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ep5.

ep5. 『死と処女(おとめ)』 TALKING ABOUT SEX③

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「は?」

センセェ、彼氏居たの?と思わず口に出すと小泉は視線を逸らした。

「……彼氏だったかどうかはわからない」

ただ、多分好きだった、と、どこか遠くの景色を見るように小泉は呟いた。

多分てなんだよ。メイビー?

「彼氏かどうかわかんねぇってのもイミフだし、多分好きだったとかも曖昧過ぎんだろ?」

なんだよそりゃ、と俺はどうしてだか安堵の混ざったような気分になっていた。

「アレだろそりゃ、なんかアニメキャラ的なイケメン男子に憧れでもしてたんじゃねぇのか?」

そういうのってさ、片想いって言うんだろ?と俺は小泉を揶揄うように言ってやった。

小泉は黙ったまま俯いている。

しかし、俺はようやくあることに気付いた。

俺達、さっきまでセックスについて話してたんだよな?

どうしてその流れでこの話題が出てくる?

え?

まさか小泉、その男子とヤッたとか言わないよな?

まさかな。

………だとしたら小泉、非処女って事になんねぇか?

は?

嘘だろ?

俺は恐る恐る小泉の顔を見た。

初めて見る小泉の表情だった。

恥じらいと戸惑いが入り混じったような視線。

おいおいおい、ここに来て小泉までそんなこと言い出すとか反則じゃねぇか!?

ふざけんなよ?

非処女が巫女とかやってんの詐欺じゃねぇの?

嘘だろ?

冗談だろ?なあ?

「それっていつ付き合ってどんな男子だったんだよ?」

詳しく聞かせてよセンセェ、と不安に駆られた俺は踏み込んだ質問を投げかけた。

わからない、と小泉は小さく首を振った。

「は?」

わからないって何だよ?仮にも好きだった男子だろ?

それとも出会い系やら援交・パパ活まがいの事でもやってた?

そんな馬鹿な。

だって小泉だぞ?

俺はますます混乱した。

ただでさえ夢野の事やこの先の事で頭が一杯なのに─────

肝心の小泉までこんな事を言い出すとは思わなかった俺はどうリアクションしたらいいかわからなくなってしまった。

「─────思い出せないんだ、何も」

小泉は目を伏せた。

「あんなに大好きだった人の筈なのに─────今では顔も、名前すら思い出せないんだ」

は?

どゆこと?

どういうシチュでそうなった?

薬か酒でも盛られてヤられたって意味か?

「それってさ、ぶっちゃけセックスしたって事?」

訳がわからなくなった俺は直球でそのまま質問した。
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