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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 踏まれたラッキーストライク
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俺は上野に改めて礼を言い、教室には戻らずそのまま学校を出た。
西中への道をただ黙って歩く。
まあまあ遠いんだよな。
チャリだと30分くらいかもしれない。
でも、歩くともっとかかるんだ。
放課後に間に合うように早めに学校を抜け出したかったってのもあるが─────
少し、一人で考えたかったのかもしれない。
夢野くるみ。
俺の知ってる夢野くるみと、上野の目から見た夢野くるみは全くの別人なんだろうか?
じゃあ水森から見た夢野くるみはどうだ?
佐々木から見た夢野くるみは?
それから。
岬京矢。
コイツから見た夢野くるみは─────
俺の知る夢野くるみと同じだろうか。
俺の思考はグルグルと同じところを巡る。
だってそうだろ?
正解なんてのは誰も知らないんだから。
どれも間違いで、それでいて全部正解かもしれない。
ひたすら歩き続けた後、立ち止まった俺は校舎を見上げた。
西中。
俺らの学校とは違って、ピカピカの新校舎だった。
夏休み中に工事が完了したらしい。
燻んだ部分なんて一つもない、まっさらな白い壁。
この校舎の中に岬京矢は居るのか。
俺は眩しい校舎の壁に取り付けられている時計を見た。
考えながら歩いたからか、6時限目の終わりに近い時刻になっている。
このままHRが終わって─────
岬京矢は校舎から出てくるだろうか。
俺はポケットから煙草を取り出し、気を落ち着かせる為に2~3本吸って待つことにした。
ポケットから潰れかけたボックスを取り出し、口に咥えて火を着けようとした時だった。
不意に俺の鼻先を何かが掠かすめた。
「え?」
さっき咥えたはずの煙草が無くなっている事に気付く。
俺がゆっくりと顔を上げると、そこには─────
端正な顔立ちの男が、目の前に立っていた。
「─────やあ。他所の学校の前で喫煙とは」
君は随分といい度胸をしているんだね?と呟きながらその男は俺から奪った煙草を地面に落とし、そのまま靴で踏みつけた。
西中への道をただ黙って歩く。
まあまあ遠いんだよな。
チャリだと30分くらいかもしれない。
でも、歩くともっとかかるんだ。
放課後に間に合うように早めに学校を抜け出したかったってのもあるが─────
少し、一人で考えたかったのかもしれない。
夢野くるみ。
俺の知ってる夢野くるみと、上野の目から見た夢野くるみは全くの別人なんだろうか?
じゃあ水森から見た夢野くるみはどうだ?
佐々木から見た夢野くるみは?
それから。
岬京矢。
コイツから見た夢野くるみは─────
俺の知る夢野くるみと同じだろうか。
俺の思考はグルグルと同じところを巡る。
だってそうだろ?
正解なんてのは誰も知らないんだから。
どれも間違いで、それでいて全部正解かもしれない。
ひたすら歩き続けた後、立ち止まった俺は校舎を見上げた。
西中。
俺らの学校とは違って、ピカピカの新校舎だった。
夏休み中に工事が完了したらしい。
燻んだ部分なんて一つもない、まっさらな白い壁。
この校舎の中に岬京矢は居るのか。
俺は眩しい校舎の壁に取り付けられている時計を見た。
考えながら歩いたからか、6時限目の終わりに近い時刻になっている。
このままHRが終わって─────
岬京矢は校舎から出てくるだろうか。
俺はポケットから煙草を取り出し、気を落ち着かせる為に2~3本吸って待つことにした。
ポケットから潰れかけたボックスを取り出し、口に咥えて火を着けようとした時だった。
不意に俺の鼻先を何かが掠かすめた。
「え?」
さっき咥えたはずの煙草が無くなっている事に気付く。
俺がゆっくりと顔を上げると、そこには─────
端正な顔立ちの男が、目の前に立っていた。
「─────やあ。他所の学校の前で喫煙とは」
君は随分といい度胸をしているんだね?と呟きながらその男は俺から奪った煙草を地面に落とし、そのまま靴で踏みつけた。
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