[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep5.

ep5. 『死と処女(おとめ)』 裏校則の運用ルール

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「俺はどっちかってーと佐々木のカーチャン目当てで家に上がり込んでたようなもんだし」

佐々木ん家の子になりたいってだけだったからそういうんじゃねぇし、と俺は全力で否定した。

「佐々木本人もそんな気は無かったと思うぜ?」

それに、と俺は力を込めて言った。

「さっきも言った気がするが、そもそも夢野と付き合ってるワケじゃねぇし」

俺が複数の女子にちょっかい出しまくってるみたいな誤解だけは否定しておきたい。

なんか知らんけど、さっきはカッとなって言葉のあやってヤツでつい言っちまったんだろうな。

旧友の佐々木が酷く侮辱されてたもんだから許せなかったんだ。それは認める。

ふーん?にしてはヤケに親切すぎない?と上野はニヤニヤしながら俺を揶揄う。

「佐藤っちって硬派なのかと思ってたけど案外、あちこちで女子に手を出してるんだねぇ」

心外だ。

誤解にもほどがある。なんでそういう方向に話を持って行きたがるんだ。

何かを言いかけて俺はふと考えた。

付き合ってる訳でもない俺が夢野に関する事柄をあれこれ聞いて回るのって不自然なのか?

確かに、夢野くるみがビルから身を投げるのを阻止したいとは思ってはいるが────

かと言って、それを他人に言ったりも出来ないし、言ったところで信じる人間も居ないだろう。

だとしたら。

[俺が一方的に夢野くるみを気に入っている・好意を寄せている]っていうテイにしておいた方がいいのか?

こういう小細工のようなのはあんまり好きじゃないが、この際そんな事も言ってられないだろう。

少し考えた後、俺はさも重要な事のように勿体ぶりながら口を開いた。

「実はさ、俺、夢野のことちょっといいなって思ってて」

だから夢野がイジメられてるかもって思って暴走しちまった。悪ぃな、と俺はしおらしい態度で上野に打ち明ける。

どうだ?これなら俺の行動に整合性がとれるだろ?

「そっか……だよねぇ……」

またニヤニヤされると思ったのだが、上野はなんとも言えない表情を浮かべた。

「佐藤っちってさ、マジでいいヤツなんだね」

ボソリと上野は呟くと少し黙った。

「あーし、告げ口みたいなの嫌いだし、個人情報みたいなのを本人不在のままベラベラ喋るのも好きじゃないからさ……」

そういうのは言えないんだけど、それ以外の事だったら少し話せるよ、と上野はやや真剣そうな面持ちで俺の方に向き直った。

「それ以外の事って?」

俺が聞き返すと上野は小さく頷いた。

「裏校則のコトだよ。無法地帯みたいなモノに思われるかもだけど、実は明確な運用ルールが存在してんだよね」

「運用ルール?」

誰が決めてんだ、そんなルールを?

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