣なトーンで言った。
「おいおいおいおい、お前のイケメン判定ガバガバ過ぎね?」
なんだって御月はいつも俺を過大評価してくれるんだよ?
俺がそう言うと御月は少し笑いながら答える。
「……自分で自分のことはわからないってよく言うだろう?佐藤もそうじゃないのか?」
『自分で自分のことはよくわからない』?
どう言う意味だろう。
俺がまだ子どもで─────ガキ過ぎるから何もわかってないだけなんだろうか?
────────自分の気持ちも、自分の身体も。
「……佐藤のことを好きな女子って絶対居ると思うんだが……」
それに気付いてないだけじゃないのか?と御月は俺の顔を覗き込んだ。
俺のことを好きな女子?
そんな女神みたいな女子がこの世に居るっていうのか?
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