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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 6P×2のバリエーション
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例に場所に着くと、夢野が満面の笑みで手を振っていた。
思わず俺も手を振り返しそうになり、慌てて止める。
確かに夢野とはじっくり話をする必要があるが……
だからと言っても距離を詰めすぎても良くないよな。
がっつき過ぎてキモいとか思われたら元も子もねぇ。
俺は出来る限り平常心、平静を装いながら夢野の隣に座った。
ふふ、と小さく微笑みながら夢野は例のトートバッグから弁当箱を取り出す。
この、パッと見普通のトートバッグが6500円?
俺はファッションには疎いから100円ショップや雑誌の付録のバッグと区別がつかねぇ。
もし、夢野のこのトートバッグを『100均で買ったよ』と言われたらそのまま信じそうだ。
ブランド品の値段って部外者には分からんもんなんだな、と思いつつ俺も弁当を出した。
俺の弁当を見た夢野が小さく驚きの声を上げた。
「え!?佐藤君の今日のメニュー……ピザなの!??」
今日の俺の弁当は、手元のいつもの食材にプラスして出来た思いつきの産物だった。
「昨日・一昨日と同じお好み焼きの具材なんだけどさ……ちょっとトッピングだけ変えてピザっぽくしてみただけなんだよな」
概史の兄、フーミンが経営しているバーにフラッと寄った時におつまみとして出された6Pチーズ。(2個もらった)
近所の爺さんにお裾分けしてもらった家庭菜園のピーマン。
ケチャップを掛けたお好み焼きの上に刻んだこの二つを載せただけだ。
「同じ具材をベースにアレンジしたの?!」
佐藤君は料理のセンスあるね、と夢野はオーバーに褒めてくれた。
恒例の『ちょっと味見したいな』というセリフが出る前に俺は夢野の弁当箱の中にピザ風お好み焼きを一口分、移してやった。
「えへへ………いただきまーす!」
え!コレ美味しいよ!普通にオヤツや軽食でどんどん食べたい!と夢野は手放しで絶賛してくれた。
こう褒められると満更でもないんだよな。
「えへへ!じゃあ、あたしもお返しー!」
夢野はそういうと俺の弁当箱にロールキャベツと卵焼きをスッと入れて来た。
「へー!ロールキャベツかー。いただきま……何コレうっま!!めっちゃ美味いんですけど!!」
肉汁が溢れ出すジューシーなロールキャベツはケチャップの風味が主張し過ぎず、とろける様な味わいだった。
「夢野すげぇな!店で出てきそうな完成度じゃん!」
ガチの腕前じゃねぇか。
「えー!そうかなぁ。圧力鍋で煮るだけだから簡単だよ。昨日の晩御飯の時に多めに作ったの」
夢野は照れたような様子を見せた。
「マジか!今度レシピとか教えて貰っていいか?」
圧力鍋がない場合はどうやったらいいんだ?と俺はそこまで言ってハッと我に返った。
いやいや待て待て。
俺は首を振った。
俺は馴れ合う為にここでこうしてる訳じゃないんだ。
料理のスキルを上げようとしてどうするよ?
いや、確かに俺には必要だけどもそうじゃねぇ。
とにかく、レシピは後回しだ。
本題だよ。
夢野はどうして3年に5000円盗られた事を誰にも言わないのか?
親にも、教師にも、それに俺にもだ。
どうして黙っている?
その理由はなんだ?
その事を探る必要がある。
この件は、もうすでに夢野だけの問題じゃ無くなってるんだからな。
思わず俺も手を振り返しそうになり、慌てて止める。
確かに夢野とはじっくり話をする必要があるが……
だからと言っても距離を詰めすぎても良くないよな。
がっつき過ぎてキモいとか思われたら元も子もねぇ。
俺は出来る限り平常心、平静を装いながら夢野の隣に座った。
ふふ、と小さく微笑みながら夢野は例のトートバッグから弁当箱を取り出す。
この、パッと見普通のトートバッグが6500円?
俺はファッションには疎いから100円ショップや雑誌の付録のバッグと区別がつかねぇ。
もし、夢野のこのトートバッグを『100均で買ったよ』と言われたらそのまま信じそうだ。
ブランド品の値段って部外者には分からんもんなんだな、と思いつつ俺も弁当を出した。
俺の弁当を見た夢野が小さく驚きの声を上げた。
「え!?佐藤君の今日のメニュー……ピザなの!??」
今日の俺の弁当は、手元のいつもの食材にプラスして出来た思いつきの産物だった。
「昨日・一昨日と同じお好み焼きの具材なんだけどさ……ちょっとトッピングだけ変えてピザっぽくしてみただけなんだよな」
概史の兄、フーミンが経営しているバーにフラッと寄った時におつまみとして出された6Pチーズ。(2個もらった)
近所の爺さんにお裾分けしてもらった家庭菜園のピーマン。
ケチャップを掛けたお好み焼きの上に刻んだこの二つを載せただけだ。
「同じ具材をベースにアレンジしたの?!」
佐藤君は料理のセンスあるね、と夢野はオーバーに褒めてくれた。
恒例の『ちょっと味見したいな』というセリフが出る前に俺は夢野の弁当箱の中にピザ風お好み焼きを一口分、移してやった。
「えへへ………いただきまーす!」
え!コレ美味しいよ!普通にオヤツや軽食でどんどん食べたい!と夢野は手放しで絶賛してくれた。
こう褒められると満更でもないんだよな。
「えへへ!じゃあ、あたしもお返しー!」
夢野はそういうと俺の弁当箱にロールキャベツと卵焼きをスッと入れて来た。
「へー!ロールキャベツかー。いただきま……何コレうっま!!めっちゃ美味いんですけど!!」
肉汁が溢れ出すジューシーなロールキャベツはケチャップの風味が主張し過ぎず、とろける様な味わいだった。
「夢野すげぇな!店で出てきそうな完成度じゃん!」
ガチの腕前じゃねぇか。
「えー!そうかなぁ。圧力鍋で煮るだけだから簡単だよ。昨日の晩御飯の時に多めに作ったの」
夢野は照れたような様子を見せた。
「マジか!今度レシピとか教えて貰っていいか?」
圧力鍋がない場合はどうやったらいいんだ?と俺はそこまで言ってハッと我に返った。
いやいや待て待て。
俺は首を振った。
俺は馴れ合う為にここでこうしてる訳じゃないんだ。
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いや、確かに俺には必要だけどもそうじゃねぇ。
とにかく、レシピは後回しだ。
本題だよ。
夢野はどうして3年に5000円盗られた事を誰にも言わないのか?
親にも、教師にも、それに俺にもだ。
どうして黙っている?
その理由はなんだ?
その事を探る必要がある。
この件は、もうすでに夢野だけの問題じゃ無くなってるんだからな。
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